第668回「悪魔の兵器とはまさしくその通り」
2010/08/06

「……本日は広島原爆忌
広島原爆の日ともいうわねー」
「広島にアメリカの原爆、リトルボーイが投下された日ですね。十数万人が一瞬で亡くなり、市街は崩壊したと」
「恐ろしい兵器よねぇ。リトルボーイの威力は15ktだけど、今や弾道ミサイルに使用される核は、メガトンクラスが普通だから……」
「想像も出来ないし、したくありませんね」
「……核に対して核による報復攻撃、撃たない・撃たせない、即ち核抑止。……核兵器の存在理由は、現在はそこが大きく、またそうであるが故になくなる筈もなく」
「先に捨てたほうが不利だからな。そもそも北みたいな国が持っている時点で、大国は核を捨てられやしないよ。自分だけが持つ圧倒的な攻撃力を盾に、更に増長するのは目に見えてる。それくらい、強力すぎる兵器なんだ」
「難しい問題よねー。みんなが同時に、ハイ捨てた、ってならないと駄目よー」
「捨てたと言っておいて、隠していたり。生産技術は残しておいて、捨てたあとにこっそり製造」
「……あり得ますね」
「ひょいっ)おや、珍しい組み合わせっスね」
「あ、コラ、よくもこんな日に!」
「へ?」
「言うんだろ、どうせ、核落とすとか!」
「言いませんよ〜、私とて空気くらい読むっス。今日と9日はそういうの自重するっスよ」
「9日は長崎よねぇ」
「そうっス。だから自重するっスよ」
「いつも自重しろよ迷惑だから……」
「本当に落としたりはしませんから大丈夫っス」
「……落としたらその場で撃墜(ぼそっ」
「ああんっ、アリス先輩容赦ないっスー!」
「それじゃあ、皆で黙祷しましょうかー」
「……はい」
「勿論です、司令殿」
「私もするっス」
「では、黙祷」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」

アリス(Su-37jk)
無口で無表情だが、まったく喋らない訳ではない。
志乃(F-1)
アカが大嫌いな、チビで生意気な女の子。
粉雪(E-767)
いつもほんわかしてるが、メガネをかけるとシャキッとする。
テレンティア(M-4)
厚意で核爆弾をプレゼント。語尾に「っス」を付ける。





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