ACE COMBAT5 The unsung war〜謀略の破壊者・ラーズグリーズ〜




ACE COMBAT5 The unsung war〜謀略の破壊者・ラーズグリーズ〜
第6章 白い鳥〜パセット国際宇宙センター防衛戦〜

10/3 0930時 ハイエルラーク空軍基地F格納庫

「話のわかる司令官で良かったな・・・」
ウェインはサンド島まで新入りを引っ張って行けと言われ、結局承諾した。
そのときに出撃命令、ユークがパセット国際宇宙センターを襲撃したから防衛しろと言うことだ。
新入りは先にサンド島に向かわせ、ウィンド隊およびリュート機のみで防衛に向かう。
ヴァルカン隊には別任務が与えられ、先にCVケストレルに着艦し任務活動中だ。
「・・・そうだな、ウェイン。」
総司令部からの伝達をあっさりと破り、新入りを守ってくれたのだ。
一応、フェザー隊から空戦技術を教えてもらう予定になっている。
「話がわからないなら、総司令部の少佐を切り裂こうと思ったけど・・・」
「マリエル・・・物騒な話は抜きだ。」
彼女がリュート機のMC・・とウェインはようやくわかった。
こっちの覚醒はもう少し後らしい。タイフーンは好きだがそれ以外ではダメだろうか?
「で・・・ウェイン、貴様もシステム機じゃないのか?」
「ああ。」
「機体に名前でもつけとけ。少しは愛着がわく。」
相変わらず口が悪い・・・バートレット大尉とは別の意味で悪いが、何気にアドバイスしているのだ。
ハイエルラークでは教官機のF-15F/25をそろってF-16Cで打ち破り、何度も模擬空戦で戦ってきた相手だ。
ウェインはライバルと見ているが・・・同時に信頼もしている。
「・・・まぁいい。平和の鳥が戦争行きか。皮肉なものだ。」
「俺もそれは同感だ。ま・・・レーザーを撃つだけだけどな。あのエクスキャリバーを小型化させたものを使っている。」
レーザーといえばベルカ戦争で「エクスキャリバー」が使用されたのが始まりだ。
後期には小型戦略レーザー砲を搭載したADFX-01モルガン、そして今はレーザー発射を前提にしたステルス戦闘機ADF-01という機体がグランダー社で開発中らしい。
原型機自体はできている・・・ユージア紛争で試作機が使用されたのだから。
「・・・出撃だ。マリエル・・・行くぞ。」
「そのようね・・・」
マリエルがラファールに同化、リュートも機体に乗り込みタキシングを開始する。
すぐにウェインは梯子を駆け上がると、タイフーンの風防をとじて滑走路に向かう。
「名前、か・・・リズかな。俺の昔の僚機だ・・・」
リュートに言われたことをウェインは素直に実行しているようだ。
かつてのウィンド隊3番機だった彼女の名前・・・それしか思いつかない自分が恥ずかしくもあったが。


パセット国際宇宙センター 1130時

この宇宙センターは、確かベルカ戦争から引き継がれた7カ国連合、SUNの共同開発で実現したものだ。
オーシア、ユークはもとより中央ユージア、エルジアやオーレリアといった国家まで参加している。
アークバードも7カ国共同開発の宇宙ステーションであり、各部分を違う国が作っているらしい。
「あれがアークバード・・・」
高度30000以上にいる白い鳥、それをみてグリムが尋ねる。
ウスティオ製のレーザーを積み込み、反撃兵器として使うらしい・・・もっとも、ウスティオ以外にこの計画は知らされていないが。
この戦争について中央ユージア、エルジアは一切関与せずオーレリアも中立宣言を出し、サピンとウスティオは両国の仲介として何度も外交官が出入りしているらしい。
「なぁ、あれって人工衛星みたいな物だろ?なんだってあんなところを・・・」
「起動できる軌道船なんすよ。」
思わず、ウェインが笑ってしまっている・・ギャグになってしまったようだ。
「寒いな・・・ま、あれくらいならASM-135で狙えないか?目視で無理でも、MLS機なら・・・」
ASM-135・・・対衛星兵器として開発された超射程ミサイルであり、ベルカがオーシアのレールガン兵器SOLGを爆破するのにインディゴ隊が使用した。
現在ではオーシアが持っている。相手が軍事衛星を作った時のためらしい。
1発あたっただけでもアークバードには致命傷になりかねない・・・それにユークも地上発射の対衛星ミサイルをもっているらしいのだ。
「元が平和利用のものだ。それを兵器に転用するなら絶対に弱点が出る。違うか?」
リュートの意見ももっともだ。が・・・それは敵軍が言うべき台詞かもしれない。

