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「リル、その羽をおくれ」 |
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「え、えと……これは抜けませんからっ」 |
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「はっはっはっ、成せば成るって言うだろう? どうせ引っこ抜いたって再生するんだ、変な力は便利だね」 |
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「無理、無理ですっ。い、痛い、痛い!」 |
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「そぉれもうすぐいただきだ」 |
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「痛いって──」 |
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「言ってるじゃないですかっ!」 |
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「お、キタキタ」 |
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「もう許しませんよ、私だって痛いのは嫌なんですからね!」 |
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「そうこなくっちゃね、最近身体がなまってたんだ。どれ、運動運動」 |
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「私を甘く見ないで貰いたいですね、これでも岩くらいは簡単に砕けるんですよ!(バコッ」 |
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「ひょいっ)はっはっはっ、強い強い、岩をも砕くってね。でもその翼、速度が足りないんじゃないかな? ん、ふっふふ、攻撃とはこうだ!」 |
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「あうぅっ──」 |
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「ほらほら、もう、腕一本お釈迦だ。早く再生しないと次が来るよ」 |
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「腕一本なくったって、十分です!(ヒュッ」 |
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「おぉおぅ!?」 |
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「この翼、逆にむしりとってあげます!」 |
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「そう焦るな、って、さ」←自分の翼を掴んでいるリルの翼を、イーグルレッグで掴み返し、オーバーレブで切断 |
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「あぐぅぅ──!! ああぁ、あ……」 |
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「付け根から爪の先までが長すぎるんだ、リーチがありすぎる。だから、イーグルレッグで簡単に掴み返せる」
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「はぁ……はぁ……」 |
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「そして図らずとも……この翼は私のものだね?」 |
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「か……返してぇ……私の翼……」 |
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「ん? どうせ再生するだろ。それに、この部位が気に入らないんじゃなかったかな、お前は」 |
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「それでも、それでも私の身体だもの……だから、だから返して、お願いっ」 |
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「…………」 |
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「大嫌いな翼だけど、それも含めて私なんです! それがなければ、私でなくなる気がするんです、だから、だから!」 |
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「……ふっふふ、気が変わった」 |
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「あ……」 |
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「ほら、こうして付ければ再生するより早いし、力の消費も少ない。力が強い、結構じゃないか。それはお前しか持っていない、お前だけのモノだ。卑下するモノじゃないよ」 |
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「プリシラ……さん?」 |
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「大事にするんだね。それに私が狙うのは羽根、こういった翼そのものは趣味じゃないんだ。丸ごととか飾りたくないしね」 |
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「あ、あの……それじゃ、もう戦わなくていいんですね?」 |
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「さぁて、どうかな」 |
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「い、意地悪ですぅっ」 |
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