第1252回「大丈夫、それは大きな丈夫!」
2012/03/12

大丈夫ってさぁ」
「うん」
大きな丈夫って書くじゃん」
「うん」
小丈夫ってあるの?」
「は?」
「だからさぁー、大丈夫があるなら小丈夫もあるよね!」
「ねぇよ!」
「ありますけど」
「うそぉ!?」
「マジで?」
「ただ、クリスさんが考えているような意味ではありませんし、発音がちょっとだけ違いますが」
「どんな意味?」
「国語辞典によりますと、

1: 小柄な男。
2: 器量の狭い人物。小人物。


ですね。読みは『しょうじょうふ』
「大丈夫と全然関係ないじゃん!」
「ところがそうでもありません」
「ほう?」
「国語辞典によりますと、大丈夫には、

1: あぶなげがなく安心できるさま。強くてしっかりしているさま。
2: まちがいがなくて確かなさま。


という意味がありますが、同じ漢字表記の大丈夫で、

立派な男子。ますらお。偉丈夫。

という意味のものがあるそうです。但し『立派な男子。ますらお。偉丈夫。』の意味のほうは、『だいじょうとも読みますが、読みは『だいじょうです。1と2の意味が転じて、立派な男子を大丈夫(だいじょうふ)と呼ぶのでしょう。丈夫(じょうふ)にも『立派な男子。ますらお』の意味がありますので、その丈夫の中でも特に凄いとか、そういう意味でしょうか。それで、大丈夫の対義語として、小丈夫が存在する訳ですね。小丈夫には蔑称的な意味合いも感じられますが。
尚、近年では、大丈夫(だいじょうぶ)を『必要・不要』『可・不可』『諾・否』の意として、問いかけ・返答に用いる用法が定着していますね」
「そんな装備で大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない」
「それは近年の用法というより、従来どおりの用法では?」
「そんな装備で安心できるのか?」
「強くてしっかりしてるから問題ないよ」
「そういうことです」
「じゃああれだろ、中丈夫もあるんだろぉー?」
「ありません」
「なんで!? 二元論は避けるべきだろ!」
「ないものはないんです」
「じゃあ超丈夫は?」
「それは単に、並とはかけ離れたという意味の『超』を、『丈夫』にくっつけただけです」
「じゃあ中丈夫もそれでいいじゃん」
「ああ、中くらいの丈夫さだ」
「それなら単に、丈夫でいいじゃないですか」
「じゃあじゃあ、中くらいの丈夫(じょうふ)だ!」
「小丈夫と大丈夫の中間なら、単に丈夫でいいじゃないですか」
「ばっか! 丈夫の中でも中くらいなんだよ!!」
「つまり標準的な丈夫ですよね? じゃあ丈夫で良いのでは?」
「だって小丈夫は丈夫じゃないじゃん」
「うーん、丈夫(じょうふ。じょうぶ、とも読む)は……

『中国の周の制度で1丈(約2メートル)を男子の身長としたところから』→りっぱな男。ますらお。

ですね」
「ほら、小丈夫は当てはまらないじゃん」
「てことは、やっぱ蔑称なんだな」
「まぁそうでしょうね」

伊理奈(F-2A)
志乃と大の仲良しで、志乃を弄るのがとにかく好き。アカとか別にどうでもいいらしい。
海袮(P-3C)
撃沈したぁぁぁぁい! 油断するとすぐに駄洒落が飛び出す。駄犬とか言うな!
クリスティーナ(Tu-22M3)
割とネタに走る、都内某所に入り浸り!? (実用的な)筋肉フェチらしい。





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