第1336回「プロペラだけど機関が違う」
2012/06/04(月)

「お、航空ガール・初のレシプロ機、カルラが来たよ」
「挨拶回りは済みましたの?」
「ああ、昨日と一昨日で済ませた」
「えーと、リエナだったね?」
「うん、リエナだよ♪」
「航空ガール・初のレシプロ機、と言ったけど、そこのお嬢さんフロイラインはプロペラ機のようだが」
「あら? わたくし?」
「もみじはプロペラ機だけど、レシプロエンジンじゃないよ」
「? そうなのか?」
「カルラ、彼女はターボプロップエンジンだ。ジェットエンジンにプロペラを組み合わせたもの、と考えればいいか。低速──と言っても、我々の世代では十分に高速なのだけれど、724km/h以下では非常に効率のいいエンジンだ」
「なるほど。因みに、最高速度はどのくらいか?」
「最高速度820km/h、巡航速度615km/hですわ」
「は、速いね……追いつけないか」
「因みに、世界最速のプロペラ機は、ロシアのTu-95MSだよ。大型の爆撃機ネ。その最高速度は、925km/h」
925キロ!? そんなのに攻められたら、ど、どうにもできない……」
「追うんじゃなくて、対向すればいいジャン。それで一撃離脱でしょ。尤も、相手が通過する前に発見しないと駄目だから、レーダーとか哨戒機とかいろいろ追加要素は必要だネ」
「あ、ああ、そうだね、取り乱した」
「やはりこちらにも、ミサイルが運用可能な機体が欲しいところだな」
「時代に差がありすぎますね」
「それは仕方ない事だし、そうじゃないと困る事だよネ」
「うむ。そうでなければ、莫大な費用をかけて新兵器を開発する意味がない」
「因みに、ミサイル運用可能なドイツ機と言えば?」
「そうだな……現代のジェット機ならば、やはりタイフーンとトーネードIDSあたりか」
「ファントムUも外せないでしょ」
「F-104もですわ」
「あとアッキー的には、MiG-29とかも入れたいよネ」
「そうですわね、Su-22も居たような」
「選択肢は沢山あるのに、何故、秋元中尉はやらないのか」
「面倒くさがりだから」
「教育が足りないな」
「では教育を?」
「しようとしたんだが、いつの間にか逃げられていてね」
「逃走速度が尋常ではありませんでしたね」
「一説には、光の速度を超えているとか」
「それ自称でしょ」
「でも、そうでないと説明できない程の、回避能力ですわ」
「う〜ん、何やっても当らないしネ」
「これでは教育が出来ません」
「そうだな、当らないからな」
「いずれは喰らわせるよ、ネ?」
「ええ、そうですわ。このお仕置きハンマーを」

カルラ(Bf109F-1)
イズベルガの戦友。双方の隙間にて意識が散った状態だったが、セラが集めてつれて来た。
イズベルガ(M-262 A-1b)
軍人気質。残りの戦友達に逢えるのはいつの日か? 時折遠くを見つめてる。
リエナ(Su-37jkR)
偵察が大好きなお調子者。元気の塊、略して元塊。妄想癖な一面もある。
もみじ(JE-1)
躑躅隊・翼の姉妹達の頭脳、まさにセントラル。怒らせないように! 絶対にだ!





第1335回へ  第1337回へ

戻る
トップ