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「法事で田舎行ってた」 |
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「……はい」 |
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「福島だったネ」 |
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「うん。なんつーか、帰宅困難区域はまだまだ封鎖中だったな……一部、車だけ通れる道路はあるが、民家や横道が全て封鎖されてて、なんとも言えない気持ちになる。途中、なにわナンバーの警察人員輸送車両とすれ違ったが、火事場泥棒対策等の応援かな?」 |
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「誰も居ないのをいいことに、盗みを働く輩が居ますものね」 |
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「そういう輩は、地獄へ落ちるぞぇ」 |
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「恐ろしいですぅ〜」 |
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「んで話し変わるんだけどさぁ〜」 |
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「何よ?」 |
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「コオロギの成虫が小さい時って、飛べるんだなぁ……」 |
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「えっ、飛びますの?」 |
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「飛んでたんだよ! 電灯の周りをぐ〜るぐる何週もな!! 最初はハエかと思ってたんだが、突然、1匹、2匹、3匹と垂直落下で着陸して、なんだ?と思って見たらコオロギ(成虫・小)でやんの!! まさかと思ってちょっと払ったら……跳ねたあと飛行したよ……」 |
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「飛ぶのかぇ?」 |
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「うん、成虫の小さい時は飛行可能なんだってサ。羽が長いタイプがネ。それが成熟して繁殖可能になると、鳴く為の羽に変化するから、飛べなくなるんだって」 |
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「結構長く飛行してたんで、かなりびっくりしたぞ。垂直落下してきたのは、たぶん飛び疲れて落ちて来たんじゃないかな」 |
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「それはびっくりしますよねぇ〜」 |
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「……コオロギは飛ぶのではなく、跳ぶものだとばかり」 |
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「飛べるのは、成虫になりたての頃だけのようだがな」 |
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「種類によっては一時的に飛べる、だネ」 |
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