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「ご破算」 |
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「む?」 |
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「いや何、第583回で、5=ゴ 8=ハ 3=サン、という事だ」 |
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「嫌な回だな」 |
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「うむ、辞書によれば『今まで進めてきたことや状態をすっかり元に戻すこと。白紙の状態にもどすこと』だからな」 |
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「ご破産とも読めるな」 |
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「余計に嫌だな」 |
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「お金がなくなるっスか?」 |
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「金だけじゃないぞ、財産全てだ」 |
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「例えば車や家、家具や本などなど」 |
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「そ、それは嫌っスー!」 |
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「だろう? それくらい恐ろしい回なのだよ、今回は」 |
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「そう言えば破産で思い出したが、秋元が何やら家計簿モドキを作ったそうだが」 |
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「ん、エクセルとか言うソフトで作ったようだ。簡易的なものだけどね。それで、今月分のレシートや通販記録などを入力したそうだよ」 |
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「どうなったスか?」 |
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「だいぶキたそうだよ」 |
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「ふん、視覚でハッキリと消費が見えるからな。千円くらいなら、二千円くらいなら、とちょくちょく使っていると、実はいつの間にか膨れ上がっているものだ」 |
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「これは金欠病になっても当然だと言ったところか」 |
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「ご破産っスか?」 |
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「いや流石にそこまでは」 |
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「要は金の使い方を考えさせられたという事だな」 |
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「無駄使いが目に見えるからな、これからは出費のたびに記録をつけるそうだよ」 |
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「まぁ、良い事だ。経済的にはもっと使えと言うところだろうが、限界もある」 |
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「ふむ、そういうのも、経済の悪化を加速させているのかもな」 |
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「でもでも、先立つ物がないと使えないっスよー」 |
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「そういうことだ。だから難しい……そしてリーマンショックだ、一撃必殺だったなあれは」 |
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「言い換えれば、経済は割と危うい地盤の上に居るという事かも知れぬ」 |
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「複雑だからな」 |
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「それで、中尉はちゃんとお金の管理が出来るようになったんですか?」 |
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「さぁ?」 |
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「知らんな」 |
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