第612回「折りたたみ傘を忍ばせておけば多分安心」
2010/06/11

「本日は快晴……」
「関東は6月後半から梅雨だって、言ってたわね」
「もう少し先だね。梅雨の終わりは、7月中ごろまでずれ込むみたいだけど」
「ま、予報は予報だから、当たる時もあれば外れる時も──」
「雨が降らなくって困ってるって?」
「そんな貴女に朗報よ!」
「…………」
「え、え、何?」
「別にーっ、困ってないんだけどーっ」
「何、凄く困ってるって?」
「それは大変! さぁセラ、出番よ!」
「…………本当に……困っているの?」
「いいから早くするんだ」
「そうよ、ますます存在感が薄まっちゃうじゃないの」
「………………(ひゅぱっ」 ←亜空間から水を取り出した
「え?」
「あ?」
「ニポンジン ノ ミナサーン、アメ デスヨー」
アメ デスヨー」
「…………雨ですよー(ぼそっ」
ゲリラ
豪雨
ザァァァァアァァァァアァァァ!!
「きゃっ!?」
「うわっ、冷た!」
よーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっく、冷やしといたからな。暑いだろうと思って
「しかも天然水よ、天然水。山の美味しい水」
「ちょ、ちょっと何馬鹿な事やってんのよ! 濡れちゃったじゃないの」
「あ〜あ……びしょびしょ……」
「こら、聞いてるの!?」
「お気に召さなかったようだぞ?」
「あら、変ねぇ」
「変なのはあんたらよ! 降りてきなさーい!」
「それは出来ん!」
「なんで!?」
「殴られそうだから」
「分かってんじゃないの、そこ、動くんじゃないわよ!
「…………そんな事より……はい、これ……」
「なんですか、これ」
「…………天然水の請求書」
「…………」
「…………」
「え?」
「……請求書」
「…………」
「…………」

ルナ(Su-37jk)
身体は小さいが、行動は積極的。
カタリーナ(Su-37jk)
強気で気さくでお気楽。それでいて世話好き・世話焼きときている娘。
セラフィナ(B-2)
アリスより無口な女の子。心優しく、魂魄と会話できる。
YB-35(YB-35)
言葉遣いは男っぽいが、女の子。セラフィナに取り憑いている。
YB-49(YB-49)
セラフィナに取り憑いている、気立ての強い女の子。





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