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「大和は怖い怖いと騒いでいたが、そんなに怖いかね、ここ」 |
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「400機近くの航空機に群がられた前世が、深層心理に根付いているのでは」 |
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「まさかね」 |
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「あ、誰か居る」 |
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「お、航空機か」 |
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「振り向いて)おや、見ない顔だな」 |
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「お前さん、その羽織の紋を見る限り、空自かね?」 |
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「そうだが……?」 |
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「おっと失礼した。お初にお目にかかる、私は日本海軍外洋遠征艦隊隷下 第3外洋機動艦隊所属、原子力戦艦 浦賀だ」 |
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「同じく日本海軍、中央防衛艦隊隷下 第1艦隊所属、ミサイル駆逐艦 氷山」 |
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「ふぅん、成る程、新しい艦艇ガールか。私は航空自衛隊所属のF-15J、美風だ」 |
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「ふーむ……お前さん、見たところかなり腕が立つようだが(刀の柄を握った」 |
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「そうかな、お前さんもそのようだが」 |
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「手合わせ願えるかな?」 |
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「……いいだろう、戦艦と手合わせするのも面白い」 |
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「では、いざ(刀を二本抜いた」 |
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「同じく二刀硫か(呼応するかのように、刀を二本抜いた」 |
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「……引き分け、というところ」 |
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「うーむ、やはりできる」 |
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「いやいや、楽しかった。衛子とはまた違う型だな、力もあるが特に技に長けているという感じか」 |
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「衛子とは?」 |
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「ウチのF-4EJ改だ。振動刀である長刀を振り、力で捻じ伏せる型だ」 |
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「ふむ、一度手合わせしてみたいものだね」 |
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「ところで浦賀殿、その腰の刀……4本あるようだが?」 |
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「ああ、これか。4本あるが2本しか使えないよ」 |
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「浦賀さんは、四刀(しとう)の浦賀と呼ばれています」 |
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「ほぅ……ん、4本中2本は、妖刀か」 |
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「わかるか?」 |
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「わかる。成る程、普段用と分けているのか」 |
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「それだけじゃないけどね。一番刀「白虎」、二番刀「青龍」、三番刀「朱雀」、四番刀「玄武」。朱雀と玄武が妖刀だ」 |
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「そして刀マニアでもある」 |
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「ふふ……この朱雀と玄武は、私の傍に居ないと妖気を放ちすぎるのでね。常に持ち歩いている」 |
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「デッドウェイトになってもか?」 |
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「勿論だ、手放す理由がない」 |
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「成る程」 |
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「あ、そろそろ時間」 |
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「おや、身体が透けてるね……またいつか」 |
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「ん、また」 |
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