ACE COMBAT5 The unsung war〜謀略の破壊者・ラーズグリーズ〜




ACE COMBAT5 The unsung war〜謀略の破壊者・ラーズグリーズ〜
第12章 無限に続く報復〜アピート国際空港制空戦/ソーンツァ地方戦略爆撃〜

2117時 アピート国際空港上空
「コイントスで任務を決めるとは・・・トホホだぜ。」
任務開始早々にダヴェンポートがぼやくが・・・ヴァルカン隊とコイントスで任務を決められたのだから気持ちも解る。
『仕方ないです。海上哨戒に出たヴァルカン隊は敵の航空戦艦と遭遇したんですし。』
「それもそうだ・・・空港に着いたぞ。全機散開。」
ウェインが指示を出すが・・・いくらステルス艦といってもここまであっさりとオーシア近海に出現するとは思わなかった。
よっぽど、この国家の防衛システムは穴だらけなのだろう。
「俺とアーチャーが制空任務だ。エッジとチョッパーは空港上空で敵機を要撃。行くぞ。」
「了解!」
タイフーンの後ろにアーチャー機が。AAM-4を6本にAAM-5が4本の制空装備だ。
こっちもAM610対戦車バルカン1基とミーティアAAM4本、AIM-132を6本搭載している。
『・・・下の輸送機、怪しいです。』
「そうか?」
ウェインが下を見ると、確かにオーシアでは見慣れない輸送機だ。
ユークから鹵獲でもしてきたのだろうか。オーシア軍のマーキングに塗りなおされている。
というより、民間空港になぜ・・・?
「隊長、敵機です!」
「っと・・・」
グリムに言われレーダーを確認。敵機はMig-23/98とSu-21だ。
「攻撃の手が萎縮してしまう!民間施設上空だとプレッシャーが・・・」
「無理するな。空港の手前で落としてやる!」
フルバーナーでMig-23/98に向かい、ヘッドオンでAM-610を乱射。
すれ違うと同時に敵機が爆発、反転してSu-21をロックオンする。
「フォックス・ツー!」
AIM-132がパイロンからはずれ射出、Su-21を補足して追尾する。
敵機、フレアーを射出するも振り切れずに爆発・・・四散してしまう。
『敵機破壊を確認です。ベイルアウトを確認。』
「そうか。次だ。」
「どういうことなんだ!?上空の戦闘機は一体何なんだ!?」
空港は大混乱に陥っている。まぁ・・・戦争で民間施設を狙うことなどないから仕方ないだろう。
が、敵機はすべて対空兵装・・・どういうことだろうか?
アーチャー機がその間にAAM-5で1機撃墜、残りは撤収していく。
「・・敵の増援だ!エッジ、チョッパー!警戒しろ!すぐ近くだ!」
「こちらエッジ、敵編隊は見当たりません。」
「何!?レーダーをよく見ろ!すぐ近くだ!」
レーダーには確かに大量の敵が投影されている、数は10機以上か。
『輸送機から敵意を感じるです!』
「何?ウィンド01より空港管制官!あの輸送機は何だ!?」
ウェインが無線に言うと、空港管制官が空軍に確認を取る。
「空港管制官よりR管区空軍司令官へ、輸送部隊を派遣したのか?」
「R管区空軍司令官だが、空軍が送ったのはウィンド隊だけだ。」
「何!?」
びっくりしている空港管制官だが・・・ウェインは機体を判別していた。
あれはAn-124、ユーク空軍の大型輸送機だ。
「ユーク軍の輸送機だ・・・ウィンド01よりR空軍管区、敵軍の兵力は強大!州軍に緊急要請願います!」
「何!?」
「輸送機で敵兵および戦車を輸送しています!至急戦闘ヘリと陸軍を!」
その途端、管制官から悲鳴のような声が聞こえてきた。
