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「年明けで浮かれているようだが、中東では今日も今日とて戦争だよ」 |
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「そのようだな、最初に撃ったのはハマスだろう?」 |
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「いや、私らがパレスチナの戦闘員を射殺した報復に、ロケット弾を撃ち込んだんだけど……」 |
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「その戦闘員は、爆発物を埋めていたんだろう?」 |
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「そういうことらしいけどね、そうなった原因があって、そうなった原因の原因がある訳で、何処まで辿ればいいのやら」 |
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「戦争の発端は威力の問題じゃないからな、ミサイル一発が戦争に繋がる事だってある。元々戦争を再開したかったのであれば、銃弾一発でも理由に出来るわ」 |
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「うん、要はそういう事だね」 |
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「相手に戦争理由を作らせてしまうのも問題だな、もっと政治的な解決の道はないのか?」 |
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「難しいと思うよ。というか、パレスチナ自治政府自体もハマースを批判してるからね」 |
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「アメリカはいつもの事として、イギリスとドイツもハマスを非難。まさか、自治政府とエジプトまでもが非難するとは思わなかったけど」 |
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「ハマースはイスラエルの存在自体を認めないんだよ、テロが止まるはずがないじゃないか」 |
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「そして報復も止まらない」 |
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「その通り、そしてそのまた報復も止まらないのさ」 |
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「お前達のそれは、殲滅戦争だからな。双方が双方を消したがっている、どちらかが消えるまで終わらないか」 |
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「解決の糸口はあるのかな」 |
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「どうかな。パレスチナ自治区が、ちゃんとした国として独立すれば可能じゃないか。悪戯にテロを行えば、それ以上の被害が出るのは分かっている筈だ」 |
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「やらざるを得ないのか、それとも、わざとやっているのか。本人達が本音を話してくれれば、分かるかもね」 |
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「まぁ最大の原因を作ったのはライミーだけどね」 |
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「何か言いましたかクラウツさん?」 |
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「いやいや、割と沢山原因を作っているお国だね、と、それだけだ」 |
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「うるせーですよ」 |
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「そう言えばそうだったね、君達が全て悪いとは言わないけど、三枚舌はちょっとね」 |
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「それは置いといて、死者の数だけで善悪を判断するような行為は早計だと思うがね」 |
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「善悪の領域はとっくに超えていると思うけど」 |
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「もう習慣的なものだからな、『またか』レベルの」 |
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