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「ドミノ倒しやろう!」 |
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「えぇ〜、なんだか疲れそう」 |
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「そう?」 |
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「うん」 |
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「延々とドミノを立てて並べて立てて並べて……倒しちゃいけないという緊張感に、まだ終わらないまだ終わらないという苛立ち、焦り……積もり積もる疲労の末、やっと完成だという時にうっかり倒してしまって台無しにするドミノ倒しだね」 |
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「ストッパーあるから!」 |
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「ストッパーなんか使うんじゃない!」 |
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「いやストッパーは使うだろ」 |
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「ストッパー使っても疲れるよ、絶対」 |
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「う〜ん、そっかー」 |
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「ドミノはドミノ倒しだけの道具ではありませんので、ほかのゲームをしてみては?」 |
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「え? そうなの?」 |
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「そうだよ、ドミノ倒しに使うドミノ……ドミノ稗だな、これは倒す為だけの物じゃないよ」 |
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「倒している所しか思いつかないんだけど」 |
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「ドミノ稗は、サイコロの面が二面付いた板ですよ?」 |
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「あ、そうか、倒すだけなら二つの数字は要らないな」 |
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「それもそうか〜」 |
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「そうです。そしてドミノ稗には、トランプのように沢山の遊び方があります。基本的な遊び方としては、同じ数字が隣り合うように置いていく、というものです」 |
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「簡単に遊べそうだね」 |
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「ドミノ倒しは、ドミノ稗を使ったゲームの一種に過ぎないんだね」 |
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「ドミノ倒し専用の、何も刻まれてないやつも出てるけどね」 |
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「リェースさん、ドミノ稗はお持ちで?」 |
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「うん」 |
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「遊び方が書いてある説明書、入っていませんでしたか?」 |
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「あったような……?」 |
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「読まずにソッコーでドミノ倒しに行ったんだな」 |
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「昨日買ったばかりだからね〜(ごそごそ)、あった」 |
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「では遊んでみましょうか。ルールは説明書に書いてありますね、ロシア語ですけど」 |
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「読めない」 |
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「まぁやりながら覚えればいいよ」 |
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「そうですね。説明しますので、遊んでみましょう」 |
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「やろうやろう♪」 |
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