第175回「錆にするとかその前に錆びてた」
2009/03/31

「おかしいな……剣が錆びてきている」
「どうしたんですか?」
「おや、リルさん。いや、錆びるはずのない物が、錆びてきているんです」
「お手入れはしていますか?」
「勿論。もっとも、放っておけば折れてても直りますが……しかし突然ですね」
「塩水でも被ったのでは?」
「む、そんな覚えは──」
「ふっふっふっ! かかったネ! 実は寝ているあいだに、こっそりと塩水をかけておいたのヨ!」
「な、妹月……あなたでしたか!(チャキッ」
そんな錆だらけの剣で、何が出来るのヨ! アナタならワタシでも勝てそうだから、落ちてもらうヨ」
「あ、そういう理屈」
「残念ですね……私のスピーチカは錆びていても全然問題なし。その証拠に……(ボワッ
「げ、火が出たヨ! 錆びてるからなんにも出来ないと思ってたのに」
「さすがスピーチカ(マッチ)、穏やかながらも強い炎が」
「迂闊でした、寝ているあいだは変な力で皮膜を作ったりはしませんからね。ただの剣です。でも、今は違いますよ?」
「ひ、ひひひ、火ぃ!! 近づけないで!」
「あなたの搭載している燃料は、どのくらいの火力燃え出すんでしょうね? 楽しみです」
「ちょ、ちょっとした冗談だヨ! 怒らないで!」
「お言葉ですが、ロシアに冗談は通じないかと。経験されているでしょう?
「そういえばそうだった、やっちゃった☆
「可愛く言っても無駄です」
「逃げるヨ!(逃」
「あ、こら待ちなさい!」
「今日も平和ですね」

ルーヤ(Su-24)
剣技に長ける少女。ジェラとナイチチ同盟を組んでいる。
リル(SAAB35)
ちょっと心配性で気が弱く脆いが、体術が得意で実は強い。
妹月(殲撃10型)
いつも自衛隊機のテリトリーに遊びに行くが、すぐさま追い返される。





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