ACE COMBAT5 The unsung war〜謀略の破壊者・ラーズグリーズ〜




ACE COMBAT5 The unsung war〜謀略の破壊者・ラーズグリーズ〜
第15章 ホワイトノイズ〜グルビナ地方救出戦〜

ユークトバニアグルビナ地方捕虜収容所 0500時

「よし、突入だ!」
CVケストレル所属の海兵隊、ガーディアン隊がCH-53から降りると収容所を襲撃する。
突然の不意打ちにユーク警備兵は動揺し、あっさりと捕虜になってしまう。
オーシアのパイロットを救い出すために、通信室を占拠しあちこちに兵士を送り鎮圧していく。
収容所に突入し、捕虜を収容しているスペースへと踏み込む。
「・・・敵だ!」
「手榴弾を貸せ!」
海兵隊の1人が手榴弾を投げ込み、すぐに角まで突っ走る。
その途端に爆発、敵の射撃もやんだようだ。
「進め!」
すばやく海兵隊が進撃、扉までたどり着くと扉をノックする。
「オーシア空軍のエースは?」
「ラーズグリーズの凶風。」
合言葉を確認すると、すぐに兵士がドアを蹴破って突入する。
すぐに他の兵士が必要最低限の武装をユークの武器庫から持ってくると、捕虜に手渡す。
「よし、あとはどこにいそうだ?わかるか?」
「食堂と官房は?」
「さっき手榴弾投げ込んでぶっ壊してきた。」
なるほどとうなずくと、もう1人のパイロットが思い出したかのように言う。
「よし、それなら下の工場だ。」
「工場!?捕虜の強制労働はノースポイント条約違反だぞ?」
「ユーク語の翻訳文が出回ってないのさ。」
なかなかのジョークを聞き、海兵隊もパイロットもメンバーも笑ってしまう。
「地下にある。こっちだ。」
「何作らせられてたんだ?」
「戦闘機の細かい部品だ。皮肉なもんだ。」
海兵隊をパイロットが手引きし・・・地下へと向かう。
なかなか大規模な施設で、ユークには他にもこんな施設が数多くあるという。
暖房は効いていない・・・非人道的な扱いを受けてきたのだろう。
「よし、捕まえてやる。2人一組で行動だ。散開!」
「了解!」
海兵隊はすぐに分散、ユークの警備兵を捕まえるために行動する。


サンド島空軍基地 0800時

「ユークトバニアの捕虜収容所が発見され、海兵隊が収容所を急襲し捕虜を確保した。海兵隊は収容所の無線室の占拠に成功。現在、捕虜回収用の ヘリ部隊が現場へ向かっている。収容所周辺の制空権の確保、救出ヘリの侵入と捕虜救出の 援護が今回の任務である。捕虜収容所の制空権を確保、その後防空火器を撃破せよ。」
「了解。」
オーソン司令は本土に1ヶ月くらい出張するとかで、今はハミルトンが基地司令官のようなものだ。
簡潔にブリーフィングを済ませると、それぞれの格納庫に向かう。
システム機と練習機がC格納庫、ウィンド隊のメンバーはB格納庫を使っている。
「隊長職から開放されるか?ウェイン。」
いつのまにか・・・デミトリ大尉がウェインの隣にいた。
「・・・俺は隊長をもう少しやりたい気分だ。あの大尉はもう少し他のメンバーを鍛えて欲しい。俺達じゃなくて・・もっと別の。もう、ウォードックはいないんだからな。」
「それもそうか。ウィンド隊だからな。」
「まぁ、俺は大尉の意思を尊重する。それだけだ。」
「・・・なるほど。」
デミトリはうなずくと、ミストとリズを見つめる。
「・・・敵と憎み会っていたオーシアとベルカ。そのMC達が話し合うとは・・・時代も変わったな。」
「そうかもしれないな。」
「けど、人の行動というのは変わることはない。バートレットはベルカ戦争の時に捕虜収容所を脱走した。おそらくは・・・だが、いないかもしれない。」
「いなくても構うかよ。俺はただ任務を遂行すればいい・・・」
愚問だったな。とデミトリはうなずくとウェインの肩を強く叩く。
「それでこそ、ラーズグリーズの凶風だ。」
武装はツングースカや対空機銃に備えAM610バルカンと制空装備のミーティア4本、AIM-132を8本という武装だ。
フェアウィンドにはマーベリックAGM8本とAAM-5を6本搭載。空中給油を行きと帰りで行う。
フェザー隊はよく見ていないが・・・大丈夫だろう。


