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「今日はバレンタインですわ」 |
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「うむ、そうじゃな」 |
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「バレンタイン? イギリスの歩兵戦車のことですか?」 |
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「違いますわぁ〜」 |
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「冗談ですよ。で、あんた達は渡す相手が居るのですか?」 |
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「そりゃ勿論、のう?」 |
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「ねぇ?」 |
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「ふーん、そりゃ結構ですよ。今年はなにやら、菓子メーカーの陰謀で逆チョコなるものが流行(したのかどうかは知りませんのです)のようですが」 |
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「あら、女の子のイベントを奪うような行為は、どうかと思いますけど」 |
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「ふむ……ああ、きっとホワイトデーには逆マシュマロや逆アメが出てくるぞ」 |
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「やりそうですねぇ。ところで、中尉は逆チョコやったのですか?」 |
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「ズイッ)いいかリズ、よく聞け。俺はな、流行が、大嫌いなんだよ」 |
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「ただ単に相手が居ないだけなのですよ」 |
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「ばっかやろう、居るだろ! アリスが!」 |
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「それはこっちの世界。リアルに生きる中尉は?」 |
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「…………(目をゆっくり逸らす」 |
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「あらあら」 |
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「駄目じゃな」 |
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「うっせボケ。青春なんかとっくにオワットルわ! あとは、あとは延々と続く労働と浪費の日々だ。前方が真っ暗なほっそいタイトロープを渡り、下は奈落、上は混沌、後方は歩を進めるそばから消えていく! そんな世界だ!! オワットルわ! とっくにな!!」 |
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「そんな考えだから無気力星人なのですよ、オバカですねぇ」 |
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「 _| ̄|○ 」 |
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