第368回「重いと思うから重いんだ」
2009/10/10

「美風、美風」
「なんだ」
「美風の刀、空四号横蛇、ちょっと振るわせてよ」
「別に良いが、志乃には長いんじゃないか?」
「いいからいいから」
「ふむ……ほら」
「ありがとう。……う"……やっぱり重いなぁ。それに(ひゅっ)私には、(ひゅっ)長い
「もっと長いのがいるぞ」
てぇや!(ひゅっ、ぱっ) 衛子か。斬り返しが上手く行かないなぁ」
両手で扱えばいいだろう、やはり志乃には長い」
「なんの話だ?」
「あ、衛子。丁度よかった、衛子の五月雨も振るわせてよ」
「別に良いが……」
「はい、美風」
「ん。志乃、衛子のは特別すごいぞ」
「ほら、気をつけて持て」
「ありが──うわっ(ズシッ
「ほらな」
「ななな、なんでこんなに重いんだぁ!?」
「重いから重いんだ」
「こ、これじゃ(ぐぐっ)、ふるえ(ぐらっ)、ないっ(がくっ)
「振動刀だからな、しかも長い
「その程度の重量、振るえずにどうするか! 気合が足りない証拠だ!」
「そ、そうは言われてもこれは重い!」
「戯け! 甘えるな! さぁ振るえ、存分にな!」
「おーお、頑張れよ志乃」
「え、え? 嫌だ! 自分の手に馴染んだ自分の刀が一番だ!!」
「様々な刀を扱えてこそ真の武士だ!!」
「それにしても重過ぎるよ!」
「気合が」
「こりゃ長引くな」
「根性が」
「重い重い重い!」
「足りーん!」
「重ーい!」
「私は帰って寝るぞ、あとは適当にやってくれ」

志乃(F-1)
アカが大嫌いな、チビで生意気な女の子。
美風(F-15J)
マイペースでめんどくさがり。しかし、瞳孔が開くととにかく強い。
衛子(F-4J改)
戦って斬って血を見るのが好き。喧嘩上等らしい。





第367回へ  第369回へ

戻る
トップ