ACE COMBAT5 The unsung war〜謀略の破壊者・ラーズグリーズ〜




ACE COMBAT5 The unsung war〜謀略の破壊者・ラーズグリーズ〜
第13章 神に逆らいし者〜ドゥーガ地方弾薬庫襲撃〜

11/7 サンド島空軍基地 1100時

「早速出撃か・・・」
なかなか休めないなとウェインは思いながらも支度をしていく。
任務は「ドゥーガ地方の弾薬庫を完膚なきまでに破壊せよ」とのこと。
だが・・・強固な防空システムが配置されているため普通の航空隊での突破は不可能。そのためウィンド隊が引き抜かれたと言うことだ。
敵は携帯SAMランチャーで攻撃してくる上に、UAVとSR-71の偵察結果によると「広範囲殲滅兵器」というものが設置されている。
詳細不明。だがそれによりUAVが2機やられたというのだ。
「それに警戒して撃破しろって、冗談じゃないです。いつも私達が迷惑かかるです。」
「仕方ないだろ・・・やるしかないんだ。」
ウェインの言葉が、彼自身に対しても行っているのがリズによくわかった。
サンド島には4個飛行隊が配備され、この部隊も同行するようだ。
B-2部隊のブラックレイヴン隊も本土から合流。彼らを護衛することも必要だろう。