「あれか・・・ふん、コモナ諸島の発射基地よりは小さいな。」
CVアドミラル・クズネツォフとアドミラル・ツァネフから艦上戦闘機が発進・・・
そのなかに第9航空団第14制空航空隊も入っている。
通称ラストーチカ隊。3機編成のMLS部隊だ。
『無駄に大きい。無駄遣いね。』
『削減した軍事費で作ったから無駄遣いではないですよ。大きいですけど・・・』
エルテアとルーヤが感想を言うが・・・隊長のベルナードは少し不満げだ。
「無駄に空挺部隊を死なせるような作戦だ・・・ったく、誰がこんなの立案したんだ?」
『仕方ないですね。ユーク上層部の考えることはわかりませんよ・・・』
ベルナードの乗機Su-37フランカーEのMC、ルーチェが諦めた表情で言う。
ユークの宇宙基地もあるので壊したくないのが上層部の本音だろう。
「・・・どっちにしても、俺達は黄色中隊の誇りを見せるだけですよ。隊長。」
2番機のセイルがそんな事言うが・・・このラストーチカ隊は何故か黄色中隊のメンバーだけで構成されている。
隊長のベルナードは大陸戦争開始時から4番機、2番機のセイルは後期に他部隊から引き抜かれてきた5番機で3番機のラーレイはメガリス防空戦で1番隊の3番機を任されていた。
機体のカラーは翼端および底面を黄色に塗装、それ以外を灰色の迷彩にした黄色中隊のカラーだ。
「見えてきた、オーシア軍機だ。」
「攻撃開始、行くぞ!」
3機は散開、敵機に攻撃を開始する。


