第732回「隣人だから面倒なんだというのは一般レベルでも存在する」
2010/10/09

←かわいそうなモノを見る目
「何ヨその目は」
「いや、なんだ、その……ノーベル平和賞を貰って抗議する国って珍しいな、と思ってさ」
「う"……」
「なんか情報も遮断してんだって?」
「らしいヨ」
「検閲社会の恐ろしいところだな、国民はどの程度把握しているんだ?」
「さぁ? 海外の報道も遮断されてたみたいだし。活動家のあいだでは、もう浸透してるかも知れないけどネ」
「ふーん。それはいいけどさ、またソッチにいる日本人拉致ったりとかするなよな?
「ワタシに言われても困るヨ」
「だからさぁ、爆撃でもしてこいよ、できるだろ、爆撃。何所にとは言わないけどさぁ」
「できるけど、やる前に落とされちゃうよ!」
「ッチ、根性無しが」
「じゃあ志乃がやればいいじゃないカ」
「やっていいなら今すぐやるぞ」
じと〜っ
びくっ
「やるのカ?」
「い、いや、自分から戦争を仕掛けたとあっちゃ、国際的に悪になるからな。そういう立場を危うくする行為は無意味だ、ははは」
「それはそうネ」
「弱腰すぎるのも困りものだが、安易に挑発に乗るようでは困るという訳でもある。そのバランスが難しい……海を隔てているとは言え、隣国だからな。対岸の火事というわけにはいかない。経済的にも根が深いからな、現地に居る邦人の身の安全を配慮する必要もある。安全な国とは言えないからな
「離れていて、特に関係がなかったら?」
遠慮する必要はないだろう、好きなだけ叩け。ていうか、叩く意味もないかもなぁ、政治的にも関係ないなら、なんの感情もないし。大した関係を持ってない国で何が起ころうが、関係ないからな、基本的には。関心を持っている人間なら別だろうけど」
「隣国で関係があるからこその問題ネ」
隣人に恵まれなかったのがそもそもの……ああ、もう面倒だから、どっかに引っ越してくれよ、土地ごと
「ど、どうやって!?」
「物質転送的な、SF的な何かで」
「無理すぎヨ!」
「ッチ、やりもしないで無理無理と」
「やれない事をやれと言うのもどうかと思うケド」
「あー、もういい、今すぐ爆撃してや──」
じと〜っ
びくっ
「懲りないネ」
「うるさい! 懲りないのはソッチだ! いい加減にしろ!」
「ぎゃふんっ」

志乃(F-1)
アカが大嫌いな、チビで生意気な女の子。
妹月(殲撃10型)
いつも自衛隊機のテリトリーに遊びに行くが、すぐさま追い返される。
粉雪(E-767)
いつもほんわかしてるが、メガネをかけるとシャキッとする。





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