セレス海上空 1130時

「空中給油ポイントか・・・」
B-2部隊などの補給の為、2機のKC-10と空中給油装置搭載のE/A-18G4機が随伴している。
ここで一応ウィンド隊以下の護衛部隊も補給を受け、任務に参加する。
タイフーンにAGM-88を4本とミーティア4本、AIM-132を4本搭載しF-3AにはAGM-88を6本とAAM-5を4本搭載している。
対地攻撃にこれだけあれば十分と言うことだろうか。
「こちらレイヴン01、空中給油に入る。」
B-2がKC-10から空中給油を受け手いるところに、サンダーヘッドから通信が入る。
「敵編隊接近中!護衛部隊はB-2を守れ!」
「何でいっつもばれるんだよ!?こんちくしょう!」
ダヴェンポートがうなるのも無理はない・・・ウェインはすぐに指示を出す。
「全機特殊兵装使用許可、攻撃開始!」
敵機はSu-27フランカーB。気を抜くと落とされる・・・それも6機編隊だ。
同行しているクーガー隊、クラウド隊も敵機の襲撃に気づき攻撃を開始する。
ともに新鋭ステルス機F-25Aを使用する航空隊。腕前はそこそこだ。
『前方に敵機です。AIM-132ロックオン。』
「もうすこし・・・よし、フォックス・ツー!」
HUD表示の真ん中に納めてミサイルを発射。TVCが傾き敵機をしっかりとロックオンしている。
狙いを誤らずにSu-27に直撃、撃破したようだ。
『ナイスキルです!マスター。』
「・・・増援が来てるぞ。灰色のSu-43だ。」
Su-47のステルス性を高めた機体で、前進翼から後退翼に変更して量産性を高めている。愛称はベルクトD。
「オーシア軍機に告ぐ。こちらユーク第57制空航空隊。直ちに投降せよ。さもなくば撃墜も辞さん。」
「オヴニル!?敵のエース部隊だ・・・」
無論、ここで撤退する理由などない。
むしろこいつらを突破して、先への道を切り開かなければならないのだ。
「もとベルカンエースのオヴニルか・・・やってやる!」
『マスター、憎悪を感じるです!』
「EFLでも使ってるんだろうな・・・ウィンド隊は敵エースをたたくぞ!」
護衛のクラウド隊、クーガー隊はSu-27と交戦。こっちはかなりの難敵だ。
とりあえず後ろを取り、上昇・・・敵機も上昇していくが減速していく。
「いい的だな。フォックス・ツー!」
AIM-132を発射、だが敵機はフレアーをばら撒くと急激に失速させてこちらに向き直る。
途端にGSh-30-1を発射、こっちもマウザー27mmを撃ちながら上昇する。
「ベルカンエースか!くっ、ユークの奴らと軌道が違う!」
ダメージ無しですれ違うと同時に、すぐに操縦桿を引き絞る。
カナード、フラップ最大角度。急激にEFタイフーンが旋回しSu-43の後ろを取る。
アフターバーナー最大、ロックオンをかけようとするがなかなかかけさせてもらえない。
『相対速度-140。距離1400。』
「マウザーでしとめる!覚悟してもらうぞ・・・!」
その途端に敵機のエアブレーキが開く。機体が急激に接近。
反応しきれずウェインはそのまま前に出るが・・・途端に右翼から強い衝撃が来た。
計器が異常を示している・・・何が?
『右の電子戦ポッドが吹き飛んだです!Su-43の尾翼に命中したです・・・!』
「敵機の損害は?」
『垂直尾翼をへし折られて撤収です。こっちは戦闘続行・・・できます。』
「なら、行くか!」
どうせ電子戦なんて高度なことはサンダーヘッドに任せておけばいい。
ポッド1基くらい失っても何とかなる・・・ウェインは次の敵機を狙う。
「貴様等がオーシアのエースか!15年前の報いを受けろ!」
並みの機動で勝てる相手でもない。リミッターを解除しもう1機を狙う。
『15年前の怨念に取り付かれるなんて、救えないです!』
「ふん・・・貴様等の狂気を見せてみろ!」
ミーティアとハームがデッド・ウェイトだが捨てるわけにも行かない・・・補給は出来ないのだ。
AIM-132とマウザー27mmだけが頼り。その27mmだって後の作戦で使う可能性が高い。
必然的にアスラームだけで戦う危険な状況。仕方ないが・・・無駄撃ちはさけたい。
「覚悟しろ!」
後ろにSu-43、これはやっかいだが何とか凌がないといけない。
「・・・前方のSu-43の動きと同調する!」
『了解です!』
敵もロックオンをはずす機動なら、それを真似ればいい。
急激に降下しつつ右旋回、ウェインもそれに続く。
「オヴニル4、貴様の動きにぴったりと張り付いているぞ!」
「何!?オーシアのパイロットにそんな芸当が!?」
明らかにオーシアを軽蔑したような口調。だが15年前オーシア軍は「やられ役」でしかなかったのだ。
いまだにウスティオやサピンでもその風潮が強い・・・そんなことは十分知っている。
「甘いな。フォックス・ツー!」
「何!?」
敵機がAA-11を発射、フレアーを射出しすぐに追撃を終了する。
HUDに連動してロックオンでもさせたのだろう。Su-43は電子機器もなかなか優れているといううわさだ。
「エッジ、フォックス・ツー!」
その途端にAAM-5が後ろのSu-43に直撃、爆発を引き起こす。
やはり、2番機はこういうときに頼りになると言うわけだ。
「ナイスキル、エッジ!」
先ほどあきらめたSu-43はグリム機の後ろに。ウェインはそれを狙う。
「俺の仲間を狙うなんて、あんたも運がないな・・・フォックス・ツー!」
AIM-132を発射。うまくSu-43に喰らいつくがフレアーで交わされてしまう。
機首をめぐらせてこちらに向かってくる・・・ヘッドオンだ。
『マウザー27mmセット。』
「よし・・・」
HUD表示の距離がコマ送りで詰まっていく。
距離1500・・・最大射程でマウザー27mmを乱射。敵の機首を吹き飛ばしたようだ。
パイロットはベイルアウト。となりではSu-27編隊もあらかた壊滅した。
「ユーク軍機、撤退を開始!」
「この借りはいずれ返すぞ、ウィンド隊!」
オヴニル隊は撤退。何とか助かったようだ。
が・・・こっちも空戦でかなり燃料を消費している。
「こちらサンダーヘッド。空中給油を行い作戦を続行せよ。」
「了解。」
まだ終わってはいない。この作戦はこれかからが本番だ。

