ACE COMBAT5 The unsung war〜謀略の破壊者・ラーズグリーズ〜




ACE COMBAT5 The unsung war〜謀略の破壊者・ラーズグリーズ〜
第24章 蒼いリボンと白い鳥

12/19 0800時 オクチャブルスク基地
「・・・暇だ。」
「暇ね。」
「暇ですね・・・」
滑走路で暇そうにベルナードとエルテア、ルーヤがくつろいでいる。ユークトバニアは反攻体制を整え一気に逆電撃戦を敢行、バストーク半島までオーシア軍を押し返していた。
電撃戦に呼び出され、連日の出撃が続いていたところだがようやく暇な内地の基地に回され、休養を取っているところでもある。
「でも、大抵暇というのはそう思い始めたときに消えてしまうものといいますが。」
ルーヤが空を見上げながら、飛んでいくSu-36を見つめる。今日もバストーク半島で小競り合いが続いているらしい。
ラストーチカ隊が出るのは大規模な会戦程度。今のちまちました攻撃なら陸上部隊と海軍程度で十分ではある。
「この状況がひっくり返るとは思えないわね。」
「確かに。」
エルテアも暇をもてあましているような口調だが、ベルナードは嫌な予感を拭い去れなかった。黄色の4や13が撃墜される前に感じた感覚と似たようなものだ。
「ベルナード、どうしたの?浮かない顔ね。」
「・・・さてな。何か嫌な予感がする。」
「嫌な予感?」
杞憂だろうとエルテアは言いたかったが、ふと直感的に何かを感じてしまう。彼のいっていた嫌な予感、だろうか。
そしてその報告は現実のものとなる。ルーチェが大慌てで走ってきて滑走路に座っている3名のところに来て息を切らせる。
「ルーチェさん、何が?」
「た、大変です!何かオーシアが核攻撃をやるから止めろって、基地司令がスクランブルを・・・目標はここです!」
「え!?」
さすがに突然のことに3人は驚いてしまう。ルーチェもいまだに信じられないような表情をしているがエルテアはやはりあたったとも思ってしまう。
「何で核攻撃を仕掛けるつもりだ、連中は・・・」
「そ、それがアークバードだと!軌道修正した後大気圏外から核ミサイルを撃ち込むらしいです!行く途中にアークバードの基本構造などをデータリンクで送るから覚えろと言ってました!」
何とも無茶苦茶だが、それほど時間が無いのだろう。すぐに格納庫に向かい、彼らはスクランブルの準備を整える。
情報源がどこからか、全く彼らは気にする余裕は無かった。今は急を要する事態、下手をすればこの基地だけではなく、周辺住民も巻き込まれるからだ。


0945時 ISAF空母「スフィルナ」ブリーフィングルーム
「先ほど、我が艦が無線を傍受した。ベルカの暗号コードで解読に手間取ったが何とか解読に成功した。詳細はこれだ。」
プロジェクターを動かし、飛行長が暗号の内容を示す。唐突な召集にメビウス隊の面々は困惑する様子も無く状況を聞いている。
「AsatによるN攻撃、目標O。解析した結果オクチャブルスク市と判明した。だがケストレル、ヒューバードはこの攻撃に参加することが出来ない。アークバードは軌道修正を行うのが1010時、他の空母は遠くに展開しているため不可能だ。」
「だから・・・僕達だけで?」
「その通りだ。攻撃可能時刻は短いが、その間にエンジンだけでも破壊できればいい。エンジンを破壊すればアークバードは大気圏に戻れず、高度を落とすため核攻撃は実質不可能になる。抵抗の意思があればアークバードを徹底的に破壊。その意思が無ければ強制着水させるのが今回の目標だ。」
「ハーリング大統領の許可は?」
「すでに大統領命令で許可が出た。それと、我が艦の独断でオクチャブルスクの基地に暗号を送っておいた。万一の際は彼らにミサイルを撃墜してもらう。以上。」
今回の判断は正しいかもしれない。フィンは納得すると格納庫へと向かっていく。
「核攻撃・・・どこまで主戦派は戦争拡大を望んでるの?あのアークバードを攻撃に使うなんて。」
「ちっ、やな任務だ。とっとと降伏してくれよな・・・?」
レンとミラがちょっと嫌そうな口調で話している。アークバード攻撃をためらう気持ちもわからなくは無い・・・元々平和のために作られた宇宙ステーションなのだから。
しかし、ユリシーズの欠片を砕くために設置されたパルスレーザーに以前シンファクシにぶっ放したレーザーもある。さらにパセット国際宇宙センターに連絡を取ると兵器らしいものを輸送した形跡があるということだ。
宇宙空間ですでにそれらの機材が組み立てられ、アークバードに設置されている可能性が高い。そうなればあの宇宙ステーションはもはや空中要塞そのものだ。
隕石の欠片に耐えうるように製作されている装甲はフレスベルクやオーシア側が製作した巨大爆撃機の比ではない。兵器として使うにも十分な設計がなされているのだ。
「やるしかないよ。けど・・・できることなら、着水させてもう一度・・・」
「甘い考えね。核まで撃つ連中が諦めると思えない。レナ、迷いは捨てて。」
うん、とレナがレンの言葉にうなずく。胸中は複雑なものだろうがやるしかない。無傷で着水させれば何とか復旧も出来なくないがそんなことをする連中とは思えない。
「・・・行くぞ。狂気に決着をつける。」
ヴィクセンが格納庫へと向かう。この作戦をラーズグリーズに任せたら胸中はかなり複雑だっただろう。自分達で引導を渡せるだけまだマシなのかもしれない。
フィンとルウも殆ど同じ事を思い、それぞれの機体に乗り込む。この作戦を失敗したら核攻撃が待ち受けている。オーシアとユークが核戦争で滅ぶのは勘弁願いたい話だ。

