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「第171回ねー。171と言えば、災害用伝言ダイヤルかしらー」 |
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「使うような状況にはなりたくないダイヤルですね」 |
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「伝言？ どのくらい録音できるのヨ」 |
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「えーと、30秒らしいよー。保存期間は48時間」 |
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「う〜ん、微妙なのかどうなのか分からないのですよ。30秒ってすぐ経っちゃうのです」 |
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「本当に一言メッセージ的な使いかたかなぁ。『無事です、○○に居ます』とかー」 |
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「そのくらいデショね」 |
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「入荷案内とかじゃないですからね。長々とやる必要はない訳ですか」 |
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「そうそう。伝言で世間話する人はいないよねー多分」 |
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「居るかも知れないですよ、世界は広いのです。帰宅したら留守番電話にメッセージが……再生してみると、『電話して』とのメッセージのあとに何故か世間話が始まる。会話になっていないから勿論一方的。5分、10分、15分、根気良く聞いていると、だんだんと鬱になるという──」 |
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「嫌がらせカっ」 |
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「そこまで行く前に、録音が終了するんじゃないのー？」 |
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「古いタイプだと、延々と録音するんじゃないですか？」 |
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「それ以前に居ないヨ、そんなの」 |
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「居るかも知れないのですよ」 |
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「居ないってば」 |
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「居ても居なくてもどっちでもいいのよー」 |
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「まぁそうですね」 |
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「ところで、ユエちゃん」 |
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「なにヨ」 |
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「『私のものになって』って伝言、聞いてくれたかなー？」 |
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「ひぃぃぃぃ、またカっ」 |
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「うふふふふふふふふふ、ユエちゃーん♪」 |
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「うわぁぁぁぁん！ 171番、171番−！！」 |
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「171番に遺言でも残す気ですかね」 |
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