第43回「今見たら芋虫に見えたのでこれを書く」
2008/11/19

「ねぇ、この芋虫みたいなのはなんなの?」

芋虫とは言い得て妙な……。確かに、尻尾の部分が芋虫を想像させるかの。こいつは外機の日本陸軍に於ける、主力攻撃ヘリJH-26 ブラスターじゃ」
「ああ、そう言えば日の丸が付いているわね。で、その芋虫な部分はなに?
「先端のトゲは、真ん中がESMアンテナ下の左右二本がECMアンテナじゃ」
「芋虫の尻尾の角って、アンテナみたいな物なのかしら」
「さぁ、そこまでは知らぬが」
「で、ローターの上にある円盤はレーダーなんだろうけど、その上にある半球は何?」
「うむ、それはBSCCD(ビスシッド)、戦闘支援カメラ/通信装置じゃ。カメラによる索敵・追尾に使用するほか、レーザー通信用の媒体でもある。ブラスターには2基積んでおるぞ。ローター直上のは、察しの通りレーダーじゃ。別名『お餅』じゃな」
「そう言えば、レーザー通信が重要だったりするのよね。あと、機首下のはガトリングのターレット?」
「そうじゃ。GG30-3H ヴァリアントIII-H 3砲身ガトリング機関砲の、じゃな。アサルトフランカーのヴァリアントIIIを、3砲身にした物で、口径は30mmと強力。発射速度は、砲身数が少なくなっているので、元のヴァリアントIIIより劣るがの。その下にあるのは、照準用兼索敵用のカメラユニットじゃ。通常の高感度カメラに加え、赤外線カメラ、レーザー照準器、投光器、赤外線投光器を持つ。機首下にある突起は、ワイヤーカッターじゃな。ヘリにとって、ワイヤーを張られるのは意外と邪魔でのう」
「ああ、車両もそうね。首切りワイヤーは厄介よ、だからこそワイヤーカッターが付いているわけだし」
「進行方向に対し、用途不明な細い板が縦についていたら、ほぼワイヤーカッターじゃな」
「ウイングにぶら下げている兵装と、機体下の兵装は?」
「左から、NA-3 アウルアイV 高精度夜間攻撃支援ポッド、AGM-5 フレイムリング IRH中距離AGM、AAM-8 ディスタンス IRH短距離AAMじゃ。ナイトアイは左が航法ユニット、右がIRST及びレーザー照準器。短距離AAMを搭載しておるので、敵航空機に対する自衛も、一応可能じゃ。用途自体は、敵のヘリを撃墜する為の物じゃがの」
「下位機はないの?」
「ないのう。強いて言えば、強行偵察ヘリのJH-23 マトリクスかの。JH-20 ブリッツァーはまた違うからのう。一応、下位機の必要性は感じているようじゃから、そのうち開発されるかも知れぬが。JFXと同じじゃ」
「JFX?」
「うむ。シー・ファルクラムやマリン・ヴァイパーなどと置き換える、小型の汎用戦闘機で、ゼロの下位機に当たるのじゃ。簡単に言えば、F-15とF-16みたいなものかの。試作機がもう飛んでいる筈じゃが」
「成る程、複数あったのを一本に絞るわけね」
制空戦闘機型、攻撃機型、戦闘偵察機型、電子戦機型の4タイプになると聞くが、攻撃機型は、恐らく戦闘攻撃機型になると思うぞ」
「日本の未来はそこへ行き着くかしら?」
「いや、今のままでは無理じゃろう。それに……」
「フィクションはフィクションじゃ、予言ではない」
「そりゃそうね」

ガーベラ(Su-37jkE)
翼の姉妹達から、姉のように慕われている。レオナを溺愛。
フェメナ(YF-23)
毒舌で言いたい事を遠慮なく言う。エイリをライバル視している。





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