ACE COMBAT5 The unsung war〜謀略の破壊者・ラーズグリーズ〜




ACE COMBAT5 The unsung war〜謀略の破壊者・ラーズグリーズ〜
第7章 天翔る神の馬〜サンド島防衛戦〜

10/4 サンド島空軍基地 0830時

「眠いです・・・」
「このBastardのブリーフィング、いつ終わるの?」
「・・・チョッパーが眠くなったと言うのもわかりますわ・・・」
リズとフェメナ、エイリは文句を言いながらブリーフィングを聞いている。
で・・・エイリの言っているダヴェンポートは寝ている上にウェインはクラウスと作戦を立て、カーシェはナガセに近づこうと話しかけて・・・誰も聞いていない。
「まず、諸君らはその前衛として、後顧を憂うことなく 敵上陸船団に可能な限りの打撃を与えよ。 本防衛戦は全力出動とする。 錬度を問わず、対艦攻撃可能な機は全機出撃せよ。」
「・・・待て、司令。」
ウェインは鋭い視線でオーソン大佐を睨みつける。
「ハイエルラークの新入りまで引っ張り出すと言う愚行をしでかそうとしているのではないですか?」
「そのとおりだ。今は人手が足りん。」
「・・・対艦攻撃どころか対地攻撃すら満足にできない新入りをどうしろと?逆にこっちが自由に動くのに邪魔です。早々に基地に退避させ、しかるべき訓練を受けた後で実戦に出すべきです。」
ドスの利いた低い声でウェインは司令に話しかけるが・・・
「これで経験が積める・・・違うか?対艦攻撃をやらせろとは誰も言っていない。」
「あんたって人は・・・」
「いいか、ここが占領されたら一巻の終わりなんだぞ!」
唇をかみ締めつつ・・・ウェインは部屋を出て行った。
「死んだら貴様の責任だぞ・・・ハイエルラーク基地に出す謝罪文の準備でもしとけ。」
クラウスも一瞬だけ鋭い視線で睨みつけそんなことを言ってから退室・・・それから全員が無言で退室した。
全機が一斉に離陸、サンド島防衛のため飛び立っていく。

サンド島近海 0834時
「新入りは後で戦線の監視だ。全機待機!」
新入りに与えられたのはF-5EやA-4L、F-4Eと言った旧式戦闘機・・・これで戦うなど自殺行為だ。
「・・・ウェイン、悪いが俺から言わせてくれ。新入りにも実戦って物を味合わせたらどうだ?」
突然、カーシェがそんなことを言い始めた。
「死なせるつもりなのか?」
「ヘリ相手なら死にようがないだろ?敵機を撃墜するのがどういうことか・・・知らせておく必要があると思う。違うか?」
敵の強襲揚陸艦イワン・ロゴフ級からMi-26やKa-50が次々に発進している。
コイツを迎撃させればいいというのがカーシェの意見だ。
「仕方ない・・・グリフィス1、聴こえるか?」
新入りメンバーの隊長格でありF-1に搭乗している腕利き・・・グリフィス1にウェインは無線を入れる。
「何かありましたか?」
「俺としては前線に出したくないが・・・どう思う?」
すると、グリフィス1から戻ってきたのは意外な答えだった。
「他の奴は実戦に参加したいとか言っているが・・・俺は隊長の意見に賛成です。機銃掃射だけで墜落しかねないですから・・・ですけど、何か目標でも出さないと命令を無視してでも向かいかねない雰囲気です。」
「わかった。敵のヘリおよびホバークラフトを要撃させたいがそれでいいか?」
「多分大丈夫でしょう。ただ、数が多すぎると俺でも対処できません。なるべく揚陸艦は早急に撃沈してください。」
強い決意にウェインはうなずくと、指示を出す。
「後方でホバークラフトおよびヘリの攻撃をおこなえ。終わったら揚陸艦撃沈を支援しろ。上空は俺達でカバーする。」
「了解。」

