第26回「いや痛いからそれマジ痛いからやめて」
2008/11/02

「リル、その羽をおくれ」
「え、えと……これは抜けませんからっ
「はっはっはっ、成せば成るって言うだろう? どうせ引っこ抜いたって再生するんだ、変な力は便利だね
「無理、無理ですっ。い、痛い、痛い!」
「そぉれもうすぐいただきだ」
「痛いって──」
「言ってるじゃないですかっ!」
「お、キタキタ」
「もう許しませんよ、私だって痛いのは嫌なんですからね!」
「そうこなくっちゃね、最近身体がなまってたんだ。どれ、運動運動」
「私を甘く見ないで貰いたいですね、これでも岩くらいは簡単に砕けるんですよ!(バコッ
「ひょいっ)はっはっはっ、強い強い、岩をも砕くってね。でもその翼、速度が足りないんじゃないかな? ん、ふっふふ、攻撃とはこうだ!
「あうぅっ──」
「ほらほら、もう、腕一本お釈迦だ。早く再生しないと次が来るよ」
「腕一本なくったって、十分です!(ヒュッ」
「おぉおぅ!?」
「この翼、逆にむしりとってあげます!」
「そう焦るな、って、さ」←自分の翼を掴んでいるリルの翼を、イーグルレッグで掴み返し、オーバーレブで切断
「あぐぅぅ──!! ああぁ、あ……」
「付け根から爪の先までが長すぎるんだ、リーチがありすぎる。だから、イーグルレッグで簡単に掴み返せる」
「はぁ……はぁ……」
「そして図らずとも……この翼は私のものだね?」
「か……返してぇ……私の翼……」
「ん? どうせ再生するだろ。それに、この部位が気に入らないんじゃなかったかな、お前は」
「それでも、それでも私の身体だもの……だから、だから返して、お願いっ」
「…………」
大嫌いな翼だけど、それも含めて私なんです! それがなければ、私でなくなる気がするんです、だから、だから!」
「……ふっふふ、気が変わった」
「あ……」
「ほら、こうして付ければ再生するより早いし、力の消費も少ない。力が強い、結構じゃないか。それはお前しか持っていない、お前だけのモノだ。卑下するモノじゃないよ
「プリシラ……さん?」
「大事にするんだね。それに私が狙うのは羽根、こういった翼そのものは趣味じゃないんだ。丸ごととか飾りたくないしね
「あ、あの……それじゃ、もう戦わなくていいんですね?」
「さぁて、どうかな」
「い、意地悪ですぅっ」

リル(SAAB35)
ちょっと心配性で気が弱く脆いが、体術が得意で実は強い。
プリシラ(F-15C)
全身兵器。ジェラを色々な意味で狙っている。





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