第626回「君が熱すぎて近付けない」
2010/06/25

「今日もいい天気〜♪ いくら梅雨だからって、雨ばっかりじゃ萎えちゃうよ」
「やぁリエナ」
「こんちわー」
「今日は晴れてて良かった、湿度も高くはないし」
「夏になるとジメジメムシムシで、きっついよネ──あ」
「どうしたんだい?」
「ちょっと遠くに、高熱源があるんだけど……火事カナ?」
「行ってみようか」



「えーと……」
うわっ、何やってんの?」
「おー、見ての通りだよー」
赤熱してる……」
「なんでそんな状態に?」
「いやぁー、昨日、我慢大会やっててさぁ、調子に乗って炎尾の出力上げまくってたら、なんか暴走しちゃって」
「それでそんな状態に」
「熱すぎて近寄れないよ」
「そうそう、みんな逃げちゃって、薄情だよなぁー」
「いや逃げるでしょそれは、どうしようもないもん」
「自分でなんとかするしかないね」
「ひでぇ」
「自業自得ですよ、同志クリス」
「お、薄情者その1。みんなに逃げろと促した張本人!」
「何を言いますか、我々の手に負えない以上は、逃がすのが最善。それに、こうして様子を見に来ているのですから、薄情とは聞き捨てならないですね」
「で、本当にどうしようもない訳?」
「どうしようもありません。昔、同志クリスがまだ航空ガールに成りたてだった頃、出力の調整が上手く出来なくて暴走した事がありましたが、その時もアレコレ試しても効果はなく、結局は放置するしかなかった、という事がありましてね」
「その後、どうなったんだい?」
「暫くしたら、自然に治ってましたよ。あの時は一週間かかりましたが、まぁ、今回は同志のレベルも上がっていますし、数日で大丈夫でしょう」
「どーでもいいんだけど、そんなに離れて話されるとなんか悲しい」
「そりゃ、熱いですし」
「ま、そんなら放置でいいって事ネ」
「そうなんだけど、もっとこう、心配とかしてくれないのかぁー?」
だってほっときゃ治るんでしょ」
「心配して欲しいのかい?」
「うん、全力で心配して
「皆さん、その必要はありませんからね」
「お前は悪魔かぁー!」

クリスティーナ(Tu-22M3)
割とネタに走る。後ろに立つ戦闘機は、容赦なく「炎尾」で一掃。
リエナ(Su-37jkR)
元気でお調子者。偵察が大好き。
メルル(RAVI TD)
妹月と百合百合。IAIの悲劇(?)、米に撃墜(横槍的な意味で)された。
ルーヤ(Su-24)
剣技に長ける少女。ジェラとナイチチ同盟を組んでいる。





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