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「台風よー、台風がきたわよー」 |
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「ああ、どう見ても台風だな」 |
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「そりゃこれだけ暴風雨なら──」 |
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「台風と聞いて」 |
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「お前は呼んでない」 |
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「なんだとこのチビ!」 |
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「チビって言うなぁ!」 |
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「はいはい喧嘩しないの──あ」 |
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「お、ロートドームが」 |
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「え?」 |
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「何が──(ごんっ」 |
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「…………突風が」 |
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「…………忘れがちだが、粉雪殿はいつもロートドームを浮かせているんだ」 |
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「大丈夫ー?」 |
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「い、い、いたぁーっい!! なんなんですかいきなり!?」 |
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「現状の強風よりも更に強い突風で、ロートドームが飛ばされちゃったのよー。それで、それがあなたに当たったの」 |
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「ヒ、ヒモで括りつけとけです!」 |
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(風船かっ) |
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「ははは、油断大敵だぞリズ。台風の風は強烈でな、凄いのだと角材を飛ばして倉庫のシャッターを貫徹させる」 |
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「自然の力って恐ろしいー」 |
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「ま、台風だからってここぞとばかりに目立とうとした罰だな」 |
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「ん、そうだ、事あるごとにやってきてもF-Xにはなれんぞ。正攻法で来い」 |
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「むむむ……」 |
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「まぁ正攻法で来てもどこぞのアレが横槍入れそうだけどな」 |
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「横槍大好きにっくき米帝・許すまじ」 |
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「米帝とか」 |
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「二人ともどっから湧いたんだ?」 |
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「横槍の臭いがしたから」 |
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「どんな臭いよ!」 |
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「あーはいはい、もうF-Xはタイフーンに決まったようなモンですから、お静かになのです」 |
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「どの口がそれを言いますか」 |
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「スパホに決まってるじゃない」 |
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「あれ、煩くて苦情がなぁ」 |
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「そんな理由で!?」 |
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「どうせもっともっともーーーーっと先の話よー」 |
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「そんなに伸ばされても困るけどね」 |
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