第890回「ECCS、そろそろ起きてくれ」
2011/03/16

「さて、ECCSの復旧が始まっているわけだが」

炉心冷却装置の復旧へ、新送電線着工
2011/03/16 14:31

 東京電力は、福島第一原子力発電所に外部から電力を供給するため、新たな送電線の設置に着手、原子炉を冷やす緊急炉心冷却装置(ECCS)の16日中の復旧を目指す。

 成功すれば、燃料棒が露出したままの1〜3号機の炉心溶融などの危機が回避される。

 同原発では、地震によって停電したほか、ECCSなどを作動させる非常用ディーゼル発電機も津波の影響などで破損した。

 東電は、社員ら70人体制で、電源車を使った消火用ポンプで、炉内への海水注入を続けているが、ポンプの能力は小さく、難航していた。高圧の外部電源を確保することで、炉心を効果的に冷やす高圧炉心スプレー、格納容器冷却スプレーなどのECCSの作動が可能になり、「冷温停止」状態を導くことができる。


*記事より転載

「マジで頼むぜ、これ成功すれば事態の収束に一歩近付くだろう」
「準備の手間考えると、これって冷却停止の事故が発生したあと、早期に準備開始してたんじゃないの?」
「そうだろうな。数時間程度でECCSの点検・送電線などの準備なんか、できるもんでもないだろうし。現地があんな状態だから、連続して作業できないんだよな。短い作業時間で交代しないといけない」
「言い換えれば、完全に想定外だったとも言えるよネ。前々からの想定した訓練と準備、これがなかったとも言えるわけ。但しこれは、結果論になっちゃうかも?」
「もともとこうなる想定ではなかった、と」
「多重の安全システム、って事で運用してたからネ。14メートルの津波だって、M9.0の地震だって、設計の想定外だって。まぁ、想定外の事が起きた場合の対処を考えておくべきだったんだろうけど、それを攻めるのは、ま、この事態が収束してからだよネ。現状の問題解決しないとどうにもならないし」
「そうだな、その辺の不備を叩くのはあとからでもできる。その辺の不備を今叩いても、現状、何も変わらないからな」
「……成功を祈ります」
「だな」
「因みに、現地はちょっと天候が悪いみたいだネ。吹雪いてるって聞いたけど」
「作業は難航しそうだな……」
「……ですね」
「お、福島第1のモニタリングのPDFあるな。東電から出してる、単位はマイクロシーベルト毎時だな」

http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110316c.pdf
「上がったり下がったりしてるネ」
「現時点(16時)でのPDF(13時10分まで)によれば、減少中か」
「……この状態だと、作業の中断と再開を繰り返したのでしょう」
「正門より現場のほうが、放射線がはるかに強いからな」
「最大で10850.0μSv/h……これは単位がマイクロシーベルト毎時、つまり、ミリに直すと10.85ミリ、約11ミリシーベルト毎時ね」
「俺も付け焼刃だし、詳しくは分からんけど、とりあえず一時間居ると約11ミリシーベルトの放射線を受けるって事だな。単純な比較にはならんが、CTスキャンが一回で6.9ミリシーベルトだから、一時間そこに居たとしても、CTスキャン一回分の被曝って事になる。と言っても、CTスキャンも物によっては数十ミリシーベルト被曝するらしいが」
「確かに比較するにはアレだネ、毎時だから」
「実際には変動するから、一時間そこに居ても、その数値被曝するとは限らないわね。10分たっただけでも数値が違うし」
「とどのつまり、作業にはタイムリミットがあるって事だ。これだけ被曝するとやばいですよ、緊急時の被曝限度はここまでですよって量は、年間の蓄積量だし」
「まぁアッキーもあたしも完全に理解したわけじゃないけど、とにかく短い作業時間且つ交代交代で作業しないといけない、って事だネ」
「簡単な事じゃないよな、実際」

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