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「砂でお城作ろうぜ」 |
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「君はいつも唐突だね?」 |
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「あれって、水だけで固めているの?」 |
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「基本的にそうらしいね。型枠を作って、そこに砂と水を入れて固めるそうだよ」 |
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「へぇ〜」 |
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「だが私のは違う!!」 |
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「何が違うのよ」 |
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「崩れちゃうのは儚いでしょ? だから接着剤混ぜるんだ、接着剤」 |
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「それっていいの?」 |
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「まぁ長期に渡って展示する、イベント展示品だと、表面をグルーというコーティング剤で固めるそうだけど。尤も、牛乳を主成分にしていて、水溶性だから、そのうち溶けてなくなっちゃうけどね」 |
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「でも、海袮のは多分……」 |
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「超強力接着剤混ぜてカチコチに固める!!」 |
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「やっぱりね」 |
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「カチコチに固めるのはいいけど、どうやって削るんだい?」 |
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「ヘラとかじゃ無理よね」 |
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「グラインダーで」 |
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「何か別の彫刻と勘違いしてないかい?」 |
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「素直に彫刻後にコーティングしなさいよ」 |
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「グルーコーティングなら、コンクリートくらいの硬さに出来るそうだよ。雨でそのうち溶けるけど」 |
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「じゃあダメじゃん、崩したくないから固めるんだよ」 |
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「崩れちゃうから砂の彫刻なんじゃないの?」 |
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「それじゃ勿体無いよ」 |
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「でもそういうものだし」 |
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「やだやだやだやだやだや──」 |
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「うるさい(ごんっ」 ←刀の鞘で海袮の頭を叩いた |
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「きゃんっ」 |
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「そんなに崩れるのが嫌なら、紙粘土で作ればいいよ。加工も容易だし」 |
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「あれだって水で溶けるじゃん!」 |
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「じゃあ模型用のパテとか言うので作ればいいじゃない」 |
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「コストかかりすぎ! 私はでっかいのが作りたいの!」 |
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「じゃあ、砂の表面を超強力なコーティングで固めるしかないね」 |
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「表面を固めるのはいいんだけど、邪魔になったらどうするの?」 |
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「移動はできないね、壊れるし」 |
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「壊せばいいじゃない」 |
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「壊したら泣くぞ」 |
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「こいつは何を言っているんだ?」 |
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「砂の彫刻の話よ。壊れるのが嫌なんだって」 |
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「そうか、じゃあ海袮に接着剤を塗りたくって、そこに砂をくっ付ければいいじゃないか」 |
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「成る程」 |
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「じゃあ早速試してみる?」 |
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「ご遠慮しますっ」 |
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