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「試作!」 |
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「……試作だね……」 |
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「うん、試作だ」 |
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「試作ですわ」 |
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「4=シ 3=サ 9=ク、ね。私も、MLS機としては試作機よね。試作機って、実験機の意をも含むのかしら」 |
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「…………試作という言葉自体が……製品を作る前に実験的に製作する事だろう……」 |
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「製品を作る事を踏まえた上での実験機、それが試作機と考えて差し支えないと思う」 |
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「確かに。実験は、実際に試みて、考え方の正否を調べることだものね」 |
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「生産という観点では、実験機の上位に位置する、つまり、量産を前提とした実験機が試作機という訳ね。意味合い的には」 |
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「そうなるのでしょうね」 |
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「そう言えばX-35は、概念実証機であって、最初から量産を主眼にしていたわけじゃないと取れるわ」 |
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「まぁエックス・ナンバーだし」 |
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「…………あれ……でも怜はMLS-X1だよね……?」 |
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「エックス・ナンバーだけど」 |
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「忘れてたわ。MLSなんてよく分からないものを、配備前提で試作する訳ないわね。試作と言うならば、MLS-X3の子かしら……私とX2の子は殆ど同じくらいに作られたから」 |
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「MLS-X1が怜で、X2、X3の娘が居て、量産型(?)は現在、MLS-1から21があり、15がアリス、16がリエナ、17がもみじ、18がガーベラ、19がレオナ、20がルナ、21がカタリーナ……でしたわね」 |
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「一ケタ台前半の子は、試作機に近い位置付けよ。個人個人の不具合はあれど、アリスちゃん達の世代に向かって進歩しているから。もみじはMLS機・初のAEWだから、あの子も試作機みたいなものかしらね」 |
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「量産(?)されているのは羨ましい限りだよ」 |
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「ほんとよね、私なんて競争に敗れたばっかりに──」 |
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「まさに死作」 |
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「What ? なんですって?」 |
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「死亡の死に、作品の作」 |
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「Shit ! いい度胸ね、どうやら死にたいご様子……ぞくぞくするわ」 |
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「言い得て妙だが気に食わないな。フェメナ、加勢するよ」 |
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「…………怜……混ざるかい……?」 |
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「私が混ざっていいのかしら」 |
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「駄目ですわこのオーパーツ」 |
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「あなた元々量産機で実戦機でしょう!」 |
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「分が悪すぎだ」 |
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「うん、それが普通の反応かな」 |
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「……っへ……臆病者どもめが……」 |
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「今なんと?」 |
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「じゃあツアギ、あなたが相手しなさいよ」 |
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「結果は見えているけどね」 |
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「…………っへ……嫌だね……」 |
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