第619回「おにぎりは塩だけでもいい」
2010/06/18

「今日はおにぎりの日
「え?」
「何それ」
「え、だからおにぎりの日
「だから何それ」
おにぎりの日だって言ってるジャン」
「そうじゃなくて、なんなの、そのおにぎりの日って」
「だからおにぎり──
「リエナ、わざとやってるでしょ」
「わざとね。そろそろちゃんと教えてちょうだい」
「うん、じゃあ教えるけどネ、おにぎりの日ってのは簡単に言えば『日本にある遺跡からおにぎりの化石が発見された記念』なんだよ。発見日じゃないみたいだけどネ」
「え? 今なんて言ったの?」
「リエナ、なんの化石?」
おにぎりの化石
「……ごめん、聞き間違いかなぁ……もう一回いい?」
「だから、おにぎりの化石だよ」
「冗談でしょ?」
「ほんとだよ。1987年に(旧)鹿西町ってトコの杉谷チャノバタケ遺跡から、石ころサイズの炭化した米の塊が見つかったんだって。で、これ弥生時代中期の物で、日本一古いおにぎりなんだよ。
って言っても、化石って定義には当てはまらないし、物自体はどっちかって言うと炭化したちまきみたいなもんなんだって」
「でもなんだかインパクトはあるよね」
「ネ、おにぎりの化石ってなんだよってネ」
美味しそうではないわね」
「炭化してんだから美味しい訳ないジャン」
「蒸気機関車は喜ぶと思うよ」
「え?」
「何?」
「だから、蒸気機関車は喜ぶと思うよ」
「じゃあ何、アウトドアでも引っ張りだこって?」
「おにぎりの化石って燃えるの?」
「燃えるんじゃない?」
「燃えはするだろうけど、木炭とか石炭とかみたいな燃え方はしないんじゃないの?」
「やってみればいいじゃない」
「おー、そうだそうだ、やってみよう。そうと決まれば早速、外の世界に行って燃やしてこよう
「人の国の文化財を燃やすなって」
「そんなに貴重?」
「おにぎり文化の最古品だからネ、歴史資料として貴重じゃないのカナ」
「食文化の歴史資料ではあるね、確かに」

リエナ(Su-37jkR)
元気でお調子者。偵察が大好き。
リェース(MiG-31)
頑張り屋だが、それがドジに繋がる事のほうが多い。ボクっ子。
エルテア(MiG-21)
叩けば響く、デフォルトツンデレ。F-4が大嫌い。





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