第557回「この圧力に耐え切れるかぁ!?」
2010/04/17

「ああ……いてて」
「……如何なされましたか?」
「今度は何?」
横向きに生えようとしている親知らずが、奥歯をぐいぐい押しやがるから、圧力で歯(歯茎?)が痛いんだ」
「え、て事は……」
知覚過敏親知らずプレスダブルパンチなの?」
「そうだ。はっきり言って眠れん。昨日も殆ど寝てない。知覚過敏は水などで刺激すると痛いが、この親知らずによる圧力は、間隔を置いて何度も何度もやってくる
「……立て続けに来ましたね」
「まぁ親知らずの圧力による痛みは以前からあったんだ、ほんのちょっとの痛みだったが。今回のは完璧に殺しにきているぞ」
「殺しにって──」
「ぐあぁぁぁぁ! 来たぞ! 今!! すごいのが! 来た!!」
「マ、マスター……(おろおろ」
「そんなに痛いの?」
「ぐぅあああぅぅぅぅ……お前くらいの歳だとまだまだ時期ではないから分からんのだ、親知らずが攻勢に出る時期になれば嫌でも分かる! 生まれつきなかったり、綺麗に生え揃って圧力を掛けられなかったりする人もいるらしいけどな」
「……大丈夫ですか?」
「もう駄目」
おろおろ
「そんなに痛いなら抜けばいいジャン、抜けば。親知らずって抜歯するんでしょ?」
「それは嫌だ」
「……あっそ」
「ふぅ……とりあえず収まったな。激痛が走る間隔が広がっているから、そのうち収まるだろう。と思う
と思いたい、でしょ」
「うるせぇ」
「……大丈夫ですか?」
「ん、一応な」
「ま、病気にならないようにネ。親知らずって変な生え方すると、磨きにくいらしいからネ」
「ああ、そこが1番心配だな。こまめに掃除するさ、抜歯だけは嫌だからな」
「そんなに親知らず抜歯するの嫌?」
「嫌だね」
「……あっそ」
「……痛そうだし」
「そうネ」

アリス(Su-37jk)
無口で無表情だが、まったく喋らない訳ではない。
リエナ(Su-37jkR)
元気でお調子者。偵察が大好き。
秋元 健太(無気力星人)
アリスのマスター、趣味と萌えに生きる無気力星人。





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