「私でもそうするな。」
デミトリは静かにうなずくと、操縦桿を握りしめる。
『マスター・・・』
「実戦経験を積ませ、なおかつ生き残らせるにはそれしかない。せめて敵戦闘機だけは私達で何とかしなければなるまい。」
洋上にイワン・ロゴフ級強襲揚陸艦が展開しホバークラフトやヘリを大量に出してきた。
まぁ・・・12機も新入りがいるのだから上手く行くとは思うが。
『それより、マスター・・・揚陸艦の上にS-47が。』
「あれは厄介だな。早々に撃沈しよう。」
搭載していたロケットランチャーで揚陸艦を狙い斉射。
無数のロケットが敵艦に命中、火災を起こしている。
「火災発生!VTOL機発進不可能!」
「揚陸を急がせろ!」
揚陸艦が火災を起こし、VTOLが発進不可能らしい。
艦橋にも命中し、操舵不能のようだ。
「次・・・行くぞ。」
強襲揚陸艦の艦橋めがけ27mmマウザー機銃を連射、次々にガラスを突き破り銃弾が艦橋を破壊する。
途端に艦橋で爆発が起こり、制御不能になってしまったようだ。
「艦橋がやられたぞ!戦闘不可能!」
「こちら海岸陣地!敵の攻撃熾烈!」
新入りの逃したホウカムにサンド島は苦戦しているようだ。
「わかっておる。サンド島基地司令ペロー大佐だ。なんとしても食い止めろ。 ここを護らなければ空の勇士たちに顔向けが立つか!」
「心を入れ替えたんでしょうか?」
何気なくグリムがつぶやくが、ダヴェンポートよりも早くフェメナが反応する。
『期待しないほうがいいわね。どうせ帰ってきたら元に戻るはずよ。』
「同感だ、フェメナ。この戦闘で死んでくれれば最高なんだけどな。」
何気にクラウスとフェメナは酷いこと言っているが、気はあっている。
あの調子ならがんばってくれそうだ・・・絆が強いほど力はさらに強くなる。
MLSはまだわからないが、そういうものだ・・・だから思いの強いベルンハルトやカプチェンコもまたMLSを扱いこなし、ベルカ空軍のエースになっていた。
『私とマスターはどうなんですか?』
「・・・最高の相棒だ。そうじゃないか?」
『でしたね・・・愚問でした。』
デミトリは機首を下げ、ロプーチャ級揚陸艦にロケットランチャーを発射する。
艦尾を集中砲火、敵の機関を損傷させ爆発させる。
「グリフィス1よりビーマー、ふらつきすぎだ!もう少し落ち着け!挙動が不安定だ!」
「り・・・了解!」
新入りパイロット・・・グリフィス1が周囲の新入りを的確に指示している。
いつか、彼も英雄の仲間入りするかもしれない・・・いつかはわからないが。
「対艦攻撃飛行隊は後顧を省みるな。我々はここで踏みとどまって勇戦する!」
『泣ける台詞ですわ。助けてさしあげませんけど。』
エイリがきついことを言っているが・・・カーシェやフェメナの内心も同じようなものだ。


