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「そっちの世界では、何かトレンドとかあるのかい? 軍用機設計の」 |
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「あるよ。戦闘機の場合は、基本的に低RCS・高機動性、だネ。低RCSってのは、イコール 純ステルス機じゃないから注意」 |
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「軍用機に於いては、RAM(電波吸収材料)の多用は当たり前なんだったね」 |
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「うん。で、この低RCSってのは基本的に、RAMで十分確保できるんだけど、レーダーシステムの高性能化は、これを呑み込むほど。だったんだけど、レーダー感度100%下でしかありえないので、実際はRAMで十分なのネ」 |
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「レーダー感度のお話は、雑談部屋第10回でやっているね」 |
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「大気圏内に於けるレーダー感度は、大抵は40%程度。レーダー感度100%下に於いて、イーグル25を230km程で捕捉できるゼロのMAFAL7でも、この感度下では92km程度の捕捉距離に落ちるよ。但し、A空域が40%、B空域が30%、C空域が60%……と、相手に至るまでに変動してるから、理論値(理想値?)どおりには行かないし、このレーダー感度100%下に於いてってのは、あくまで計算上はって事だけどネ。RAMの性能は機密だし、公表されてるデータはあてにならないし、ま、予測値だネ」 |
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「それで機動性も必要になると」 |
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「ま、現代でも疎かにはされてないけど、あたしらの世界では低RCSと同等の要素カナ。だから、高度な制御ソフトで、カナード翼とTVCを含めた姿勢制御装置を駆使し、最大限の機動性を発揮する機体が散見できるの」 |
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「そういう設定にした理由は言わずもがなか」 |
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「そりゃ勿論ネ」 |
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「ステルススキンとレーダー感度、そして高レーダー感度下に於いても、レーダーシステムなどによるアンチステルス技術。ステルス性という側面が、形状から材料に変わったという認識でいいのかな?」 |
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「うん、そう。まだ(電波相殺型)アクティヴステルスは実用化されてないけど、実用化された場合、形状ではなく材料とシステム、って事になるネ。現実世界の話になるけど、RAMは既に実用化されてる技術だし(外機みたいな性能はないけど)、アクティヴステルスも実際に研究が進んでる技術だから、将来的に、ステルス機が形状にこだわる理由がなくなる可能性は否定できないよ」 |
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「RAM技術の申し子が、お前か」 |
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「まぁネ。コスト的に見れば、形状+材料の機体(F-22FG)に比べて、ステルス性ではほぼ同等か若干劣り、イニシャルコストは安く、ランニングコストも安い。ステルス性維持のためのハードルが、Rゼロの方が低いのネ。
あ、ステルススキンに使われているRAM塗料は、定期的に剥がして塗り替えてるよ。これはRゼロもF-22FGも同じなんだけど、F-22FGの場合は、RAM塗膜の張替えに高い技術が必要で、要はステルス形状を損なわないように塗らなきゃいけないし、更にそのステルス形状を維持する為に、機体表面の定期的な研磨が必要だから、RAM塗膜の寿命が落ちちゃって大変だネ」 |
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「F-22FGは、Rゼロより古い設計なのか? 基本設計ではなくて、発展型として」 |
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「そ、RAMも技術的には一個前。だからRゼロのステルス性は、ほぼ同等か若干劣る程度なんだよ。まぁレーダー感度のせいで、戦闘機に於けるステルス機っていうのは冷遇されてて、開発が進んでいるのは偵察機、ってこと。特に維持費がすごーっくかかるからネ」 |
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「RAM技術の申し子は、アメリカにも居るのかい?」 |
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「居るよ、戦略偵察機 SR-80 ブラックナイト。ターボジェットとラムジェットを組み合わせた、ターボラムジェットエンジンを備えた大型のダブルデルタ翼偵察機。実用上昇限度は29000m、最高速度マッハ4」 |
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「化け物だね」 |
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「そそ、流石はアメリカだネ。ほかにはRFX-10も、RAM技術の申し子だよ」 |
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「成る程ね」 |
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「現実の話するけど、個人的には、アクティヴステルスの実用化が楽しみだネ。これによって軍用機の形状はどう変わっていくのか、偵察機としてはワクワクしちゃうよ」 |
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「どんどんとSFの世界に近付いているからね」 |
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「んで機械の反乱が起こる、と」 |
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「これまたSF的だね」 |
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「ロックマンXみたいな」 |
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「……はい?」 |
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「うん、分かんないよネ。ん、ああ、MEGA MAN Xって言ったら分かる?」 |
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「ああ、MEGA MANか」 |
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「シグマウイルス」 |
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「来ると思ったよ」 |
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「名作だよ、名作。音楽も超カッコイイ! パワーアップパーツとか燃える!!」 |
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「ネ、いいよネ」 |
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「クリス、お前はほんとネタのニオイを嗅ぎつけてくるね」 |
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「私のネタセンサーは超高感度なのだぁー」 |
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