E/A-18Gのブロープをドロークが捕らえ、しっかりと給油を行う。無線も切っておく。
「さーて・・・と。空中給油中も暇だな。」
『ですね。』
オーシアでもフライングブームとプロープ&ドロークが併用。空軍がフライングブームを使っている
F-15F/25は空軍、海軍併用のためプロープ&ドローグ方式。F-3Aフェアウィンドも空軍、海軍で併用されているので同じ方式だ。
となりでF-25Aがフライングブームから燃料を受け取っている。あれは空軍機だから仕方ないが。
『疲れるです。ここまで出撃が多いと・・・』
「だよな・・・」
EFタイフーンもかなり疲労がたまっている・・・特にエンジン部分がまずいらしい。
あれだけフルバーナーでぶっ飛ばしていれば限界も来るだろう。
「・・・エンジンをオーバーホールするようにデミトリに言っておくか。」
『そうですね。』
「うわさじゃ、オーシアもEFタイフーンの改良計画があるみたいだからな。」
オーシアではとにかく数合わせのためにエルジアからタイフーンを輸入しているほどだ。
国防予算が削減され、とにかく安くてもタイフーンとかフェアウィンドを輸入して足りない新鋭機を補っている。
まぁ、その戦闘機を改良するという計画ならどこにでもあるだろう。
「・・・あの大尉もここにいないんだよな。」
『嫌いです。私は。機体を消耗品としか見ない人はいやです。』
「だよな・・・」
なんとなくバートレット大尉のことを思い浮かべたが、リズにとってかなり不快なようだ。
機体を消耗品と見る人が嫌いという。
「俺はそんな風に思っていない。相棒だと思ってるし、大事なものだと思っている。ハリアーを他の部隊にまわすとき、すこしだけ抵抗感があったんだ。いまだから言えるが。」
『私はどうです?』
「・・・失ってはならない人だろうな。ナガセは俺のことをどう思ってるか解らないが・・・俺はリズが・・・」
すこしだけ言葉に詰まる。そのときB-2からいきなり思念波通信が。
『・・・給油、1分前に終わりました・・・早くしてくれと言ってます。』
『あ、はい!すみませんです・・・』
すばやくEFタイフーンは離脱、E/A-18Gも空母に戻っていく。
ウェインは無線を付けると、レイヴン01に通信を入れる。
「ところで・・・レイヴン01、あんたの機体はあれか?」
「ああ。MLS機だ。名前はセラフィナ。無口だがかわいい奴だ。」
やはりなんとしても守る必要がある・・・ウェインはそんなことを思いながら作戦空域に向かう。
マウザー機銃も思ったより多い。これなら作戦遂行もできそうだ。