1000時 グルビナ地方捕虜収容所上空
「レーダーが利かないか・・・」
あたり一体は猛吹雪。しかも雪にレーダーが反射して使えない。
システム機3機のみが頼りといった戦場だ。
「ガーディアンより回収部隊。大丈夫なんだろうな?道に迷ってるか?」
「こちら回収部隊。異常ない。そっちはどうだ?」
「通信室と出入り口は確保した。ただ、ユーク軍から身を隠している・・・兵力不足だ。」
ケストレル海兵隊のガーディアン隊の通信がここまで聞こえてきた・・・去年まではシーゴブリンだったが、今年で隊長が変わると同時に名前をガーディアンへと変更したらしい。機体はCH-53シードラゴン。
まぁ、部隊の名前が気に入るかどうかは隊長次第だ。ウェインもウィンド隊の方が好きだからそうしたのだろうが。
「こちらガーディアンリーダー。ウィンド01聞こえるか?」
「・・・コールサインを覚えてくれてたのか?」
「ああ。ラーズグリーズの凶風といえば有名だからな。こっちは南国仕事がメインかと思って入隊したらこの有様だ。」
「ウィンド01よりガーディアンリーダー。そのイメージはまったく違う。海兵隊は寒いところにいるのが普通だ。」
ウェインにとってはそんな感じ。寒い場所で影の仕事ばかりやるようなイメージらしい。
『・・・ここに、前の隊長がいるですか?』
「多分な。ベルカ戦争のエースと聞く。」
何気なくクラウスが返答するが・・・知りたいと思っているのだろう。
「・・・なぁ、ナガセ。あのこと気にしてるのかよ?」
「別に・・・」
チョッパーとエッジでいろいろ話し合っているが、そろそろ作戦空域だ。
『そろそろ作戦空域ですわ。警戒を。』
「あ、ああ。」
エイリに言われてカーシェも臨戦態勢を整える。
「システム機が先行して哨戒網をつぶす。ウィンド隊はガーディアン隊の護衛を。」
「了解。」
この吹雪でこそシステム機は戦力を最大限に発揮できる。
ECM状況下やレーダーに映らない目標の破壊には最適だ・・・このような状況でも。
『It is the show time!行くわよ、マスター!』
「・・・そうだな、行くぞ!」
3機がそれぞれの方向にブレイク。作戦を開始する。
石頭空中管制官がいないので、今までのをすべて晴らすようにしゃべっている。
「まともな場所に収容所作ってくれねぇかな?もうちょいよ。」
「南国に作るべきだ。」
ガーディアンリーダーとダヴェンポートの話にフェメナまで入ってくる。
『南国だと灼熱地獄よ。オーシアの査問委員会に設置すればどうなの?』
『それが一番捕虜に負担をかけるです。』
リズがさりげなく突っ込んだ途端、ウェインが敵機を見つける。
機体はMig-29ファルクラムの2機編隊だ。
『ミーティアAAMセット、ロックオン。』
「フォックス・スリー!」
パイロンからミーティアAAMがはずれ、高速で2機編隊に接近する。
爆発・・・敵のパイロットはベイルアウトする。
「おいおい、定時連絡の時間だぞ?なんでまだ・・・」
「どーせ忘れてるんだろうよ。あいつだからな。」
そんなのんきな会話をしているSu-27の2機編隊をロックオン、ミーティアを発射。
多少の罪悪感もあるが・・・そんなことを意に介さずミーティアはSu-27に直撃、爆発する。
ここまでくると・・・ユーク主力空軍が相手。新鋭機もなかなかそろっている。
「あと何機いるんだった?確か・・・」
『8機です。』
「距離4500にMig-33の4機編隊。AIM-132でしとめる。」
これだけ寒いと、熱感知のAIM-132はかなり強い。
確実に熱源を捕捉してくれるだろう。
『ロックオンです。』
「よし・・・フォックス・ツー!」
まとめて4本発射。それぞれがMig-29を改造したMig-33を捕捉し向かっていく。
1機が何とか回避に成功・・・が、3機は気づかずに撃墜されてしまう。
「どこからの攻撃だ!?」
「タイフーン・・・ラーズグリーズの凶風か!?」
気づいたときにはもうガンレンジまで持ち込んでいる。
距離1450で射撃、敵の垂直尾翼と胴体に風穴を開けて撃墜する。
『撃墜を確認です。マスター。』
「・・・よし、次だ。」
「その必要はない、ウェイン。全機掃討した。」
さすがはシステム機ということか。もう12機すべてが掃討されたのだ。
クラウスからの通信を聞き、ウェインは指示を出す。
「収容所周辺の防空火器を制圧する。続け!」
「了解!」
ウィンド隊の僚機にはAGM-65を8本ずつ搭載させているし、タイフーンにもAM610対戦車バルカンがある。
掃討にさほど時間はかからないだろう。ウェインはまず対空機銃からつぶしにかかる。