「て・・・敵空挺兵と戦車だ!あれはT-90だぞ!?」
「ちっ!どうやってここまで・・・!」
防空網の穴をすり抜けたのだろう。ウェイン達がC-5を逃がしたのと同じ要領で。
その途端にT-90が管制塔めがけ砲撃、ぶっ飛んでしまったようだ。
「・・・はめられたようですね、隊長。」
「ああ。思いっきりな。エッジとチョッパーは輸送機を吹き飛ばせ。俺が戦車をたたくからグリムは敵機の警戒を。」
了解と声が聞こえると同時に、ウェインは急降下・・・対戦車バルカンの照準をT-90に合わせる。
やっと本来の使い方が出来るというわけだ・・・狙いを定め軽くトリガーを引く。
重い銃声とともに敵戦車が炎上・・・やはり威力は高い。
「おい、民間機がやられてるぞ!?」
「なんだってんだ!こいつら・・・民間空港だってことをわかってるのか!?」
民間機までT-90が砲撃・・・破壊の限りを尽くしている。
州軍到着まで残り2分。それまでウェインが食い止めなければならない。
『酷いです・・・』
「ああ・・・けど、どっかの奴等が同じことしてしまったんだ。」
『その報復だとしても・・・です。』
「そうだな。よほど憎んでなければこんなことは出来ない・・・2ヶ月前までの友好国が、一瞬でここまでになってしまうんだからな。どうかしてるな・・・」
ターミナル内部に侵入しようとしている敵兵を発見、その前にミーティアを発射する。
ターミナルの扉にミサイルが直撃、崩れて通行不能にさせる。
「おいおい、何だ!?上の敵機はあのシンファクシを沈めたやつらか!?」
「悪魔の風だ・・・ラーズグリーズの凶風だ・・・」
すぐにミーティアを輸送機にロックオン、発射・・・目標は燃料タンクだ。
3本のミーティアは輸送機に直撃、爆発しているようだ。
「民間施設攻撃などやってられるか!これが誇り高きユーク空軍の姿ではない!」
敵Mig-29K2機編隊が離脱、それをMig-31が追撃しようとしている。
「貴様、裏切るのか!?撃墜してやる!」
「貴様こそ落ちろ・・・フォックス・ツー!」
AIM-132をロックオン、Mig-31に発射。
追撃しようとしていたMig-31は後ろからのミサイルに対応できず、爆発してしまう。
「・・・助かった。今あんたたちとやりあう気は起きない・・・見逃してくれないか?」
「ああ。好きにしろ。逃げる敵機まで俺は追撃しない。」
「感謝する・・・では!」
Mig-29Kの2機編隊は機首をめぐらせて撤退。敵地上部隊は州軍と戦闘を繰り広げている。
が、AH-64Dやエイブラムス戦車を有する州軍にユーク空挺部隊は押されているようだ。
「こちらOAL78便、他の空港に向かう。」
「こちらエア・エルジア398便。他の空港に着陸する・・・この空港はもうだめだ。」
上空を旋回中の民間機は次々に戦線を離れ、最寄の空港に着陸に向かう。
地上部隊、航空部隊ともに壊滅的ダメージを受けてユークは撤退・・・が、犠牲もかなり大きい。
退避中の民間機に戦車砲が直撃したせいで400人以上が犠牲になってしまったのだ。
「・・・任務完了だ。全機帰還せよ。」
残留思念をかなり食らって、ウェインはかなりつらい・・・いや、リズが一番つらいだろう。
くたびれた声でウェインが任務完了を告げる。
「こっちも陸上部隊、航空部隊の撃破を確認した。ウィンド隊に感謝するよ。」
「了解・・・リズ、大丈夫か?」
『つらかったです・・・』
はぁとため息をつくのがウェインにもよくわかった・・・早く帰還したい一心でウェインは機首をめぐらせる。
空中給油を受けて、サンド島への帰還命令が出たのだ・・・