現地時間1145時 ドゥーガ地方弾薬庫

「冗談じゃねぇよー・・・なんでロックンロールに似合わねぇ風景なんだよ。」
「報復で市街地攻撃を命令されなかっただけまだましですよ、中尉。」
グリムの言うとおり・・・それだけでもまだいいだろう。
「こちらサンダーヘッド、私語を慎め。」
「こいつだけはどこに行ってもいるのか・・・」
ウェインはため息をつきたくなるような思いだ。
『昨日はいたですよ?』
リズの言うとおりだ・・・まぁ、ここで功績でもあげなければ査問委員会に逆戻りだろう。
それだけは避けたい・・・リズのためにも。
『マスター、密林から敵意を感じるです。』
「敵意・・ミサイルか!全機ブレイク!」
密林を利用して兵士を潜ませ、携帯SAMで狙い撃ちする・・・ユージア大陸戦争でイスタス要塞攻防戦に使われた戦法だ。
まぁ、携帯SAMなど命中率が悪い。フレアー無しでも回避できるだろう。
その途端にミサイルが後ろを掠めて飛び去っていく。
「こちらサンダーヘッド!ミサイル発射機をレーダーに映せない!」
「非力な奴だぜ。まったく。」
ダヴェンポートがそんなことをいうが・・・ここはシステム機とナパーム爆弾の出番だろう。
B-2部隊が気化爆弾を投下、密林を焼き払うようだ。
まぁ、こっちは弾薬庫を狙えばいいが・・・
「こちらクラウドリーダー!敵の広範囲殲滅兵器だ!」
「何!?」
リズが脳内に移した画像は太いクローラーに巨大な砲身をすえつけた稼動する砲塔。多面体で構成された装甲板という異様な雰囲気の兵器だ。
砲身が四角い・・・レールガンか!?
「高度を下げろ!2000以下だ!B-2部隊は高高度に退避!」
「了解・・・何が!?」
「ストーンヘンジの小型バージョン・・・タイタンだ!」
その途端にクーガー隊4機が一瞬で吹き飛んでしまう。
「どうした!?」
「クーガー隊が巻き込まれた!」
この兵器の威力など疑う間もない・・・この目で見たのもあるが、ユージア大陸戦争のストーンヘンジを見ればすぐわかる。
無論、口径が1/4ほどなので作戦空域全体はカバーできないが恐ろしい兵器に代わりはない。
ユージア大陸戦争ではエルジアがこいつを使用されたが、ユークもどこからかこれを輸入したようだ。
護衛戦闘機が少ないのも、こいつを投入してきたからだ。
レーダーである程度の目標を捕捉すれば、その方角に叩き込めばいい。
「8秒間隔で撃ってくるぞ!」
「ヴァイパー7がやられた!」
「ブレイド7とクーガー5も落ちたぞ!」
動きが遅いからハームでたたけるかもしれない・・・が、地上から地対空SAMに狙い撃ちされている。
とりあえず、超低空から接近して8秒以内に離脱すれば勝機はある。
「チョッパー、ついて来い!」
「了解!」
F-3Aが後ろにつき、タイフーンは超低空で接近する。
高度102、トーネードも真っ青な超低空飛行だ。
「こちらレイヴン01、誘導爆弾をタイタンに叩き込め。」
「了解!」
B-2がウェポン・ベイを開き誘導爆弾を大量に投下するが、タイタン自体も強固な防空火器を備えている。
CIWSをぶち込まれ、RAMで狙い打たれて次々に空中で爆発する。
「今だ・・・ブレイズ、スラッシュ・スリー!」
「チョッパー、スラッシュ・スリー!」
AGM-88を低空で発射、スラッシュ・スリーは長距離対地ミサイルの発射コードだ。
4本のAGM-88がタイタンの側面を狙い、高速で向かっていく。
上空に防空火器を向けていたタイタンは、迎撃が遅れ3発迎撃しそこなってしまう。
2輌が砲身部などに直撃し爆発を起こし・・・使用不能に。
「まだ残ってる・・・エッジ、アーチャー!攻撃を!」
「了解。」
F-3A2機がロックオン、いっせいにAGM-88を4本発射。
距離7800での射撃、うまく防空火器をすり抜けてタイタンに直撃、爆発させる。
吹き飛んだ砲塔が隣のタイタンに突き刺さり、また沈黙させてしまう。
同時にB-2部隊が大型の気化爆弾を投下、熱に弱いレールガンの砲身が変形して動かなくなってしまう。
これで広範囲殲滅兵器はすべて沈黙した・・・なんとか。
「何!?タイタンがやられただと!?」
「攻撃するぞ・・・ハームをトンネルにぶち込め!」
真正面から撃たなくても、AGM-88ならトンネルを突き破って何とかできる。
「守りきれるか!上にラーズグリーズの凶風だ!」
「何!?」
「やばい!R-8が吹っ飛んだ!」
上空からB-2がトンネルめがけ気化爆弾を投下。ウィンド隊がAGM-88を発射。
残存航空部隊も爆弾などをトンネルにぶち込み、次々に爆発させていく。
「A方面爆発!弾薬に引火するぞ!」
その途端に爆発、連絡した兵士が断末魔の叫びを上げている。
壮絶な作戦・・・やはり、こういうのにMLSは不向きだろう。
『きついです・・・』
「仕方ない・・・これが戦争って奴だ。」
早く終わらせる必要がある・・・こんな戦争など。
その途端に山全体がくぼんでしまう・・・弾薬庫が爆発したのだろう。
「備蓄施設の破壊に成功。全機帰還せよ。」
「・・・おわった。任務完了。RTB。」
こんな大変な作戦は二度とやりたくない。ウェインはそんな心境だ。
「・・・ウェイン。もっと気合の入った声で言えよ。帰れるんだろ?今日も。」
「お前こそいつもの軽口はどうした?まったく・・・」

ユークの戦争継続能力は大幅にダウンした・・・これである程度オーシアは有利になるだろう。
北部方面の揚陸作戦も、近々実行に移されるようだ。

続く

あとがき

書くネタが少ないので、とにかくタイタンを入れたり空中給油中にオヴニルに襲撃させたりしました。
でもユークサイドが目立ってない・・・まぁ、次回あたりから書いていきます。
で、ゲストにセラフィナさんが登場。なんとなくです。
ちなみにタイタンはエルジア製の兵器という設定です。ストーンヘンジを接収した際にその技術を応用して作った設定で。
では。次回は北部方面揚陸作戦とリムファクシ攻撃の同時進行で。



 2007/01/19:あくてぃぶF-15さんから頂きました。
秋元 「タイタンは冷却に時間がかかるので、数台で群れて攻撃してきます。しかも奴は、自身を保全する為の防御兵器まで充実しているのです。うざったいったらあ(ry」
アリス 「……葬ったのはレオナだった気がしますが(ぼそっ」

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