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「──あ」 |
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「どうかしましたか?」 |
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「何? どうしたの?」 |
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「そう言えば、もうそろそろ新・航空ガールの誕生とならなければならない次期、かなって」 |
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「ああ〜、そうね。来年は午年だから」 |
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「午年の航空ガールが居ないのね?」 |
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「居ませんね」 |
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「どうするんでしょうか?」 |
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「馬って言うと……An-2とか」 |
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「NATOコードネーム・コルト、子馬ですね」 |
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「それ以外なさそうなんだけど」 |
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「いっそペガサスエンジンを精神体化で」 |
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「それって航空ガールですか?」 |
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「コレットちゃんは──」 |
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「単体で飛ぶからいいんじゃないの?」 |
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「……いいのね」 |
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「因みにAn-2ですと、航空ガール初の複葉機となりますね」 |
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「ペガサスエンジンなら、航空ガール初のエンジンキャラとなりますよ?」 |
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「せめて単体で飛べるものにしてください」 |
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「エンジンだけじゃぁね」 |
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「そうですか、残念です」 |
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「でもなんだかAn-2はパッとしないというか」 |
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「何を言いますか、輸送任務は勿論、落下傘部隊運搬の任にも就いていたというのに」 |
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「まぁそうね」 |
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「それかあれですね、またでっち上げるか。リーマーのように」 |
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「ああ、でっち上げちゃうのね」 |
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「あのさぁ」 |
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「わっ、居たの?」 |
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「びっくりした」 |
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「いやほら偵察機だしね」 |
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「それは納得です」 |
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「で、午年の話なんだけど」 |
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「はい」 |
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「なんでP-51忘れてんの?」 |
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「え?」 |
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「あ──」 |
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「え?」 |
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「…………あ、マスタングは馬の品種名でしたね」 |
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「成る程」 |
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「そ。スペイン人が北アメリカ大陸・プレーリー地帯に持ち込んだ小型馬が、野生化したものの事なんだってさ」 |
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「マスタングを航空ガール化するなら、いよいよ大日本帝国軍機が欲しいわね」 |
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「あー、そうだろうね。ナチス・ドイツ軍機も来た事だし」 |
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「そうなるとあれですか、勿論──」 |
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「晴嵐でしょうね」 |
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「ここは零戦なのでは?」 |
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「いえ何しろ秋元中尉の趣味ですから」 |
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「それはそうですけどね」 |
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