11/7 現地時間0800時 ユーク領内ソーンツァ地方

「・・・どうしてこんな任務なんだよ!まったく!」
フェザー隊の航空機には外付けパイロンが大量に付けられているが、マーベリックAGM8本がすえつけられている。
任務は「ソーンツァ地方の兵器工場を爆撃しろ」とのこと。ただしレーダー網に守られているため見つからないように行けとのこと。
しかも厄介なことに、レーダー網は全部リンクしていて同時に破壊しなければ無理だと言うのだ。
クラウスとカーシェから「ステルス機で甚大なダメージを与えて、そこにケストレル航空隊を突っ込ませればいい」との提案が出たのだが却下されてしまう。
で、レーダー網をぶっ壊して突っ込むと言う方法が取られたのだ。
『It can't be helped.市街地攻撃を命令されるよりはましよ。』
「レーダーなんか気にしないで突っ込めばいいだろ!ステルスなんだからよ!」
『あらあら、野蛮ですわねぇ・・・』
「あー!!うるさい!とっとと終わらせて帰るぞ!」
神経を使う任務はクラウスが苦手とするものだ。
エイリにまで言われて、さらにイラついているようだ。
「おいおい、大丈夫かよ・・・?」
「・・・あれでエースか。」
ヒューバード航空隊からリュートのラファールが、ケストレル航空隊からスノーのF-14Dが加わり、4機で向かう。
『・・・厄介な物ね、切り裂いてあげるわ。』
『でも、かったるいですわ・・・』
エイリとマリエルもかなり不満げな様子。そこにウィングアイが通信を入れる。
「作戦開始時刻0800時まであと4秒・・・時計、合わせてください。」
「了解。」
「全機散開、攻撃開始です。」
4機編隊は散開、攻撃ポジションに向かう。
超音速巡航でレーダーサイトを目指す・・・ステルス性が高いから追い抜いても大丈夫だろう。
『Let me ask you a question.破壊するタイミングを合わせるはずよね?』
『・・・そのとおり。もう少し待って。』
マリエルが答えると、スノー大尉から通信が来る。
「攻撃可能範囲に到達した。30秒で破壊する。」
「・・・わかりました。カウント開始します。」
ウィングアイがカウント開始。1秒ごとにカウントが減っていく。
これはかなり難しい・・・発射タイミングを合わせないとまず同時には破壊できない。
±2秒ほどの誤差は許されるらしい。ならば3秒あたりでマーベリック発射・・・
『マスター、あと10秒ですわ。距離3400。』
「了解・・っと。」
カーシェは操縦桿を握り締め、スイッチに手を伸ばす。
残り5秒・・・4・・・
「リッター、スラッシュ2!」
オーシア空軍でAGM発射を示すコードネーム、スラッシュを叫びカーシェはミサイル発射。
AGMはうまく敵レーダーに直撃。多少のタイムラグで同時に破壊された。
「レーダーの同時破壊に成功です。次の目標、距離10400。」
「フルバーナーで向かわないとやばそうだな・・・」
超音速巡航では間に合わない。バーナーをふかしてF-22Aはレーダーに向かう。
これほど神経を使う任務など、クラウスが嫌になるのも解るような気がする。
『お疲れですわね、マスター。』
「・・・わかるだろ?神経使うのは俺も苦手だ。エイリ、任せていいか?」
『ダメですわ。マスターの任務ですから。』
「あー・・・」
「10秒前です。」
AGM-65をロックオン、発射・・・レーダーを破壊。
こんな任務が出たら、次は絶対に他の部隊に任せようとカーシェは決めた。
「次が最後だ。しくじるなよ。」
「了解。」
「20秒前です。攻撃準備。」
AGM-65をロックオン。これで大丈夫だ。
距離3450。マーベリックをロックオン。
「残り10秒。8・・・7・・・」
距離が遠めなので早めに発射、その途端にスノー大尉から通信が。
「攻撃中止してくれ!レーダーが故障した!」
「2秒早く言え!もう撃ってしまったぞ!」
「攻撃続行です!最後のレーダー網くらい強行突破します!」
相変わらずぶっ飛んでいるが・・・まぁ、ここは攻撃続行が無難だ。
ワイルドウィーゼルの4機を先頭にケストレル航空隊、ヒューバード航空隊のF/A-18E、F-2Aが攻撃を開始する。
「敵戦闘機?演習じゃないのか?」
「いや、もう上空にいるぞ!敵だ!」
「遅いな。」
空中退避しようとしたIl-76輸送機めがけカーシェはAIM-120Cを発射。
Il-76を空中で撃破、残骸が滑走路を封鎖してしまう。
「おい、滑走路に輸送機の残骸だ!離陸できないぞ!」
『全部やられてしまえですわ!ロックオン!』
「フォックス・スリー!」
別の滑走路から離陸しようとしたAn-72にAIM-120Cを発射・・・もう1機撃破する。
輸送機から次々にトラックが脱出、荷物を避難させようとしているが輸送機の爆発に巻き込まれてしまう。
「エンジン組立工場が爆撃を受けている!」
「工作機械をすえつけなおさなくては・・・」
「そんなレベルの被害じゃねぇよ!早く逃げるぞ!」
あまりのマーベリックAGMを工場に叩き込み、炎上させていく。
ケストレル航空隊が次々に工場や防空火器を吹き飛ばしていくのが見える。
「かなり大規模だな・・・」
『極秘に作られた工場ですわね。上層部の報告よりも敵機が多いはずですわ。』
エイリの言うとおり・・・ここで大量のツングースカだのSA-21に戦闘機などを製造していたようだ。
「・・・しかし、戦略爆撃などやりたくない任務だ。何のためにB-1とかB-52があるんだ?」
民間人も死んでいるが、空襲警報が発令したためさほど多くないのが救いだ。