「あらかた片付いたな・・・」
だいぶ敵艦艇も減り、残りはソブレヌンメイ級駆逐艦6隻だけだ。
新入りも接近し、ウェインが対艦攻撃に加わろうとした途端、サンダーヘッドから通信が来た。
「潜水艦ミサイル発射!」
「何!?」
間違いなくあのミサイルはシンファクシ・・・出すべき指示は1つだ。
「全機高度5000以上に退避!」
哨戒中のP-3CとRC-135Sも合流、一気に全機が高度5000まで上昇する。
シンファクシ・・・かつて中央ユージアが保有した戦略原子力潜水空母ドラゴネット級をイメージして作られたものだ。
艦上戦闘機40機を搭載可能な上にこの前ヴァルチャー、バザードを撃沈した散弾ミサイルを保有している。
「・・・どこか上位のリンクがオーバーライドしてきた。Asat照準データリンク・・・何のことだ?」
「こちらサイドワインダー。弾道ミサイル位置をAsatに送る。」
RC-135Sが散弾ミサイルの位置をAsatに送信、その途端にレーザーが高空から降り注ぎ弾道ミサイルが消滅した。
「空が光った!」
「・・・アークバードだな。」
『そうみたいです。宇宙空間からレーザー射出です。』
以前護衛したアークバードのレーザーユニット・・・かつてベルカ戦争で猛威を振るったエクスキャリバーと同等の能力があるとされている。
それがあるら心強いことはない。
「艦隊への攻撃を続行せよ!」
「了解!」
新入りたちが敵艦隊への攻撃を続行・・・その途端に対潜哨戒機から通信が入る。
「こちらブルーハウンド、水中発射音を複数感知!」
「サイドワインダーよりAsat、ミサイルを4つ確認した!奴らお得意の飽和攻撃って奴だ!」
キーロフの対艦ミサイル飽和攻撃は有名だが、それをシンファクシがやってきたわけだ。
敵の迎撃能力を超えた攻撃をする、飽和攻撃の基本中の基本だ。
エクスキャリバーは10秒くらいの照射はできたが、それも強力なジェネレーターがあってこそのこと。
アークバードはそんなジェネレーターが無い・・・装填時間が長く照射時間も短いのだ。
「全機高度5000だ!退避しろ!」
「グリフィス1より各機、早く上昇するんだ、急げ!」
ミサイルは海域の大半をカバーする範囲に落下・・・爆発しそうだ。
「5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・着弾!!」
途端に3方向で爆発が発生・・・逃げ遅れた新入りたちが次々に落ちていく。
『ダメだ、射出装置が・・・うわあぁっ!!』
『主翼が・・・落ちる!!』
相当な残留思念を感じ取っただろうが・・・それはウェインとリズも同じだ。
「・・・なんてものを使ってくれたんだ、ユークめ・・・」
『酷い兵器です・・・!』
「こちらサンド島!これ以上敵が増えたら対応できない!」
ソブレヌンメイ級駆逐艦は平然とミサイルを発射し上陸部隊を支援している。
ピンポイントで司令部や弾薬庫をYak-44Eの誘導で対艦ミサイルを使い撃破しているようだ。
「やむをえない、敵ミサイルの合間を縫ってでも対艦攻撃を続行せよ!」
『It is foolish!やむを得ないであの中に突っ込むなんて無理よ!』
「アークバードよりP-3Cブルーハウンドへ。ソノブイ・データへのリンク要請。」
必死にP-3Cがシンファクシの位置を割り出そうとしているようだ。
「磁気感知器に反応。ソノブイ・データ送信。」
「了解。発射!」
またレーザーが海面に直撃、海中に突き刺さったようだ。
「水中のシンファクシに損傷、浮上するぞ!」
シンファクシがその巨体を現し、対空火器を発射してきた。
伝説にのみ残る天翔る馬・・・それが牙をむく。
同時にS-47とSu-33を発進させ、対空戦闘を行うようだ。
「対空戦闘でもやるか・・・ウィンド隊は対艦攻撃開始!」
「了解。フェザー隊も対空攻撃を行う。」
この任務のためにウィンド隊はASM-2を4本も搭載している。
まだ手はつけていない。シンファクシ相手に全部使い切れば撃沈も可能だろう。
「さ・・・撃墜でもするか。」
正面にS-47、ヘッドオンでタイフーンはマウザー27mm機銃を乱射。
S-47はすれ違うと同時に爆発を起こして落ちていく。
『いやだ・・・死にたくな・・・』
敵を葬った時の声・・・無線じゃない、本当に感じたものだ。
気にしないで反転、ミーティアAAMをSu-33およびS-47にロックオン、発射。
ラムジェット推進のAAMを交わしきれず3機は合えなく撃墜されてしまう。
『痛い、痛い!』
『冗談だろ!?落ちるなんて・・・!!』
『死にたくない!助けてくれ!!』
タイフーンを反転、ウェインはSu-33を狙う。
「・・・きついか?リズ。」
『きつくないと言えば嘘です・・・』
「悪いな・・・苦しいとわかっていながら、やるしかないなんて。」
その言葉で・・リズの表情が少し和らいだような気がした。
『・・・マスターのためです。遠慮しないで落としていいです・・・死ぬところなんて見たくないですから。』
「わかった・・・遠慮なくやっていいのか?」
『構わないです。』
操縦席をぶち抜くことだけはしないでおく・・・ウェインははっきりと心に決めた。
AIM-132をロックオンし発射、S-47をもう1機撃墜しスコアに加えていく。
「まだ来るぞ!」
シンファクシがもう一度散弾ミサイルを発射・・・上空に向かう。
「着弾まで5秒。3、2、1・・・着弾!」
散弾ミサイルが爆発、だが今度は被害もない。
「まるで悪魔の伝説と符合するようなこの敵・・・そんなはずはない。そんなはずはない!」
どうしてもナガセは否定したいようだが・・・否定していいだろう。数秒後には海のそこだ。
「伝説の悪魔ってラーズグリーズか?奴は違う・・・俺達だろ。」
まともに使える対地兵器はAM610対戦車バルカンのみ。
が・・・これでも大丈夫だ。ウェインは急降下をかけながらバルカンを乱射する。
「機銃掃射!?くっ、威力が高いぞ!」
戦車の装甲ですら貫ける。なら潜水艦相手なら致命傷だろう。
思惑通り散弾ミサイル発射口が故障したようだ。
「散弾ミサイルが撃てない!」
「何・・・!?」
同時にASM-2が12本くらいまとめてシンファクシに直撃、あちこちから火を噴いている。
F-3Aはオーシア空軍でも屈指の対艦攻撃能力を持っているのだから、シンファクシと言えどもひとたまりもない。
「ダメだ、もうこの船は持たない!総員退艦!!」
艦中央部から浸水・・・シンファクシはその巨体を沈めていく。
同時に爆発・・・あれで何十人も吹き飛んだだろう。
「ブルーハウンドよりウィンド隊、フェザー隊へ。シンファクシの圧壊音をキャッチ。任務完了、RTB。」

