第10回「なんか迷い込んできた海からの刺客(だと思われ」
2008/10/17

「…………雛菊ト交戦シテいたト思ったンだガ……何処ダここハ。暗ク、安定しなイ、不可解ナ場所ダ……一定ノ形ヲ成してイナイ。……イヤ、変化ヲ感じル。海面、海面ダ、空ト海面が形成サレタ。マダ暗いガ、夜なのカ? とリあえズ──」
「──海面があるナラ、コノほうガいいダロウ。……明るくナッテきたナ、それト、有機的ナ意識ダ。ダガ人間ではナイ……」
「ああ〜、哨戒ってつまんなぁい。どうせ見つけたって撃てないし、鯨だのなんだのってごまかすんでしょ。ああ、最悪、なんで魚雷持ってるのよ、私」
「海袮、聞こえていますよ」
「しっかもまた監視されてるしっ。私ってそんなに信用できない?
「普段の行いが、こういう結果を生むんですよ」
「はぁ〜、人の事言えるのかなぁ。粉雪大佐ってば、言えないよねぇ」
「んーと、何のことかしらー?」
「自覚はしているんだな。……ん、何か近くにいないか?」
「潜水艦なら、MADの範囲内にはいないけど……あ、ちょっと、あれ何?」
「見た事がない形だ、船なのか?」
「電波受信、これ、もしかしてIFF応答要求? やばっ、知らないコードだ。──ミサイルロック!?」
「退避しろ、海袮。伊理奈が来ない事には、今の装備では無理だ」
「魚雷撃っちゃえばいいじゃない!」
「馬鹿を言うな、撃たれるぞ」
「え、ちょ、本当に撃ってきたよ!」
IFF応答ナシ、敵ト判断。ラバーフィルムSAM、発射。敵ヲ視認、ステルスモード解除、近接戦闘ニ移ル。マスト展開」
「チィッ、アクティヴか。海袮、チャフを撒いてこっちへ全力で飛べ」
「無理無理、追いつかれる!」
「弱音を吐くな、まだ距離がある。──よし、間に合った、私の後ろへ逃げろ」
「み、美風は?」
「この程度、叩き斬ってやるさ」
「──全弾、命中せズ。なかなかヤル。それに、ヒトガタ? おかシイ、確かニ航空機ト感じタが……成ル程、私トほぼ、、同じなのカ」
「ナラバ、対等ノ姿デ葬ルべきダロウ」
「ほう、この空間に艦艇の精神体か。珍しいな、迷い込んできたようだが──」
「その人の処理は、私達が行います」
「む、伊理奈はどうした?」
「ガーベラが無線を傍受したのよ。近くだったから、すっ飛んできたわけ」
「あの娘はね、ミサイル・ボックス──これはコードネームだけど、私達の世界の無人ミサイルコルベットなのよ」
「無人ミサイルコルベット──ですか。自律行動をしているのですね。しかし、何処となく機械らしくありませんが、怜准尉?」
「あのタイプが基幹とするものは、私達と同じなの。ただ、アプローチが全然違うけど」
「ソコノお前達、ブルーレインを感じルぞ。そしてコレハ、雛菊ノ思念ダ。お前達、雛菊ノ艦載機ダナ」
「どうやらあちら、、、の世界では、雛菊も精神体として活動しているようだね」
「へぇ、どんなんなんだろ。ちょっと興味あるわね」
「丁度イイ、奴ニハ借りガあル。お前達を血祭りニ上げ──」
「空が裂けた、空間が変化しますよ」
「あ、ミサイル・ボックスの姿が薄れていく」
「ッチ、住ム世界ガ違ウから、拒絶サレテいるのカ……だガ、何レまた遭うダロウ。ブルーレインは呼ビ合ウのダカラな」
「私はあなた達のシステムが嫌い、そしてあなた達を発展させたあのシステムも……次は容赦なくモスキートASMを撃つわ」
「成る程、我々にはやばい相手だったようだな」
「まさに未知の相手ですからね」

GS(UGC-1)
無人艦、ブルーレイン搭載のA型。航空ガールではないが、よく迷い込む。
海袮(P-3C)
自衛隊のP-3C。潜水艦を沈めたくてしょうがないが、許可が下りない。
粉雪(E-767)
いつもほんわかしてるが、メガネをかけるとシャキッとする。
美風(F-15J)
マイペースでめんどくさがり。しかし、瞳孔が開くととにかく強い。
ルナ(Su-37jk)
身体は小さいが、行動は積極的。
カタリーナ(Su-37jk)
強気で気さくでお気楽。それでいて世話好き・世話焼きときている娘。
(Su-37jk)
一途で尽くすタイプなお姉さん。いろいろ大変だったらしい。





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