「・・・来たか!」
待ちわびていたように、リュートは敵編隊に機首をめぐらせる。
敵機はMig-29とMig-23/98。これくらいなら落とせる。
「さ、俺も行くか・・・ランツェ、エンゲージ。」
「ブルーゲイル、エンゲージ!」
F-23Aが散開、リュートはまず真正面のMig-23/98を狙う。
ヘッドオンでマジックAAMをロックオン・・・距離3420。
「フォックス・ツー!」
マジックAAMが白煙を残して敵機に衝突、爆発を引き起こす。
次の目標はMig-29ファルクラム、このあたりになってくると敵もそれなりの機体をそろえている。
「ちっ、後ろだ!ランツェ、後ろに敵機!」
「・・・わかっている。まー、あせるなっての!」
F-23Aがラダーベータを調整、こちらに機首を向けてきた。
ラファール・マリエルの後ろにもMig-29、ヘッドオンでやれと言うことか。
「ぶつかって死なないように祈るんだな。マジック、ロックオン。」
『距離2450、ヘッドオン。』
「・・・行くぞ!しっかりかわせ!」
パイロンからマジックAAMが2本離れると同時にF-23Aのウェポン・ベイが開きAIM-9を発射。
かなりの至近距離ですれ違い、ミサイルがF-23Aを追撃するMig-23/98に直撃する。
「落とされた!メイデイメイデイメイデイ!」
「ちっ・・・!」
後ろにいたファルクラムもあっさりと落とされ、何とか助かったようだ。
『お見事・・・』
『Fantastic!さすがね。』
なかなか楽しませてもらった。そう無線を入れるとリュートは地上施設に機銃掃射をする。
あらかた壊滅しているが、念のためラインは完全に破壊しておく必要がある。

しばらく爆撃を続けると、工場は大爆発を起こしている・・・燃料やガスに引火したのだろう。
敵の空軍はラファールとグレイゴーストで始末してくれた。犠牲者はない。
「これ以上の攻撃はいらないでしょう・・・全機帰還です。」
工場は壊滅的ダメージを負った。これ以上無駄に爆撃をする必要もない。
機首を翻し、4機は先に帰還する。
「・・・終わりだ。早く寝たい気分だ。」
『そうですわ・・・』
神経を使う任務の後で、カーシェはかなり眠いようだ。
しかもエイリは大量の残留思念を受けた・・・つらそうだ。
「任務完了、RTB。」
犠牲がないだけまだいいとしよう・・とカーシェは言い聞かせ、サンド島に帰還する。


ウラゾフグラード基地 1400時
「あいつら、無駄に元気そう・・・」
クーナが見ているのはチェカとリェース、そしてジェラ・・・あの様子だと、ジェラの奪い合いでもしているのだろうか。
ヘッドフォンで音楽聴きながらため息をつく・・・ずっと前、ベルカにいたときはもっと騒がしかった。
が・・・今ではこれだけ。何かさびしい気もする。
「お姉ちゃんはボクがー!!」
「ぜーったいにわたさないんだから!」
「・・・ああいう騒がしさが懐かしいかも。」
ふぅとクーナが一息つくと、そこに誰か来る・・・ルカとエルテアだ。
新鋭機と旧式機の組み合わせ。少し妙だが当の2人は気にしていないようだ。
そこにセイルとカプチェンコが入ってきて、話に花を咲かせる・・・ああいうのもまたいいのか。
「エルテア、か。意外とかわいいな。」
「おいおい、カプチェンコ・・・」
「いや、こういうのもまた好きだ。一番はルカだが。」
そんな冗談を飛ばしながらカプチェンコが廊下を歩いていく。
「ありがと・・・べ、別に何でもないのよ。そういうこと言ったからお礼を言っただけ。」
「ありがたく受け取っておくか。行くぞ、ルカ。」
「はぁい。じゃね、エルテア。」
あの懐かしい時代に思いをはせながら、クーナは音楽を1人で聴き続ける。
ベルカは今、何しているだろうかと思いつつ。
「何聞いてるの?クーナ・・・」
「チェカ!?あ・・・あれ?ジェラはどこに?リェースは?」
「DACTだって。」
ああ、とうなずくとクーナはヘッドフォンを取る。
「私に振られても何にも出すものないんだけど。はぁ・・・」
物思いにふけりたいときに・・・やれやれと思いながらもクーナはチェカに付き合うことにした。
内心は嬉しい・・・あの時散った仲間達を思い出すから。

続く

あとがき
この任務(フェザーSideの4機)はもうやりたくない任務1位に入ります。
いや、何度もミスしまくって、最後は空対艦ミサイルでレーダーをぶっ飛ばしていたんです・・・
最後でミスして強行突破。これは本当にやりたいパターンです。
それはとにかく、次回はストーンヘンジの悪夢再び・・・という感じです。
では。



 2006/12/26:あくてぃぶF-15さんから頂きました。
秋元 「この任務は、タイミングがずれてもある程度は許容されました。私の場合、カウントがゼロになる前にかなりギリギリまで低速で接近して、カウントゼロと同時にぶっ放してましたが」
アリス 「……使用機体不明」

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