第224回「水没事故にご注意」
2009/05/19

「もうすぐ雨季ね」
「そうですね。雨ばかりで鬱陶しい時期でもありますが……」
「雨が降らないと、割と困るんだよね。ダムとか農作物とかさ」
「まぁ適度に降ればいいかなって感じで。降りすぎて洪水とか、勘弁して欲しいし」
「洪水でなくても、道路が冠水する場合もあるようですね。日本だと、特定の場所が完全に水没したり」
「そういう場所には、大雨の日には近付かないほうがいいね。死亡事故も実際にあるし」
「水圧でドアが開かなくなるから、脱出用ハンマーは用意したいところね。サイドガラス割る奴。
車高下げてる人は要注意よ、マフラーが水没しやすくなるから。エンジン停止に繋がるわ。
あとは冷静な判断かしら。パニックに陥ったら、もうどうにもならないわよ
「とは言っても、そういうのって結構難しいんじゃないの? 落ち着いてってよく言うけど、慣れてない状況になったらパニックに陥っちゃうものでしょ」
「冠水しやすい地域というのはあるのですから、やはりそれに備え、常日頃から訓練しておくべきではないのでしょうか」
「まぁ実際に窓割っちゃったらアレだけど、どういう手順で脱出するかくらいは身体に覚えさせるべきかしらね。車が動かなくなったら、もう車を捨てて逃げるしかないから」
「精神面は鍛えられないんじゃないの? 訓練って言ったって、そういう状況に、実際に直面している訳じゃないんだからさ」
イメージトレーニングでなんとかなりませんか?」
「ある程度はいけるんじゃないの? あ、今思ったんだけど、男性の力なら、車のキーを握って、小指側から鍵の先端を出して、思いっきりサイドガラスを殴れば、割れるんじゃない? あ、これなら女性の力でもOK?
キーって結構、先が尖っているから……女性の力でもいけそうな気がする。脱出用ハンマーも、尖った先端に力が集中するから、ガラスが割れるんでしょ」
「うむ、脱出用ハンマーはスッカスカに軽い。あれは先端が尖っているからこそ、女性の力でも割れるんだ。つまり言い換えれば、先端が尖ってて、且つ力を加えやすい物なら何でも割るのに使えるってこった」
「唐突に現れますね」
「車載工具でもいいぞ。ジャッキなんか最強じゃないか? まぁ取り出すのが難しい場合も多いと思うが、そうなれば運転席ですぐに取れる物、つまり車の鍵だ。因みに俺の車の場合、ダッシュボックスに+ドライバーが入っている。何かと使うからな。これも結構簡単に割れるらしい」
「OK、つまり冠水して車が動かなくなったら、キーを抜いて握っとけって事ね」
「車のキーなら、絶対についているものね」
「ん、あとはさっきから論議してたが、パニックに陥らない事だな。イメージトレーニングは有効だと思うぞ。人間の脳は危機的状況になると、過去の経験や情報から助かる術を探し出すって言うからな。それがないから、パニックになるんだろ?」
「何事も、備えあれば憂いなし、ですね」
「だな。こういう人は居ないとは思うが、割る時はフロントガラスじゃ駄目だぞ。一気に割れるサイドガラスだ、端のほうを叩くと割れやすい。脱出用ハンマーもドライバーもないときは、車の鍵を握って叩き割ってやれ。あ、シートベルトは外そうね
脱出する時は、とにかく早めに。まだ大丈夫、まだ大丈夫ってやっていたら手遅れになるかも知れないわ。あとはゆっくり走ることかしら。いきなり深くなる事だってあると思うから、ゆっくり走っていれば、一気に沈んじゃう事もないでしょ。
いつ災害に遭うか分からないから、油断大敵よ」
自分は絶対大丈夫、っていうのが一番危ないんだよね」

リーネ(A-10A)
渾名はガトリング・ボア。戦車を撃ち抜く事に快感を持っている。
レン(SR-71A)
でかい翼を備えるツンデレ。普段は邪魔なので、縮めている。
リル(SAAB35)
ちょっと心配性で気が弱く脆いが、体術が得意で実は強い。
秋元 健太(無気力星人)
アリスのマスター、趣味と萌えに生きる無気力星人。





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