「俺達は暇をもてあますってわけか・・・」
何気なくカーシェがそんなことを言うが、たしかにそうするしかない。
F-22AとF-23Aは制空装備のみ。地上に機銃掃射するにも戦闘機だからやりにくい。
『そうしている暇もありませんわ。方位070にヘリ集団ですわ。』
「ヘリか・・・寒い中ご苦労なことだ。」
とりあえず方位070に向かい、敵を捕捉する。
風防がないヘリ・・・人の意識が感じられない。
Ka-51ホウカム。Ka-50の後継機としてユークが開発した無人戦闘ヘリだ。
「ヘリまで無人機か。そのうち人が必要なくなるんじゃないか?」
『必要ですわ、マスター。』
「・・・そうだったな。行くか!」
いくら無人機とは言え所詮戦闘ヘリ。機動力など知れている。
使い余したAIM-120C6発をロックオンする・・・敵機は12機。
『AIM-120C、ロックオン完了。』
「フォックス・スリー!」
ウェポン・ベイから6本のAIM-120Cが発射。同時にF-23Aも残りのAIM-120Cを発射する。
チャフにだまされず12本はうまくすべてのヘリを撃墜。無人化した理由はパイロット温存だろうか?
「防空火器の制圧を完了した。」
「よし、救出に向かう!」
CH-53Eが突撃を開始。7.62mmバルカンでガンシップ3機が地上掃射し残りの4機で乗員を救助しに向かう。
そしてF-3Aが低空で収容所に向かうが・・・地上掃射でもない。地上の確認のようだ。

「ガーディアン、バートレット大尉はいますか?バートレット大尉の確認を。」
ナガセがガーディアンリーダーにたずねる・・・やはり気にしているのだろう。
「俺が入れたのにはいないが・・・2番機、3番機は?」
「違うな・・・こっちにはいない。捕虜も知らないと言っている。」
やはりいないのだろう。あれほどの大尉だ、捕虜収容所にいて知らないということはない。
「そんなはずは・・・もう一度確認を!」
その途端、いきなりナガセのF-3Aが爆発した!
「何!?」
『SAMランチャーを確認したです。距離1200。』
そんな至近距離なら、逃れようもない・・・しかもさらに近く、低速飛行中のF-3Aならなおさらだ。
すぐにウェインは機体を降下、対戦車バルカンでSAMランチャーをぶち抜く。
木に隠れてレーダーでは捕捉できなかったのだろう。
「エッジ、応答しろ!大丈夫か!?」
「・・・私は大丈夫。落ちたのはし・・・機体だけ。」
消耗品と言おうとしたが、ウェインのことを思い返して言い直したのだろう。
「こちらガンシップ2号機。救助する。」
「頼むぞ。」
CH-53Eが山に接近。だが低空過ぎる。あれでは墜落・・・
「やばい、ローターが折れた!」
「ダメだ!墜落・・・」
その途端に絶叫が聞こえ、無線が途絶えてしまう。
ガンシップまでもが墜落してしまったのだ。
「こちら3号機、救助に・・・」
「よせ!この吹雪ではお前達も同じ運命だ。ここは撤退しろ!」
「ですが・・・!」
「この吹雪は明日には止む。明日、捜索隊を編成して救助に向かう!それまで待て!」
ガーディアンリーダーの言うとおり、これでは救助も不可能だ。
ならば、明日まで待ったほうがいい・・・それしか方法がない。
「ナガセをここに置き去りにしろというのか!?ちくしょう!」
「仕方ない・・・こっちだって燃料も少ないんだ。どうしようもない。明日、探してやることしか俺達には・・・」
ダヴェンポートをなだめるようにウェインも言う・・・本当はすぐにでも探しに向かいたい気分だ。
が、この悪天候でどうしろというのだろうか・・・どうしようもない。
「・・・任務終了。RTB。」
「ああ・・・」


