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「美風、美風」 |
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「なんだ」 |
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「美風の刀、空四号と横蛇、ちょっと振るわせてよ」 |
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「別に良いが、志乃には長いんじゃないか?」 |
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「いいからいいから」 |
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「ふむ……ほら」 |
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「ありがとう。……う"……やっぱり重いなぁ。それに(ひゅっ)私には、(ひゅっ)長い」 |
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「もっと長いのがいるぞ」 |
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「てぇや!(ひゅっ、ぱっ) 衛子か。斬り返しが上手く行かないなぁ」 |
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「両手で扱えばいいだろう、やはり志乃には長い」 |
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「なんの話だ?」 |
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「あ、衛子。丁度よかった、衛子の五月雨も振るわせてよ」 |
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「別に良いが……」 |
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「はい、美風」 |
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「ん。志乃、衛子のは特別すごいぞ」 |
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「ほら、気をつけて持て」 |
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「ありが──うわっ(ズシッ」 |
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「ほらな」 |
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「ななな、なんでこんなに重いんだぁ!?」 |
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「重いから重いんだ」 |
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「こ、これじゃ(ぐぐっ)、ふるえ(ぐらっ)、ないっ(がくっ)」 |
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「振動刀だからな、しかも長い」 |
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「その程度の重量、振るえずにどうするか! 気合が足りない証拠だ!」 |
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「そ、そうは言われてもこれは重い!」 |
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「戯け! 甘えるな! さぁ振るえ、存分にな!」 |
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「おーお、頑張れよ志乃」 |
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「え、え? 嫌だ! 自分の手に馴染んだ自分の刀が一番だ!!」 |
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「様々な刀を扱えてこそ真の武士だ!!」 |
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「それにしても重過ぎるよ!」 |
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「気合が」 |
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「こりゃ長引くな」 |
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「根性が」 |
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「重い重い重い!」 |
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「足りーん!」 |
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「重ーい!」 |
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「私は帰って寝るぞ、あとは適当にやってくれ」 |
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