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「七夕だってさ」 |
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「うん、そうだよ」 |
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「ボクの願いはこれ! 『色が付きますように』」 |
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「切実だね……」 |
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「だってさ、そろそろ欲しいじゃん。色」 |
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「私だってないんだし」 |
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「じゃあ一緒に色つければいいんだよ、おにぃちゃんのやる気注入しようよ」 |
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「どうかなぁ〜、もういっぱいいっぱいな感じがするけど」 |
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「え〜」 |
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「因みに私のはこれ! 『OVTと同じエンジンが欲しいです』」 |
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「何? ダブルクルビットでもやるの?」 |
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「うん、やってみたい」 |
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「エンジンだけじゃ駄目でしょ、制御系等もろもろ貰わないと」 |
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「じゃあそれも」 |
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「よし、それじゃ、日本に行って短冊つけてこよう!」 |
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「そうしよう──って、なんで二つあるの?」 |
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ぎくっ |
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「何が書いてあるの?(ひょいっ」 |
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「ああ〜っ」 |
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「えーと、『ジェラおねぇちゃんはボクのもの』」 |
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「…………」 |
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「…………(じっ」 |
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「…………(ふいっ」 ←目を逸らした |
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「抜け駆けするなんてずるい!」 |
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「だってボクのものなんだもん!」 |
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「違う! 私の!」 |
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「二人のものでありますぅ〜(喜」 |
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「えー、独占したーい」 |
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「あ、ずるい!」 |
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「だけど残念だね、私のものなんだ」 |
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「外野はすっこんでろーっ」 |
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「そうだそうだー」 |
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「ふふ……負け犬の遠吠え、いや、負け狐と負け燕の遠吠えか」 |
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「…………プッ…………モテモテだね……?」 |
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「あ、あはは」 |
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