「友軍はそこそこいるな・・・」
意外にも、第11航空団からの増援がいるため戦力は充実しているが・・・敵戦闘機もそれなりに多い。
Mig-29KやMig-21ランサー、Mig-23などが上空で戦っている。
「ウィンド隊、空挺戦車および輸送機を各個撃破!俺が空を叩く!」
「了解!」
滅多にウェインは行動を指示することは少ないが・・・今回は出したほうが良い。
宇宙ステーションが占領されたらこの任務は失敗だ。
An-26を護衛するようにしてMig-21ランサーが接近。輸送機を友軍に任せウェインは2機のMig-21ランサーを引き寄せる。
旋回性能をそのまま生かして急激に旋回、Mig-21ランサーの後を取りAM610を乱射。
敵機は主翼部分が吹き飛びそのまま地面に落ちていく。
「まだいるな・・・」
後につかれているが、何の問題もない。
機体を減速させつつロール、オーバーシュートした敵機にAIM-9を発射。
ミサイルを交わそうと敵機は旋回するが・・・逃げ切れずに爆発してしまう。
「こちらジルファルコン01、支援する。」
X-29Zの4機編隊、ジルファルコン隊が来た・・・これで少しは楽になる。
そんなことを感じた途端、リュートから通信が届いた。
「敵MLS部隊確認!ウェイン、支援してくれ!」
「ちっ・・・!了解!」
リュート機支援のためウェインは直ちに敵機の出現した空域へと向かう。
「敵機確認!黄色の機体が3機!」
「何だって!?」
「・・・ぼ、亡霊だ!黄色中隊の亡霊だ!うわあぁぁ!」
友軍のF/A-18Iが1機撃墜され、続けて何機もまとめてレーダーから消えていく。
相当な技量を持っていると見て間違いない。
「ジルファルコン01、敵MLS部隊を叩く。他は輸送部隊を叩け。」
「了解。」
MLS部隊にウェインとリュート、ジルファルコンの3機が当たる形になった。
まず・・・ウェインはSu-24を狙いミーティアAAMをセットする。
「シュトルヒ、後にタイフーンだ。俺がカバーする。」
「頼む・・・ちっ、振り切れない!」
可変翼を最大角度に開いているが、全然振り切ることができない。
が、ウェインの後にSu-37フランカーEが。コイツはかなりの難敵だ。
よく見るとウィングレットとか付いている。ただのフランカーEではなさそうだ。
「ちっ、貴様の相手は俺だ!」
Su-24をラファールが追撃、ウェインは後のSu-37を振り切ろうとしている。
「・・・黄色中隊!?本物の・・・」
あのカラーはまぎれもなく黄色中隊そのもの。それが後にいる。
しかも、ありえないほどの角度でTVCが折れ曲がり執拗に追撃を繰り返してくる。
「ちっ、振り切れない!」
「悪いな。オーシアのエースとは聞いていたが・・・これも運命だ。」
この距離でAA-11など振り切れない・・・距離2400、丁度いい距離だ。
ウェインでもここでAIM-9を発射すれば間違いなく撃墜できるだろう。
急旋回しても速度が落ちてガンキルされる・・・この距離で後に敵機は最悪のパターンだ。
『私の助けが必要?』
「・・・誰でもいい、この際助けて貰いたいな。」
カナードを最大角度にしてアフターバーナー点火、全速で振り切ろうとするがSu-37もしっかりとついてくる。
さすが黄色中隊。それに機体性能差も大きすぎる。
『わかったです・・・マスターとこれから呼ばせてもらうです。』
「何?」
その途端にHUD、および全てのディスプレイに文字が浮かび上がった。
[ML.System Standby...On-line...Personal Name...Liz]
同時に周囲の状況がはっきりと・・・見えるというより感じられる。
後方にSu-37、アーチャーAAMロックオン前。なら先に撃って脅かすだけだ。
「フォックス・ツー!」
一端AIM-132を前に発射、反転させてSu-37に向かわせる。
Su-37が追撃をやめて旋回、ウェインはそこに27mm機銃を発射・・・
敵機の水平尾翼に命中、少し不調にさせたようだ。
「ちぃ、覚醒させてしまったか!」
『・・・リボン以外には負けません!』
相手の動きがはっきりとわかる・・・これならやりやすい。
TVCが動いたのを見ると、すぐに減速しつつカナード、フラップ最大角度で旋回。
もう一度27mm機銃を浴びせようとしたが・・・後に敵機、Mig-21/93だ。
「隊長に手出しさせるかっ!!」
23mm機銃の射線から機体をかわし、急激に旋回。
最高速で旋回し敵機を捕捉、ガンレンジに入った。
「邪魔した罰だ。落ちて貰う!」
敵機の主翼付け根に発射、次々に火花を上げていく。
「ちっ、燃料漏れだ!」
「無理するな。帰還だ!」
戦力バランスが崩れてしまった以上、もう建て直しは難しい・・・
ラストーチカ隊は機首をめぐらせてCVアドミラル・クズネツォフに帰還する。
「・・・ところで、誰なんだ?リズとか言ったが・・・この機体そのものか?」
『物分りが良くて助かったです。』
どうやら・・・直感は当たったらしい。MLS機だという直感が。
が、ここで基地司令官から通信が届いた。
「敵爆撃機襲来。巡航ミサイルを発射してきた!全て撃ち落せ!」
「了解。」
空挺戦車は全滅した・・・まぁ、旧式の空挺戦車ならバズーカでも対抗できる。
それよりも問題はここから・・・敵は爆撃機を投入しマスドライバーそのものの破壊を狙っている。
「この調子だと巡航ミサイル発射の敵機がいるはずだ・・・数が多すぎる。」
「こちらジルファルコン01。巡航ミサイルの防御は俺達に任せてもらう。ウィンド隊およびブルーゲイルは発射してくる敵機を狙え。」
了解といい、ウィンド隊およびブルーゲイルは四方に分散する。

「見つけた・・・奴だ。」
Tu-95ベアH、こいつが巡航ミサイルの発射母機だ。
23mm機銃に狙われると厄介なので遠距離からMICAを発射。
敵機のエンジンを引き裂き、撃墜に成功する。
『・・・』
「辛そうな瞳で俺を睨むな・・・まったく。」
爆撃機は当然戦闘機よりも乗員が多く、負の残留思念もそれだけ大きい。
しっかりとリュートもマリエルもその声を聞いている。
「・・・どうにもできないんだ。これが戦争だ・・・」
『そうね・・・悪かったわ。邪魔して。』
同時にあちこちから残留思念が・・・おそらく、爆撃機を撃墜したのだろう。
まぁ、これで巡航ミサイルの脅威はなくなった。あとは対地攻撃機だけだ。
爆装したSu-25やMig-29Kなどが一斉にSSTOに襲い掛かっていくが・・・多勢に無勢だ。
友軍機もそれなりに残っているし、ジルファルコンとウィンド隊なら守りきれるだろう。
「巡航ミサイルが止まった・・・今だ、SSTOを射出しろ!」
「秒読みは!?」
「無しだ!全部チェックは終えている・・・もう発射するぞ!」
マスドライバーが射出、第1ポイントは何とか通過したようだ。
が・・・Su-25がジルファルコンの追撃を受けながらも爆弾を投下した。
「当たった!?」
『影響ないわ・・・いけそう。』
第2段階のロケットブースター点火、カタパルトからSSTOが離れた。
そのままSSTOは高速でアークバードまで向かっていく。
「SSTO発射成功だ!やったぞ!」
アークバードにレーザーが届いた・・・これで戦局は覆せる。
が・・・リュートは複雑な気分だ。アークバードを兵器にすること自体が・・・

