第1340回「ゆーがっとめーる(ドォォォォォォン」
2012/06/08(金)

「中尉がネタがないネタがないってウルサイから、ちょっと調べてきたわよ」
「何かあった?」
「今日はミサイル潜水艦 USS バーベロが、最初で最後のミサイル・メール実験を行った日よ」
「物騒なメールね」
「お届けするのは爆薬?」
「ああ、そういうこと」
「違うわよ」
「それじゃあ何を届けるの? もしかして、手紙?
「そうよ。1959年6月8日、USS バーベロは、郵政公社と協力して郵便物のより速くて効率的な輸送方法を実験したの。レギュラス巡航ミサイルの核弾頭をメールコンテナに交換し、3000通程の手紙を収容、フロリダ州メイポートの海軍補助航空基地から発射。22分後に着弾したレギュラスは、ペイロード内のコンテナを開けられ、フロリダ州ジャクソンビルの郵便局に転送後、仕分けされて配達されたそうよ」
「…………コスト高そうね」
「流石に、弾頭がないとは言え、巡航ミサイル一発分とその後の輸送コストの金額を、郵便物だけで補おうとすると……凄い輸送費になりそうな」
「輸送費は幾らだったの?」
「国内4セント、国外8セント」
「確実にコスト割れしてるね」
「そうね。だからだと思うけど、これ以降は発射されなかったそうよ。当時の郵政長官・サマーフィールドは、着弾を目にして今後の展望を熱く語ったそうだけど、結局、コストに見合わなかったんでしょうね」
「それはそうだよね」
「結局、空では航空機輸送が主流のままよね」
「ミサイルメールは速度はピカイチだけど、やっぱりコストがかかりすぎよね」
「個人間の手紙なら、今ではEメールで大体事足りるよね。ある意味ミサイルメール?」
「特定のアドレスに向けて正確に素早くお届けできるから、ある意味ね」
「ミサイルメールが実用化されていたら、平和利用の為の発展という口実で予算を大きく獲得できたでしょうね」
「実はそれが主な理由だったりして」
「ありそう」
「でもやっぱりコストがかかりすぎるわね。郵便物という性格上、高い頻度で定期的に発射しないといけなくなるから」
「金食い虫だって批判されるのは必至だったかも。ロケットで郵便物を輸送、っていう発想自体は昔からあったらしいけど、それを実際にやっちゃうのは凄いわね」
「お金持ちだから」
「ま、近年に戦争やりまくっちゃって、だいぶ疲弊してるけど」
「戦争は出る物が非常に多いから。特にコストが跳ね上がった現代では顕著ね。リスクが極端に低かったりするなら、権力・発言力の向上・維持を図りたい国はちょこちょこやるけど」
「だけど場合によっては、勝利したのに国が傾く事も」
「勿論攻め込まれても損するばかりだから、そうさせない為の抑止力として、軍隊が必要なのよね」
「平和を考えるのも大切だけど、戦争しないから軍隊は要らない、というものではないからね」
「地球市民皆聖人、とはいかないわ」
「そうするには、地球人全員マインドコントロールしかないわね!」
完全に独裁だけど」
「或いは、地球人以外による精神レベルでの支配か」
「SF的だね」

ルナ(Su-37jk)
割と積極的に行動するタイプで、マスターである鎌土に対しては特に積極的。趣味は読書。
カタリーナ(Su-37jk)
とにかく強気で世話好き、気楽な性格だが楽観的ではない。間違いなくカカァ天下。
(Su-37jk)
ファーストプロトタイプの精神生命体。訳あっていろいろ大変だった。一途で尽くすタイプ。





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