第1236回「ヴォートカ・ツアギは何処でも出張、何処でも出現」
2012/02/25

「お? なんだこの扉」
「こんな扉、この基地にあったっけ?」
「開けてみよう」
「そうしよう」

きぃ〜

「…………ようこそ……ヴォートカ・ツアギへ……」
「はぁ?」
「何? なんなの? なんですかこれ?」
「…………まぁ……席に座りなよ……」
「なんだんだよ、もう」 ←カウンター席に座った
「あ、座るんだね」 ←カウンター席に座った
「…………さて……ようこそヴォートカ・ツアギへ」
「だからなんなんだよ、いったい」
「……ふふ……ここはね……みんなの悩みを私が聞いてあげようっていう……お店なのさ……お金は取らないよ……」
「……料金は……私の満足で……」
「ふぅ〜ん」
「……ジュースでいいかい……?」
「あ、オレンジね」
「私はりんごで」
「……はいよ……」
「……さぁ……悩みを言いな……」
「じゃあ聞いてもらおうか」
「え? 志乃って悩みなんかあったの?
「どういう意味だよ」
「…………っへ……」
「まぁいいや。聞いてくれよ、伊理奈ってば私が風邪引くたびに粉薬を飲ませようとするんだ。私があれ大嫌いだっていうの知ってるくせに、飲ませようとするんだ! なんでなんだ?」
「なんでと訊かれても」
「粉薬はやめろと!」
「………………」
「……大好きだからさ……」
「へ?」
「……志乃のことが……好きで好きでたまらないからさ……つい苛めたくなるんだろう……?」
「よくお解かりで」
「おかしいだろ!」
「おかしくないよ、だって志乃のあの情けない表情が可愛いんだもん」
(こいつ……Sっ気があるね)
「やめてほんとやめて」
「イ・ヤ」
「なんで!?」
「だって苛めたい」
「あわわ……や、やめて、ほんとやめて」
(んふ……志乃ったら可愛い〜)
「…………っへ……」
「ツアギ、なんとかしてくれよ!」
「…………そこまでは出来ないね……」
「なんで!?」
「……ここは……私がみんなの悩みを聞くだけの店……さ……」
 サラサラサラ……
「そこをなんとか──って、ジュースに粉薬を入れるなぁ!
「はい、どうぞ」
「無理!」
「はい、どうぞ(グイグイッ」
「やめて近づけないでっ」
ただのビタミン剤なのに、かぁわい〜)
(やはりSか……)

ツアギ(T-10-1)
怪しげな笑みは航空ガールを困惑させる、よくわからん性格の無口系(?)
志乃(F-1)
注射と粉薬とアカが大嫌いな、チビで生意気な女の子。チビって言うなぁ!
伊理奈(F-2A)
志乃と大の仲良しで、志乃を弄るのがとにかく好き。アカとか別にどうでもいいらしい。





第1235回へ  第1237回へ

戻る
トップ