第158回「いざ出航!」
2009/03/14

━━外の世界━━
「ソマリアへ『さみだれ』『さざなみ』が往く、ついにこの時が来たか。ホワイトデーに出航とはね」
「無事に戻ってきて欲しいね」
「そうだね。これが足がけになって、もうちょっと世界情勢ってのを考えるようになってくれればいいんだけど……」
「どうかな。でも、やらなければ進まないからね。さぁ、戻ろう」


「お、アリスだ。手に何か持っているぞ
「……あ、志乃さんに伊理奈さん」
「なんですか、それ」
「……ホワイトデー」
「ああ、成る程ね。……そう言えば話はまるっきり変わるけど、アリス達の世界は2053年だったな?」
「……はい」
「という事は、今日出航した『さみだれ』と『さざなみ』が今後どうなるか、知っている訳だ」
「……教えてください、アリスさん」
「……残念ですが、私達の世界は、あなた方の世界とは歩みが違います。……史実は2003年まで、それ以降は徐々に歴史がずれ、完全に違うものになっていますので」
「そうか、残念だな」
「……ただ、今回の派遣に近い事は起きていますし、その結果が方陣級護衛フリゲイトと、護符級護衛コルベットの設計・建造に繋がっていますが」
「そちらの世界で派遣されたのは、なんですか?」
「……高波級護衛駆逐艦 DE-116『岩波』と、DE-117『磯波』です。……当時は、 たかなみ型護衛艦 DD-116『いわなみ』 DD-117『いそなみ』と呼ばれていましたが」
「あれ、19DDはいないのか?」
「……いません。……こちらの世界では、19DDの計画はなく、たかなみ型の強化型が計画されています。DD-121以降がそれです。……よって、07年にDD-11508年にDD-116が就役し、2012年度の完成艦までたかなみ型です。……DD-121以降は、波T型、波U型、波V型と呼ばれますが、たかなみ改型とも呼ばれます」
「完全にずれているんですね。もっとも、同じにしていったらキリがないし、基本的に未来の話ですから、歴史の後出しを反映させるのは不可能ですね」
「そりゃそうだ。いちいち合わせていたら、話をどんどん変える必要が出てくるだろう」
「……そういうことです」
「とにかく、護衛艦2隻と、護衛される民間船の無事を祈りましょう」
「祈るしか出来ないのが悔しいな」

志乃(F-1)
アカが大嫌いな、チビで生意気な女の子。
伊理奈(F-2A)
冷静な性格で、志乃と大の仲良し。アカは別にどうでもいいらしい。
アリス(Su-37jk)
無口で無表情だが、まったく喋らない訳ではない。





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