第139回「獲物を求めて彷徨う」
2009/02/23

「MBT……MBT……MBTはいないかしら……」
「潜水艦……潜水艦……潜水艦はいないかな」
 (誰だ! ……? 誰もいないのか)
 (誰だ! ……? 気のせいか)
「……あなたも獲物を求めて彷徨う感じ?」
「そう言うあんたもね」
「だってその為の攻撃機だもの。戦車! 戦車! 主力戦車!! 潰して回って棺桶量産!! でもあなた、攻撃できないんじゃないの?」
「攻撃は出来ないけど嫌がらせはするよ」
「潜水艦に関しては、徘徊しているDDやDDGより上だものね」
「艦艇は音を拾う為に減速するし、水温の層にも弱いし。アクティヴは隠密性を損なうから迂闊に使えないし。その点私は、ソノブイばら撒いてやったら、あとはやりたい放題だね。ソナー発振してるだけだし、文句は言わせないよ。
勿論嫌がらせだけど
「それくらい当然ね」
「でも本当は攻撃したい」
「攻撃しちゃえばいいじゃない」
「だめだって、ほら、あそこで睨んでるのが居るから
「…………」
「あー、そりゃだめだわ」
「ねー?」
「ねー?じゃありません、ソノブイを投下するにもお金が掛かるんですよ
「じゃあディッピングソナーつけてよ!」
「曳航でもするつもりですか? 雑音で聴音どころじゃないでしょう」
「ううぅ……」

海袮(P-3C)
自衛隊のP-3C。潜水艦を沈めたくてしょうがないが、許可が下りない。
リーネ(A-10A)
渾名はガトリング・ボア。戦車を撃ち抜く事に快感を持っている。
粉雪(E-767)
いつもほんわかしてるが、メガネをかけるとシャキッとする。





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