1200時 サンド島空軍基地

「・・・どうしたんだ?」
デミトリ大尉が見たのは5機の部隊・・・F-3Aが1機いない。
ナガセ中尉が撃墜されたようだ・・・
「うそ・・・ですよね?彼女が・・・」
ミストの言うとおり、一番落ち着き払っていたのが彼女だ。
真っ先に撃墜されるなど、誰も思わなかったのだろう。
「・・・とにかく、聞いてきます。」
「言葉には気をつけたほうがいい。僚機を失ったことを気にしているはずだ。」
ジュネットはうなずくと、すぐに滑走路に向かう。
5機の戦闘機が、翼を並べてエプロンに待機している・・・すぐに出撃するということだ。
まず降りてきた尾はカーシェとエイリ・・・落ち込んだ様子で搭乗員待機室に向かう。
ダヴェンポートも悪態を吐きながら向かう・・ジュネットは一番落ち着いているクラウスに話を聞くことに決めた。
「何があったんですか?」
「・・・レーダーに移らなかったSAMの奇襲を受けてウィンド隊の2番機が落ちた。墜落地点の天候が回復したらすぐに出撃する・・・だから待機しているわけだ。多分・・・大丈夫だとは思うが。」
ふぅとクラウスはため息をつく。
「・・・でも、1人でしょう?」
「ガンシップも救出に向かったが、墜落・・・不幸中の幸いで全員が生きている。まぁ、ガンシップには武器もあるし食料もある・・・それにガーディアン隊は海兵隊の精鋭だ。生き残っているに決まっている。」
口調は普通だが、どこか瞳が悲しげなのをジュネットは見逃さなかった。
これ以上聞くのはよくない・・・ジュネットはそう思いインタビューを終える。

「・・・あいつ、これを・・・」
何気なく、ウェインは置かれていた本を手に取る。
「姫君の蒼い鳩」・・・確か円卓の鬼神マール・レヴァンスの別名はウスティオの青い鳥。ここからきたといううわさもある。
敗れてしまったページを、少しずつ思い出そうとしてメモに書いている・・・
「あ、リズさんとウェインさん・・・これを帰ってきたら渡してくれますか?」
そこにミストがきて・・・小包を持ってきた。
何か本が入っているようなサイズだ。
「・・・ナガセ中尉に?」
「大尉ですよ。今日、昇格したことが発表される予定だったんです。リムファクシ撃沈の功績で・・・」
「で、この小包の中は?」
「その本、ちょっと取り寄せたんです。本土からネットで。よくナガセ大尉は言ってましたから。「あんなに大好きだった本なのに、ぼんやりと思い出せないことばかり。あの頃からずいぶん遠くに来てしまった気がする」って・・・吹っ切れさせてあげようかと思ったんです。」
なるほど、それでこの本を・・・ウェインとリズは納得する。
ミストなりに、何かしたいと思ったのだろう。
「・・・救出してください。出来ることなら私も協力したいのですけど・・・」
「わかった・・・デミトリ大尉と司令官に、救出作戦への同行を要請してみる。」
これはウェインとしては是非やっておかなければならないことだ。
2番機のポジションに誰かいたほうがいい。指揮も救出も格段にやりやすくなる。
「ありがとうございます。では・・・」
ミストが退室すると・・・リズがウェインに話しかける。
「助けに行くですか?明日・・・」
「隊長として当然の責務だ。先に感知して撃破すれば・・・そう思うとな。」
システム機だからこそ・・・ウェインは悔しかった。
もう少し速く自分が注意していれば、ナガセも撃墜されなかったしガンシップの乗員にも迷惑はかけなかったと。
「・・・責任、感じてるですね。」
「ああ・・・」
・・・だが、速く吹雪が止んで搭乗員が生還すればそれでいい。
「パイロットが生還すれば大勝利」って奴だ・・・すくなくとも、楽観的に見るしかない。

続く

あとがき
機体は消耗品といってしまうと何かウェインとリズが怒りそうなので、言わせません。
というより私も「機体とパイロット生還で大勝利」って感じです。
エースコンバットでも撃墜された時点で終わりですし。
ヘリは海兵隊が使っているCH-53Eに変更。細かいところまでこだわります。
Ka-51なる無人ヘリも登場。では。



 2007/03/07あくてぃぶF-15さんから頂きました。
秋元 「あの収容所、ひょっとしたらイメージはシベ──うわきさなまにするやめっあqwせdrftgyふじこlp;@:「」なんじゃないかと最近思ってます」
アリス 「……今日の任務は木の本数を数える事だ」

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