第46回「献血をお願いしマース(ジュースはやらぬ」
2008/11/22

「血が……血が足りない」
「(……何ヲいっテいるのカシラ)」
「アカの! アカの血が足りない!! 我が赤斬刀あかざんとうが飢えている!」
「本物ノ馬鹿カしら?」
「いつぞやの無人機か……。衛子の刀は妖刀で、多くの血を吸っている……という設定らしい」
「確かにそういう設定だが、我の刀が血を欲しがっているのは確かだ」
「血を欲しがっているのは、貴様本人だろう?
「そうでもあるなぁ(ニヤリ」
「フンッ、本当ニ人間ノ考えるコトはよく分からないワ」
「人間じゃないけどね」
「ただ何も考えずニ攻撃シテ、皆殺しにスレバそれデ任務完了だとイウのに」
「いかにも殺戮マシーンが考えそうな事だ。我は闘争本能を満たし、ひいては防衛を、そしてその過程で血が見たいだけだ」
「戦友……十分狂っていると思うが」
「ククッ、鉤十字が言える事か?」
「戦争の黒い部分を見れば、何処の国も狂っている。あるのは自己正義だけだ、我々も、貴様達もな。だがそれが人間だ、動物が本来持つ闘争本能、そして生存本能、縄張り意識。所詮、戦争もそれの延長に過ぎないよ、戦友」
「国境をなくすか? それによって、皆がメリットを得られるか? 皆が納得するか? 愚問だな、何かを押さえつけ支配しなければ、一つに絞る事はできない。だから我は、我の祖国を、ひいては護りたい人々を護る。そしてその過程で、血が見たい
「戦友……」
「下らナイ。命令どおりニ動いテいれバ、それでイイのヨ」
「人それを機械と言う。もっとも、貴様は機械だがな。我も確かに機械だが、今の我には鮮血が流れている。貴様の血は、オイルかな?(チャキッ
「所詮人間の模造品カ、すぐに錆びツク赤い血ハ、一体何ヲ見せてクレルというノ? 私ハ幾ら血を見ようトモ、関係なイ。命令のままニ、殺すだけヨ。いいわネ、殺戮マシーン、その通りダワ
「ルナに聞いたが……ある種の意思がある分、A型というのは性質が悪いな。B型もそうなのか?」
「B型は完全ナ人形よ、命令を淡々ト復唱・実行し、報告スルだけの存在。人間的に言えバ、哀れネ」
「ふんっ、貴様もある意味人間の模造品だ」
「……ハ?」
「それだけ自己を持っているんだからな」
「…………」
「(人の手で作られた擬似人格なのか、それとも……A型は複雑怪奇)」

衛子(F-4J改)
戦って斬って血を見るのが好き。喧嘩上等らしい。
HL(FX-11)
無人機、ブルーレイン搭載のA型。一応自我があるようだ。
イズベルガ(M-262 A-1b)
軍人気質で結構厳しい。教育してやる!





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