第1370回「どっからともなく入ってきて、突然我々の前に現れる」
2012/07/08(日)

「今日さぁ〜」
「うん」
ジュリア(ゴキブリのコードネーム)が出たんだよ」
「ああー、時期的にわんさか出てくる頃だネ」
「そうそう、かなり多くなるよな」
「で、どうしましたの?」
「うん、そいつ嫌な位置に居てなぁ、殺虫剤が使えなかったんだよ。しかも天井の電灯のカバーの上(超狭い)に乗ってやがるから叩けないし」
「そいつは確かに嫌な位置じゃの」
「だろ? そうだろ?」
「……工夫が必要ですね」
「それでどうしたんですかぁ〜?」
「まずな、90リットルのゴミ袋を用意した。こいつの口を広げてな、棒でジュリアをはたき落とし、ゴミ袋にINさせる。この作戦でやった」
「それ、上手くやんないと上からゴキが降ってくる恐怖が待ってるジャン」
恐怖の大王的な?」
「世紀末はとうに過ぎたぞえ」
「ふふふ……お前ら知らないようだな? 俺はゴキを撃墜・捕獲するのが得意なんだ! 奴らの行動パターンなんぞお見通しだぜぇわはは!」
「あんまり嬉しくない能力ですねぇ〜」
「ばっか、嬉しいだろ! 見つけたら確実に排除できるんだぞ!  で、首尾よく袋の中にINしていただいた」
「そのあとは?」
「袋の空気を抜いて口を縛り、ゴミ箱にポイ」
「一件落着じゃの」
「そう思うか?」
「違うのかの?」
「そう、これで終わりじゃなかったんだ。夜中、電気が消えたあと、水を飲みに部屋に入ったら……なんかガサガサ音がする。野郎、往生際が悪いなと、ジュリアが動いてんだろ程度に思っていたんだが……ふと、嫌な予感がした。すぐに電気をつけてゴミ箱から袋を持ち上げると……」
「持ち上げるとぉ〜?」
「覚えのない小さい穴が開いていた!」
「げぇ、それってまさか」
「そのまさかだな。ヤツはなんと、ビニール袋を噛み切ろうとしていたんだ!」
「恐ろしい程の根性ですわ」
「割と頭いいよネ」
「危なかったのう」
「しかもあの野郎、目が合った瞬間、触覚をこっちに向けながら『俺なんもやってねーし』みたいな感じで顔逸らしやがったぞ」
「うわぁ。で、どうしたのよ?」
ガムテープで外側からグルグル巻きにしてやったぞ、ざまぁみろ」
「袋の上から叩けば宜しいのに」
「ふっ……無用な殺生は好まないのさ」
「いや最終的には処刑されるけどサ、ゴミ処理場で」
「いやぁ、周辺に家が全くないような状況なら、少し離れたところに逃がしてやるんだけどな。隣近所に家がある状態で外に逃がすと、何処かの家に再び侵入するし」
「どうせあれじゃろ、そこで叩かなかったのは、なんか嫌だからとか思ったからじゃろ?」
「うん」
「……確かになんだが嫌ですね」
「う〜ん、解るような解らないような」

アリス(Su-37jk)
髪も白、服も白、とにかく白い無口・無表情。セラフィナよりは喋る。
リエナ(Su-37jkR)
偵察が大好きなお調子者。元気の塊、略して元塊。妄想癖な一面もある。
もみじ(JE-1)
躑躅隊・翼の姉妹達の頭脳、まさにセントラル。怒らせないように! 絶対にだ!
ガーベラ(Su-37jkE)
翼の姉妹達の仲ではお姉さん役。妨害電波でみんなを守る。待て、毒電波ではないぞ!
レオナ(Su-34jk)
普段はぽけぽけしているが、攻撃・爆撃時になるととにかく攻撃的になる。
秋元 健太(無気力星人)
アリスのマスター、趣味と萌えに生きる無気力星人。





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