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「……マスター」 |
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「なんだ?」 |
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「……男のロマンとは、どういったものでしょうか?」 |
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「ほう……それに興味があるか。だが難しいな、それを教えるのは凄くとてつもなく難しい」 |
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「……そう……なのですか?」 |
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「そうだ、難しいんだ」 |
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「男には自分の世界があるんだろぉー? 」 |
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「例えるなら空を駆ける一筋の流れ星だからな」 |
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「………………?」 |
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「ルパン三世のテーマだよ」 |
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「わかんなかったかぁ」 |
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「まぁ野郎ってのはなんて言うか、なんだろうね?」 |
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「私に訊くなよ同志中尉」 |
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「うーん、やっぱ口で説明するのは難しいだろう。強いて言うなら車がもう一台欲しいってトコロかな!」 |
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「偏ってるネェ」 |
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「まぁそれが男のロマンってヤツじゃね?」 |
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「そうかネ」 |
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「もう一台買ったら、リアシート取っ払って内装も引っぺがしてフルバケ入れてLSD入れて足回り弄って、それでそれで──」 |
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「それで?」 |
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「あとガレージ付きの家が欲しい。二脚リフトがあると尚良い。ピットは簡単にできそうだな。車好きだと、この夢持ってる人も結構居るんじゃないかな? まさに男のロマンだ!」 |
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「……成る程」 |
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「戦艦同士のガチンコバトルとか」 |
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「ああ、その筋の人間にとってはたまらない程の男のロマンだ」 |
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「ああ、解るよ同志……やっぱ戦艦同士の殴り合いこそ海戦の華だよなぁ! 飛行機無用!!」 |
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「あんた自分の存在否定してるよ」 |
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「まぁそういうもんだ。解ったか? アリス」 |
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「……なんとなくは」 |
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「ま、そういうもんだよ。なんとなくでいいんだよ、フィーリング・フィーリング♪」 |
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