サンド島空軍基地 0910時

「ん・・・?」
着陸してタキシング、格納庫に入った途端機首に光が集まり始めた。
そして・・・実体化したのはリズ。ウェインがイメージとしてだけ認識していた彼女だ。
「実体化できたです、マスター。」
「リズ・・・なるほどな。やはり実際に見たほうが綺麗だ。」
さらりとウェインは言うと、搭乗員待機室に向かっていく。
「マスター、どこに?」
「終わったら飲み物でも飲むのが習慣だ・・・リズ、何か飲むか?」
「ええ。紅茶でも・・・」

早速いい雰囲気の2人・・・それをみて、フェメナがミストに言う。
「あれくらい仲良くしたいものね。」
「毒舌を控えてはどうです?嫌われますよ?」
「It can't be helped.無理よ。」
あはは・・・とミストは笑うと、またフェメナに話しかける。
「ですけど、ベルカが何か裏に関わってると思いませんか?グリューンといいゴルトといい・・・それにレーザー兵器もエクスキャリバーを小型化したタイプ、グラーバクというアグレッサー部隊・・・」
「確かにそうね。ベルカだらけ・・・って、あなたも元ベルカ空軍よね?」
「も、もうあの国とはかかわりを絶ちました!あんな国・・・」
かつて、ミストはベルカが正しいと思っていたが・・・核爆発やホフヌングのことをきいて幻滅してしまったようだ。
もう関わりたくない、それが本音らしい。
「・・・まぁいいわ、信じてあげる。何が言いたいの?」
「国境なき世界って知ってますか?」
「少しだけ。アヴァロンダムに立てこもりV2でオーシアを消そうとしたテロ組織よね?」
一応、マスターの知識がMCに反映されるため・・・フェメナが知っていることもそれくらいだ。
4年前のベルカ戦争ドキュメンタリー番組が放映され、それで国境なき世界が語られたのだ。
「それと旧ラルド派・・・ベルカ戦争時の与党が手を組んでいたとしたらどうなります?そしてその党首が今のノースオーシア・グランダーIGの社長の椅子にいるとしたら・・・?」
「凄く危険な状況ね。」
「国境なき世界の実働部隊、ウィザード隊は今テストパイロットの名目でグランダー社に雇われています・・・それも全員。そして現ベルカ空軍元帥はカール・ブラウヴェルト中将。主戦派の1人・・・とどめにベルカ空軍から国境なき世界に向かったオヴニル、グラーバク両部隊は今ユークとオーシアに。」
「Stop is!それだとベルカが・・・」
「ええ、何か悪巧みしています。」
グラーバク隊といえば円卓制空戦でウィザード、ソーサラー両部隊をゴルト隊と共に壊滅させた部隊だ。
当時いたバートレット大尉もグラーバクに撃墜されてしまった・・・腕利きと見て間違いない。
「動かれては厄介です・・・もしかしたら裏であやつっているのかも・・・」
「大丈夫よ。ISAFの英雄も来ているし私達も居るわ。」
フェメナは、フィンのことに話を進める。
「大丈夫ですか?」
「あなたなら知っているはずよ、リボンつきの強さを。」
「リボンと何の関係が?」
ISAFから派遣されたエース、レイシス・・・通称リボンつき。
大陸戦争初期で戦死したがベルカ戦争を語る上では重要な人物だ。
「18歳でエースになるなんて、並大抵の直感では無理よ。」
「まさか・・・」
フェメナは軽く笑うと、直感を確信に変えて話し始める。
「リボンのエンブレムは兄から弟に引き継がれたのよ。レイシスから・・・フィンという弟に。」

続く

あとがき
シンファクシ撃沈。F-3A相手ではちょっと分が悪かったようです。
で、何気なくRC-135SとP-3Cを交えておきました。
グリフィス1は・・・まぁ、ご想像にお任せします。
で、ウェインの愛機をタイフーンにしたのは・・・欧州版AC5はレーベル機体がタイフーンのため。
そしてフィンはレイシスの弟と言うすさまじい事実が発覚。
では。次回は大統領専用機護衛で。



 2006/11/23:あくてぃぶF-15さんから頂きました。
秋元 「シンファクシ。トーネードのディスペンサー爆弾でや殺った気記憶があります。あれだと楽(笑」
アリス 「……マスターは一週目にルートを間違えて、フランカーを出せなかったという過去があります(ぼそっ」

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