第1334回「とりあえず旧同盟からまわるべぇ」
2012/06/02(土)

「ではカルラ、今日は日本組みの所へ行くぞ」
「はい大尉」
「うむ。かつての同盟、帝国軍機は未だこちらに来てはいないが、戦友には違いない。粗相のないようにな」
「ヤー!」



「と、言うわけで、私の戦友・カルラだ」
「本体はBf109F-1、名はカルラ、よろしくお願いするよ」
「ああ、よろしく。私はF-1支援戦闘機の志乃だ」
「F-2支援戦闘機の伊理奈です、よろしくお願いします」
「ほかにも数人居るんだが、今は出かけているからまたあとで」
「君達の司令は確か、AWACSとかいう……えーと、空中指令所だったね」
「ん? ああ、まぁそんなもんだけど、正しくは早期警戒管制機だ」
「カルラは、双方の隙間で意識が散っていたんだ、夢を見ているような状態……かな、私にもよく解らないけど。故に、現代戦の知識は殆どない。これから私が教えていくつもりだが、少々のズレは勘弁して欲しい」
「そうですね、航空ガールとしてここで暮らしていくのですから、現代戦の知識は必要ですね」
「まぁ〜オーパーツの奴等のはいいだろ」
「そうだね」
「オーパーツ? なんのことか?」
「2053年の奴等さ、尤も架空機だけど」
「それメタ発言じゃないの?」
「いいんだよテキトーで」
「なるほど、それはオーパーツだね」
「ああ、架空機だからな」
メタ発言はそこまでっ」
「ふふ、その辺もあとで説明しよう」
「あ、あとリズには気をつけろ。狙って来るかも知れないぞ」
「リズ?」
「イギリス軍機だ」
「なるほど。しかし、そうならば戦うのみです」
「そうだな……しかし正直、性能に差がありすぎる。尤も、精神体の状態で、ミサイルなしの格闘のみなら別だが」
「リズならミサイルなんて回りくどい事しないだろ、あいつがミサイル使ってるトコ見た事ないぞ」
「ああ、そういえば」
「そんなわけで気をつけろ、リズはしつこい──」
「狙わないのです」
「──うわっ、居たのか!?」
「私が狙うのはただ一人! 裏切り者のマリエル!! あとついでにフランスの現用機!!」
「ただ一人じゃないじゃないですか」
「なんだ、ドイツ機だからと狙わないのか、それは予想外だ」
「ふっふっふっ……あ、で、そこに居るのが?」
「Bf109F-1のカルラだ。イギリス軍機か、えーと……ミラージュ?
「わざとやってますね?」
「いや、薄っすらと滲む変な力が形成する、機体の雰囲気、その三角形は、確かミラージュでは?」
「違う、そっちの三角形じゃない。ほら、この三角形だ(資料本を取り出して見せた)。前にも翼があるだろう? おっと、クフィルではないぞ? 確かに原型はミラージュVだが」
「むむ……なるほど、すまないね、タイフーンだな。タイフーンと言えば、私の中ではホーカーのほうが真っ先に浮かぶんだ」
「そりゃあんたは大戦機ですからね、仕方ないと言えばそうなのです。とりあえずよろしく」
「よろしく、リズ」
「ふぅ、これはしっかり勉強しないとな、戦友」
「ヤボール、ヘルコマンダール」

カルラ(Bf109F-1)
イズベルガの戦友。双方の隙間にて意識が散った状態だったが、セラが集めてつれて来た。
イズベルガ(M-262 A-1b)
軍人気質。残りの戦友達に逢えるのはいつの日か? 時折遠くを見つめてる。
志乃(F-1)
注射と粉薬とアカが大嫌いな、チビで生意気な女の子。チビって言うなぁ!
伊理奈(F-2A)
志乃と大の仲良しで、志乃を弄るのがとにかく好き。アカとか別にどうでもいいらしい。
リズ(TYPHOON F.2)
圧縮こそ華麗、切り裂きなんて下品極まりない(らしい)。渾名はスレッジハンマー。





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