第92回「アリスとゼロ・アリスじゃ性格も表情も違うんだぜ!」
2009/01/07

「……ゼロ・アリス」
《何、アリス》
「……ゼロ・アリスは痛みを感じるの?」
《被弾した時とか?》
「……うん」
《感じないわ、だって機械だもの》
「……でも、私は感じるよ。……同化してる時」
《当然よ、それが精神生命体だもの。機体と一体となる、生命体。実体も持っているのよ? 若干の痛覚は残るわ。私はあくまでゼロ・アリスという機械であって、アリスという生命じゃないの
「……どっちが本物?」
《どっちも本物だよ、アリス。ゼロ・アリスという戦闘機として見れば、私が本体、アリスという生命で見れば貴女が本体。だから一つであるべきだった。でも貴女は機械じゃない、人としてマスターに触れられる存在》
「…………」
《私は、私が模造か貴女が模造かなんて、考えない。私はただただゼロ・アリスであるだけ、私を生み出したのは貴女の疑心。私は使われるモノで、貴女の身体》
「…………(だからこそ不安なの、ゼロ・アリス」
《いつか一つになろう、その必要だってある筈だよ》
「……うん」
《それじゃあ電源を落とすね。お休みアリス、私の心
「……お休み、ゼロ・アリス」
「…………やっぱり不安。……私はMLSにより生み出された生命体、MLSを内包するのはゼロ・アリス。……心だけが、本体を離れているだけなのかも……本体は、ゼロ・アリス? ……解らない」
「なーに独りごと言ってんの、ア・リ・ス」
「……ううん、なんでもない」
「ふーん、それならいいんだけどサ」
「…………(一つになれたとして、残るのはどっちなんだろう

アリス(Su-37jk)
無口で無表情だが、まったく喋らない訳ではない。
ゼロ・アリス(Su-37jk)
もう一人のアリス、本来は一つであるべき者。アリスだけが存在を知っている。
リエナ(Su-37jkR)
元気でお調子者。偵察が大好き。





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