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「レシプロエンジンっていいよね」 |
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「何を突然言い出すの」 |
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「周りがジェットばかりだからな、余程嬉しいようだ」 |
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「何が?」 |
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「貴様がここに来た事がだ」 |
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「ふぅん、マスタングなのよ?」 |
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「そんな事はどうでもいい、レシプロだから!」 |
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「まぁ実際、航空ガールとなってしまえば、国家間の柵なんてどうでも良くなる」 |
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「それはそうね。みんなを見ていると、もうほんと自由にやっているし」 |
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「趣味で喧嘩する奴( )は居るがな」 |
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「レシプロの良さを! もっとレシプロの良さを認識してもらう為に!! 次もレシプロ機をこちらに呼ぶべきだ! そうは思わないかスカーレット!?」 |
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「え、いや、まぁ もみじがジェットエンジンだと聞いて驚いた事は驚いたけど。だってあれプロペラ付いてるじゃない」 |
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「私もターボプロップには騙されたよ。音が違うから何かと思ったら、ね」 |
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「我々が生きていた頃では、ターボプロップは一般的ではなかったからな。認知度も当然低い。世界で始めてターボプロップエンジン単独で飛行したのは、1945年9月20日の事だ。トレント・ミーティアと呼ばれる機体がそれだ」 |
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「グロスター ミーティアですか?」 |
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「うむ。WW2終結で余剰となったミーティアF.3を、改造したそうだ」 |
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「へぇ、あのミーティアをねぇ」 |
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「大戦中のミーティアは、ジェット機の割にはレシプロ機程度の速度しかなく、ドイツ側が既に弱りきっていた為、Me262との交戦もなく、もっぱら対地攻撃機として試験運用されるに留まったわね。F.4以降、さまざまな改良を経て、1954年まで生産され続けたわ。なんでも、構造が平凡な故に、初めてジェット機を運用する国々に重宝されたとか。初期とは殆ど別物になったけど」 |
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「ジェット機だか速度が遅い、というのはいただけなかったな。機動性はレシプロ戦闘機のほうが優れている、それならスピットファイアのほうがいい」 |
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「だが、世界各国のジェット機運用基板を手助けした事、ターボプロップ実用化に貢献した事、何より連合軍側初のジェット機という意味は大きいだろう」 |
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「確かに」 |
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「ミーティアさえ居なければ、ターボプロップに取って代わられる事なんてなかったのに……!」 |
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「流石にそれはないだろう」 |
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「分かっていますけど、でもなんだか悔しい」 |
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「よしよし、その悔しさをバネに、レシプロ航空ガールの増大を目指そう!」 |
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「おお! 戦友!!」 |
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「思いっきり敵だったけど?」 |
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「日本にはこういう格言があります。昨日の敵は、今日の友!」 |
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「ふふ、ではまずスピットファイア辺りだな。いろんな国のが欲しいからな」 |
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「何を言っているんだ、それなら零戦あたりだろう?」 |
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「何を言うか、まずは連合機から増やすべきよ!」 |
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「ふざけちゃいけない、まずは枢軸国だ!!」 |
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「いきなり『今日の友は、明日の敵』にならないようにな」 |
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「う……確かに」 |
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「それより何より、まずはアデライードとエルヴィーラをね」 |
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「あ」 |
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「……まさか失念していたのか?」 |
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「い、いえそんな事は!!」 |
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「レシプロ仲間が出来たからと舞い上がっていたようだな少尉。これは教育が必要だと、私は判断した」 |
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「ひぃ! それはご勘弁を!!」 |
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「…………面白そうだから見ていようかな」 |
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「貴様もだスカーレット」 |
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「え!?」 ←巻き添え |
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