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「あら、今回はいいサンキューね」 |
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「おや、本当ですね」 |
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「第1139回で、いいサンキューか」 |
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「Thank you(サンキュー)」 |
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「Спасибо(スパスィーバ)」 |
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「Merci(メルシー)」 |
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「ありがとう」 |
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「いろんなありがとうがあるわね」 |
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「ありがとうって言葉がない国ってあるのか?」 |
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「さぁ、どうかしらね」 |
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「流石にないのでは? 人と人との関係の根幹を成す概念の一つですよ」 |
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「感謝の意だからな」 |
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「気持ちがこもってなかったりするとイラッとする人も居るそうよ、特に他人に言われると」 |
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「へぇ〜、まぁそういう人も居るだろうね。感謝してないのに言うな、ってところかな? 感性はいろいろあるからな。でもネット上ではどうしてるんだろう」 |
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「さぁ、行間を読める人なら解るのでは?」 |
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「文字のみの会話は、文脈から判断するしかないわね。対面しての会話なら、相手の表情やしぐさ、雰囲気から感じ取れるわ」 |
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「しかしそういう生き方って疲れないか? 逐一相手の事探りながら生活するのって、疲れないかな?」 |
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「アカだの何だの言ってる貴女が言いますか」 |
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「あのなぁ、私は逐一そんなもん探っちゃいないぞ。探る必要がないことのほうが圧倒的に多いだろ。そもそも思想なんてもんは通常気にする事はないんだよ、そういう話しなきゃいいだけなの! ていうかそんなんでグダグダ言ってるなら、赤軍機であるお前と会話してないって!」 |
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「確かに」 |
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「そういう話になると衝突が生まれる、と」 |
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「そうねぇ〜、『アイツはアカか否か』だなんて、日常生活で探り続けるのは疲れると言うか、なんだか違うわね」 |
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「相手の一挙一動に敏感な人も居るだろうけどね。その言葉に即した気持ちを持っているのか?ってさ」 |
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「それはそれで疲れそうね……気にしなきゃいいじゃない、とは言っても、それで気にしなくて済むならとっくにって場合もあるわね」 |
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「ありがとうの言葉は無意識で言ってる人も居るでしょう、深く考える必要はないと思うけど」 |
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「裏があるんじゃないかとか、そんな感じ?」 |
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「それは本人に訊いてみないと解りませんね」 |
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「でもあれよね、横柄な態度で言われるとちょっとアレかしら」 |
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「あ〜、見下してる感じ?」 |
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「横柄ととるか否かは人それぞれに違いますから、誰の目にも明らかにという場合はともかく、実際はただ無愛想なだけかも知れませんよ。愛想の為に使う言葉ではない訳ですし」 |
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「難しい問題ね」 |
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「イラッとされるのは、意図が伝わってない場合が殆どじゃないかしら。逆に、嫌味で言ってる場合ってすぐに判らない?」 |
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「それはなんとなく判りますね」 |
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「嫌味で言われた場合はともかく、通常でもイラッとするのは、深く考えるからでしょ?」 |
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「深く考える必要はないよな、単純に考えればそれでいい筈だし。尤も、これも人によるんだけどさ」 |
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「しかし、自分にとって嫌な人・嫌いな人に対して、ありがとうって言いますかね?」 |
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「嫌な奴に対しては絶対に言わないなぁ」 |
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「それより、感謝してないのに言う人ってどれだけ居るのかしら? 自己アピールなどで言う人を嫌って、感謝してる人まで巻き添えにして嫌うのは、ちょっと、ね」 |
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「自己アピール?」 |
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「自分を演出する場合よ」 |
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「ああ、成る程」 |
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「気持ちの表現の仕方は人それぞれだからな、上手い人も下手な人も居る。だから気持ちがこもってない、自己アピールだ!って思われてしまう、思ってしまう事も、あるんだろうね」 |
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「そういう例外はともかく、やはり嫌な人相手には不思議と出てこない言葉だと思いますが」 |
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「ありがとうの意図を深く考えすぎ、これに尽きるわ」 |
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「と言うか、明確な意図なんかないのが殆どだろう。『ありがとう』って気持ちがあるから、その言葉が出ただけでしょ」 |
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「態度からそれが伝わってこないって思ったら、この人は伝えるのが上手くないんだなって、そう思えばいいのよね。例外的な場合を除いて」 |
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