第552回「刀には魔力がある」
2010/04/12

「大和は怖い怖いと騒いでいたが、そんなに怖いかね、ここ」
「400機近くの航空機に群がられた前世が、深層心理に根付いているのでは」
「まさかね」
「あ、誰か居る」
「お、航空機か」
「振り向いて)おや、見ない顔だな」
「お前さん、その羽織の紋を見る限り、空自かね?」
「そうだが……?」
「おっと失礼した。お初にお目にかかる、私は日本海軍外洋遠征艦隊隷下 第3外洋機動艦隊所属、原子力戦艦 浦賀だ」
「同じく日本海軍、中央防衛艦隊隷下 第1艦隊所属、ミサイル駆逐艦 氷山
「ふぅん、成る程、新しい艦艇ガールか。私は航空自衛隊所属のF-15J、美風だ」
「ふーむ……お前さん、見たところかなり腕が立つようだが(刀の柄を握った」
「そうかな、お前さんもそのようだが」
「手合わせ願えるかな?」
「……いいだろう、戦艦と手合わせするのも面白い」
「では、いざ(刀を二本抜いた」
「同じく二刀硫か(呼応するかのように、刀を二本抜いた」



「……引き分け、というところ」
「うーむ、やはりできる
「いやいや、楽しかった。衛子とはまた違う型だな、力もあるが特に技に長けているという感じか」
「衛子とは?」
「ウチのF-4EJ改だ。振動刀である長刀を振り、力で捻じ伏せる型だ」
「ふむ、一度手合わせしてみたいものだね」
「ところで浦賀殿、その腰の刀……4本あるようだが?」
「ああ、これか。4本あるが2本しか使えないよ」
「浦賀さんは、四刀(しとう)の浦賀と呼ばれています」
「ほぅ……ん、4本中2本は、妖刀か」
「わかるか?」
「わかる。成る程、普段用と分けているのか」
「それだけじゃないけどね。一番刀「白虎」、二番刀「青龍」、三番刀「朱雀」、四番刀「玄武」。朱雀と玄武が妖刀だ」
「そして刀マニアでもある」
「ふふ……この朱雀と玄武は、私の傍に居ないと妖気を放ちすぎるのでね。常に持ち歩いている」
「デッドウェイトになってもか?」
「勿論だ、手放す理由がない」
「成る程」
「あ、そろそろ時間」
「おや、身体が透けてるね……またいつか」
「ん、また」

浦賀(BSN-3)
四刀(しとう)の浦賀。刀マニア、部屋に沢山あるらしい。手入れ中は近付くな。艦艇ガール。
氷山(DDM-8)
感情に左右されない、冷徹な性格。でも可愛いものは好き。艦艇ガール。
美風(F-15J)
マイペースでめんどくさがり。しかし、瞳孔が開くととにかく強い。





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