2200時 サンド島近海
「こちらウィングアイ、オーシア海軍の所属です。貴艦の行き先および所属を報告願います!」
サンド島近海に出現した謎の輸送船団・・・E-2Cがタンカーに無線を入れているが応答がない。
「やむをえない、ヴァルカン隊交戦許可!」
対艦兵装での出撃・・・3機は一斉にタンカーへと向かう。
『嫌な予感がする・・・』
「ああ・・って、あれは何だ!?」
タンカー上部の天蓋が開き、そこから航空機が発進した。
敵機はS-47、ユーク空軍のVTOL戦闘機だ。
ヴィクセンは舌打ちすると、S-47に攻撃を仕掛ける。
「擬装とはしゃれにならないな!フォックス・ツー!」
AIM-9がS-47を捕捉、しっかりと追尾していく。
フレアーに騙されず目標に直撃、S-47は爆発してきりもみを起こしながら爆発した。
「撃墜だ!」
「まだたくさんいる!」
他の輸送船から2機ずつS-47が発進、襲い掛かってくる。
が、あのスペースだと4機くらいは搭載できそうだ。2機だけということは貨物も搭載しているに違いない。
目標が何かわからないが、とにかく撃沈しておくに越したことはない。
『マスター、こいつら何か目標があるみたい。搭載してるのは航空燃料と23mmバルカン銃弾、ミサイルとか・・・』
「何だってそんなものを・・・?」
極秘でどこかに届けたいため、輸送船にVTOLを搭載して万一に備えたのあろう。
が、その万一がヴァルカン・・・ことメビウス隊では不運だ。壊滅するしかないからだ。
「投下!」
ミラージュ2000Cが中型爆弾を投下、輸送船を1隻撃沈する。
同時に無数の残留思念が届いてきたが・・・大した量でもない。
VTOLを格納していた場所に落とした・・・残留思念を警戒してのことだろう。
「ちっ、撃沈したか!」
「ハープーン接近!ダメだ、やられるぞ!」
フィンのアクティブイーグルからハープーン対艦ミサイルが発射されまた1隻撃沈・・・残り2隻。
海上に敵はいない・・・なら、空を守るべきだ。
『M61A3起動。』
「よし、ガンキルだ。」
目の前のS-47に狙いを定め、バルカンを発射。
敵機の主翼とカナードをへし折って撃墜。着水する前に爆発した。
『まだ1機いる・・・方位060。』
「ったく・・・ステルスは本当に嫌な相手だ。」
軽快な機動でS-47は逃れようとするが、F-12Dは難なく後ろにつく。
メビウス隊3番機だからこそ・・・できる機動だ。
『ターゲットロックオン。』
「フォックス・ツー!」
AIM-9が発射、敵機は交わせずに爆発を引き起こす。
残留思念が聴こえてきたから・・・撃墜には成功したようだ。
同時に輸送艦2隻が沈められ・・・任務は完了した。
「全ての輸送船を撃沈。RTB。」
「了解・・・しかし、何故こんな海域を・・・?」
サンド島近辺を通過したが・・・付近に艦隊は見当たらない。
何のために輸送を繰り返しているのか・・・わからないがとにかく3機は着艦のためCVN-01ヒューバードに戻る。

もう少しシステム機が哨戒をしていれば、巨大な潜水艦を発見できたのかもしれない。
天翔る馬、「シンファクシ」を・・・

続く

あとがき
ラストの輸送船団はシンファクシへの物資輸送のため航行中、発見されて撃沈されました。
メビウス隊相手では新鋭機S-47でもかないません。
それで黄色中隊っぽい感じの敵エースも登場。リズも覚醒させて起きます。
あ、ついでですが黄色中隊のSu-37はSu-37jk仕様です。一応。
もう少しウィンド隊目立せたほうがいいかな・・・?
では。



 2006/11/12:あくてぃぶF-15さんから頂きました。
秋元 「黄色のSu-37=特別仕様って事で、Su-37jkなんですね。黄色らしくていいです(笑」
アリス 「……アークバードは結構硬かったですね」

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