第2535回「現用艦には現用艦なりの装甲がある」
2015/09/16(水)

「現代の艦艇って、本当に装甲がないのかい?」
ないわけじゃないよ、一般に想像されるような装甲はないけどサ」
「具体的には?」
「まず今の艦艇って、撃たれる前に撃つ・当たる前に迎撃するってのが設計思想の主流なわけで、そういう思想の中では重装甲化する必要はないよネ」
「まぁそうだね。砲で撃ち合う事もそんなにないだろうし、そもそもその艦砲が127mmとか130mmを1門とか2門とかだし」
「うん、艦砲で殴りあうようには出来てないからネ。艦砲で殴りあうなら必要な装甲を必要な箇所に突っ込むだろうけど、今は必要ないからネ」
「だから装甲なんてあるのか?って話しなんだけど」
「例えばサ、対艦ミサイルを近距離で破壊したとするジャン?」
「うん」
「そしたら破片が多量に超高速で突っ込んで来るんだよ? それ、ただの外板で防げると思う?」
「ああ、そういうのを防ぐ装甲があるのか」
「うん。上部構造物にアラミド繊維を装甲として貼り付けているそうだよ。防弾チョッキに使われるアレだネ。これは戦車や装甲車の内張りにも使われてて、被弾時に内側に飛散する金属片から乗員を守る効果があるんだよ」
「他にはあるのかい?」
「キーロフ級は集中防御型の装甲が施されているよ。でっかいし、浮力に余裕があるから納得だネ。あとアメリカの原子力空母も重要区画を装甲化しているそうだけど、ニミッツ級の5番艦以降は、フォークランド紛争の戦訓から装甲を強化しているんだってサ」
「なるほどね」
「ま、あとは区画自体がでっかいスペースドアーマー、つまり空間装甲として設計されてる場合もあるし、装甲がない訳じゃないんだよ」
「ところで対艦ミサイルで戦艦の装甲って抜けるのかい?」
「物と物によるっしょ。戦艦の装甲って言ったって、大小様々だし、対艦ミサイルだってソ連の空母撃滅大型ミサイルみたいなのから、別に戦艦の装甲を抜く為に作ってるわけじゃないしってのもあるでしょ」
「そりゃそうだ」
「重要区画を抜けなくても、その他は破壊できるわけだけど、それだけで戦闘不能になるような物でもないけどネ。航空爆弾多数喰らっても、戦闘不能にはならなかったわけだからサ。それなりに被弾させないと駄目なのは、物が物だけに当然だよネ、大口径の艦砲で撃ち合うように設計されてるんだから。んじゃ今の艦はどうなの?って言うと……」
レーダー命! って感じだよね」
「端的に言えばネ。対艦ミサイルの破片喰らったら、レーダーはそれだけでぶっ飛ぶよ。アンテナのカバーは装甲化できないからネ。とは言え、機能不全は起こすだろうけど、いっぺんに全部のセンサーをぶっ壊さない限りは、それだけで戦闘不能になるわけじゃないよネ。だからこそバイタルパートが生きるわけで、そこは旧世代の戦艦も、現世代の駆逐艦も変わらないよ」
「当然だな」
「サンバーンとかサンドボックスとかヤホントとか喰らったら、駆逐艦程度なら下手したら真っ二つになるかもしれないけどネ」
「怖い怖い」

カルラ(Bf109F-1)
イズベルガの戦友。双方の隙間にて意識が散った状態だったが、セラが集めてつれて来た。
リエナ(Su-37jkR)
偵察が大好きなお調子者。元気の塊、略して元塊。妄想癖な一面もある。





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