第41回「我々は甘くはないのだよ!(当社比」
2008/11/17

「……ん?」
「どうかしましたか」
「いや、思念が一つ、こちらへ向かっているようじゃが……かなり焦っているのう」
「確かに、アンノンが一機、向かってきますわね」
「あやぁ〜敵さんですかぁ〜?」
「ふむ、先程も申した通り焦っておる。攻撃的な意思は感じないが、ちと微妙かの」
「アリスとリエナが近くに居ますわね、向かってもらいましょう」


「……リエナ、そろそろコンタクトラインに乗るよ」
「そーだネ。で、敵なの?」
「……その気はないみたいだけど、こちらに気付いていないみたい」
「ふぅん、じゃあ通常機だネ。少なくとも、外機グループじゃない訳か。ま、MCなら思念で分かる訳だけど。
もみじは使ってるけどサ、あたし達はレーダー使ってないから、こっそり近付けると思うよ」
「……IRSTは?」
「あればもう気付いてるっしょ」
「……うん、ないみたいだね。……来たよ、回り込むね」
「ハァハァ……まったく、撃ってくるとは思わなかったヨ。本気で撃墜しようとしてたヨ、絶対。何度も撃ってきたもん」
「ありゃま、中国機。あっちの時代だと、人民解放軍のみだネ。あたし達の時代じゃ、必然的に敵性勢力だよ」
「……外機・日本のテリトリーだし、一応、警告しておくね。
……こちらは日本軍、貴機は日本の領空へと接近している。このまま進めば、日本の領空を侵犯する事となる。この先は日本の領空である、即刻退去せよ。この先は日本の領空である、即刻退去せよ。
 
「なんか聞こえるヨ、疲れすぎて幻聴かな? 日本から撤退してきたばっかりだヨ」
「……目標は警告を無視、警告射撃に入ります(ブゥゥゥゥゥゥゥム!」
「アイヤー! いきなり追い越されたと思ったら、アリスだヨ! まさかここって──」
「……今のは最後警告である、今のは最後警告である。これが受け入れられない場合、領空に入り次第、当方は貴機を撃墜する。即刻退去せよ、即刻退去せよ」
「うわっ、うわっ、うわわっ、すごく好戦的ネ! 逃げなきゃ──」
「目標はなんですの?」
「……殲撃10型、国籍マークは人民解放軍。……攻撃規定外」
「あらあら、でも、領空に入ったら脅しで撃っちゃっていいですわ。勿論当てては駄目ですけども、それでも進むのであれば、攻撃規定にのっとって、敵機と見なし、撃墜可ですわ」
「……了解。……レーダー復帰、ミサイルロック」
「待って待って、もう帰るから! やめて、ほんとやめてヨ!」
「……目標は空域の離脱を開始」
「防空識別圏を出るまで、エスコートしてやろうよ」
「……ロック・オンは解除しないで、だね」

妹月(殲撃10型)
いつも自衛隊機のテリトリーに遊びに行くが、すぐさま追い返される。
アリス(Su-37jk)
無口で無表情だが、まったく喋らない訳ではない。
リエナ(Su-37jkR)
元気でお調子者。偵察が大好き。
もみじ(JE-1)
丁寧な言葉遣いとは裏腹(?)に、策士。翼の姉妹達の中ではリーダー格。
ガーベラ(Su-37jkE)
翼の姉妹達から、姉のように慕われている。レオナを溺愛。
レオナ(Su-34jk)
おっとりとした女の子だが、攻撃になると性格が攻撃的に変わる。





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