|
「今日もいい天気〜♪ いくら梅雨だからって、雨ばっかりじゃ萎えちゃうよ」 |
|
「やぁリエナ」 |
|
「こんちわー」 |
|
「今日は晴れてて良かった、湿度も高くはないし」 |
|
「夏になるとジメジメムシムシで、きっついよネ──あ」 |
|
「どうしたんだい?」 |
|
「ちょっと遠くに、高熱源があるんだけど……火事カナ?」 |
|
「行ってみようか」 |
|
・
・
・
|
|
「えーと……」 |
|
「うわっ、何やってんの?」 |
|
「おー、見ての通りだよー」 |
|
「赤熱してる……」 |
|
「なんでそんな状態に?」 |
|
「いやぁー、昨日、我慢大会やっててさぁ、調子に乗って炎尾の出力上げまくってたら、なんか暴走しちゃって」 |
|
「それでそんな状態に」 |
|
「熱すぎて近寄れないよ」 |
|
「そうそう、みんな逃げちゃって、薄情だよなぁー」 |
|
「いや逃げるでしょそれは、どうしようもないもん」 |
|
「自分でなんとかするしかないね」 |
|
「ひでぇ」 |
|
「自業自得ですよ、同志クリス」 |
|
「お、薄情者その1。みんなに逃げろと促した張本人!」 |
|
「何を言いますか、我々の手に負えない以上は、逃がすのが最善。それに、こうして様子を見に来ているのですから、薄情とは聞き捨てならないですね」 |
|
「で、本当にどうしようもない訳?」 |
|
「どうしようもありません。昔、同志クリスがまだ航空ガールに成りたてだった頃、出力の調整が上手く出来なくて暴走した事がありましたが、その時もアレコレ試しても効果はなく、結局は放置するしかなかった、という事がありましてね」 |
|
「その後、どうなったんだい?」 |
|
「暫くしたら、自然に治ってましたよ。あの時は一週間かかりましたが、まぁ、今回は同志のレベルも上がっていますし、数日で大丈夫でしょう」 |
|
「どーでもいいんだけど、そんなに離れて話されるとなんか悲しい」 |
|
「そりゃ、熱いですし」 |
|
「ま、そんなら放置でいいって事ネ」 |
|
「そうなんだけど、もっとこう、心配とかしてくれないのかぁー?」 |
|
「だってほっときゃ治るんでしょ」 |
|
「心配して欲しいのかい?」 |
|
「うん、全力で心配して」 |
|
「皆さん、その必要はありませんからね」 |
|
「お前は悪魔かぁー!」 |
|