第218回「航空機だから飛べるんだヨ」
2009/05/13

「モウ、見慣れタ空間ダナ。タダ、ワタシにとってハ不利な空間ダガ……海上なのガせめてもノ救いカ」
「おやま、あんたまた来たの?」
「ム……確か、リエナだったナ」
「そうだよ♪」
「丁度イイ、少し教えテくれ」
「んー、いいけど何? スリーサイズなら教えないよ。特に胸」
「ソウじゃなイ。ワタシには別ニ敵意がナイのだガ、どうモここノ精神体ハ好戦的だ」
「いやぁー、それって一部だと思うよ? うちんトコにも居るけどサ」
「このアイダは、キッチンASMを叩きこまレタ。確カ、クリスと名乗ッタな。その前ハ、お前ト一緒ニ居たレオナだ」
「あの辺の連中はネ、艦艇見ると攻撃したくなるんだってサ。んま、あたしは平和的だから、そういう事はしないけどネ♪」
「ウソをつケ、Rゼロは目標次第デハその場デ叩いてシマウだろウ。超高高度カらミサイルを撃チ、ミサイルが着弾シタのち上空ヲ過ぎ去リ戦果確認、ソノ足で即座に逃ゲル」
「ま、低レーダー感度下なら、ステルス攻撃機みたいな事はしちゃうけどサ。あたしがいる高度は、殆ど低レーダー感度である事が多い訳だし、任務的には好都合だよネ。でも、あんたよりはマシだと思うんだけど」
「フム……IFFに応答がなけレバ無差別だかラナ。実際ハ、ブルーレインを持ツGSガ、最終的ナ判断ヲ下すガ。マァそれはイイ。ワタシが知りたイのは、ココで空を飛ブ方法ダ」
「えー? あんた船でしょ、船。飛べる訳ないジャン」
「イヤ、妙な力ヲ使えバ、飛べるのデハと思ってナ」
「妙な力?」
「そうダ。お前達ガミサイルなどヲ出す時ニ、同じようなチカラの波動を感じルガ」
「ああ、変な力ネ。う〜ん、確かにそれを使えばいけるかも知れないけど、でもやっぱ基本的に艦艇な訳ジャン? どうカナーっては思うよ。
んまっ、とりあえずやってみる?」
「頼ム。何度モ言うようダガ、ワタシに敵意はナイ。どうイウ訳か知らないガ、ワタシはほかのGSトハ精神構造が違ウようダ……ブルーレインの搭載・非搭載ハあれド、GSハ全て同じ筈なのニ……
そう言えバ、HLが居たナ。どうモ無人機らしクないト感じたガ」
「ん、ああ、ステラの事ネ。最近、自我があるって認めてサ、名前がついたんだよ。もうただのHLじゃなくてサ、ステラっていう一人の航空ガールなんだよ」
「フム……」
「ま、そういうのは置いといてサ、飛ぶって話だけど。あたしらはもともと航空機だから、別に何したって訳じゃなく、『飛ぶ』とか各々で考えりゃ飛べる訳よ。戦闘になれば半透明な戦闘翼が出て、戦闘に適した形態になるんだけど、別になくても飛べるよ。ただ、ないと航空機としての戦闘力をフルに使えない訳。ミサイルを同時に幾つも使ったりとかネ。
その点、元から翼を持っている航空ガールは、翼に力をちょっと注ぐだけでいいから有利だよ」
要は『飛ぶ』ト思考すれバいいのダナ?」
「そうとしか言い様がないカナ。強いて言えば、翼をイメージして念じたほうがイイかもネ」
「ヨシ………………うぅム………………ウゥ…………」
「ん〜?」
「………………──っハァッ。……駄目ダナ、ヤハリ飛ぶ事は出来ナイか。海上を滑るヨウに進ム事は出来ルんだガ」
「やってみてよ」
「ホラ、こうダ(すいーっ」
「わぁお♪ ホバークラフトみたいだネ! 浮いちゃいないけど。船だけに海上はお手の物って感じ?
それはあたしには無理だなぁ……やっぱできる事とできない事ってあるみたいだネ」
「フム……残念ダ……オット、そろそろ時間のヨウダな」
「ほいほい、まったね〜♪」
「…………マタ会おウ」

GS(UGC-1)
無人艦、ブルーレイン搭載のA型。航空ガールではないが、よく迷い込む。
リエナ(Su-37jkR)
元気でお調子者。偵察が大好き。





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