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「おかしいな……剣が錆びてきている」 |
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「どうしたんですか?」 |
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「おや、リルさん。いや、錆びるはずのない物が、錆びてきているんです」 |
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「お手入れはしていますか?」 |
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「勿論。もっとも、放っておけば折れてても直りますが……しかし突然ですね」 |
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「塩水でも被ったのでは?」 |
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「む、そんな覚えは──」 |
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「ふっふっふっ! かかったネ! 実は寝ているあいだに、こっそりと塩水をかけておいたのヨ!」 |
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「な、妹月……あなたでしたか!(チャキッ」 |
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「そんな錆だらけの剣で、何が出来るのヨ! アナタならワタシでも勝てそうだから、落ちてもらうヨ」 |
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「あ、そういう理屈」 |
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「残念ですね……私のスピーチカは錆びていても全然問題なし。その証拠に……(ボワッ」 |
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「げ、火が出たヨ! 錆びてるからなんにも出来ないと思ってたのに」 |
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「さすがスピーチカ(マッチ)、穏やかながらも強い炎が」 |
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「迂闊でした、寝ているあいだは変な力で皮膜を作ったりはしませんからね。ただの剣です。でも、今は違いますよ?」 |
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「ひ、ひひひ、火ぃ!! 近づけないで!」 |
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「あなたの搭載している燃料は、どのくらいの火力で燃え出すんでしょうね? 楽しみです」 |
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「ちょ、ちょっとした冗談だヨ! 怒らないで!」 |
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「お言葉ですが、ロシアに冗談は通じないかと。経験されているでしょう?」 |
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「そういえばそうだった、やっちゃった☆」 |
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「可愛く言っても無駄です」 |
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「逃げるヨ!(逃」 |
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「あ、こら待ちなさい!」 |
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「今日も平和ですね」 |
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