作戦空域 1006時
「作戦空域に到着。大丈夫か?」
『あぁ、大丈夫だ。しかしなぁ・・・平和の象徴で核攻撃できるってことは絶対最初から奇襲に使うつもりだったんだろ?オーシアの連中。』
ラーレイがそんなことをぼやく。昔空母に改造できる客船の建造に軍が手を貸していたというのがあるがあのアークバードも同じような経緯なのだろうとうなずく。
『それより、隊長。なんでそんな情報が上層部から届かなかったんですか?先ほどの命令は基地司令の独断だったようですが。』
「さてな・・・」
どうもISAFから送られてきた暗号を信じて出した命令だが、GRUの裏づけも取られているらしく信用するに値する情報ではあるが、何故ISAFがこんな情報を知らせたのだろう。
同盟国に対する背信行為を堂々とやってのけたとでも言うのだろうか。そんな疑問ばかりベルナードが考えているとあることに思いつく。
「リボン・・・」
『リボン?あのメビウス?』
「あぁ。今回のリボンは味方だ、打ち落とすな。」
『まさか、こんな空域に出てくるの?』
エルテアが疑問符を浮かべるがベルナードは絶対出てくると確信している。こんな大事な作戦、それもISAFの空母が知らせたとなればリボンが絶対に関わっている。
共に戦う空も悪くない。ベルナードは微笑すると操縦桿を握り締め真上に見える白い巨大な影、アークバードを見据える。

『せっかくベルカ攻撃作戦も軌道に乗ってきた時に、もう・・・!』
レンが忌々しげに目の前のアークバードを見て言う。おそらくアークバードの爆発は偽装でありその間に機材などを組み立て、兵器転用可能なレベルにまでしていたのだろう。
『レン、愚痴は後だ。今は止めることだけに集中するぞ。』
「ヴィクセンの言うとおりだ。攻撃目標、アークバード!軌道修正の隙を狙いエンジンおよびフラップを破壊する!」
リボンつきの3機がアークバードに接近する。少なくともこの姿をみて諦める人が出てきて欲しいというのが願いでもあった。
『り、リボン!?おい、早く脱出ポッドを出せ!』
『怖気づいたのか、貴様!?』
『あいつら相手にこんなもん白い棺桶以外の何でもない、俺は逃げるぞ!』
無線からそんな声が聞こえてくる。ISAF空軍の英雄であり、かつて手痛いダメージを受けたリボン相手にベルカは動揺しているらしく、脱出ポッドがいくつか発射される。
『ふん、軟弱者が・・・』
『おい、そっちに技術者が逃げ込まなかったか!?』
『見てないがどうした?』
『奴がフラップに細工を・・・ま、まずいぞ!うわー!!』
そんな叫び声が聴こえてくると同時にアークバードがいきなり機首を落とす。それも爆撃するんじゃないかというほど急角度だ。
多分脱出の混乱にまぎれてポッドにもぐりこんで脱出したのだろう。するとルウが急激に接近し、マジックAAMをアークバードに発射する。
『おい、やっぱり本物のリボンが後ろから来てるぞ!ラーズグリーズより数段厄介な連中だ!』
『嘘だろ!?ISAFの連中、一体どこから沸いて出てきた!?』
『連中は本物だ・・・無人機を飛ばせ!連中の相手ではないが、時間稼ぎにはなる!』
アークバード後部に設置されたハッチが開くといきなり無人機が射出される。それを見てルウがふざけんなと声を張り上げる。
『何だってFX-11が出てくんだよ!あんなもんどこに格納してた!?』
『おいちょっと待て・・・何機格納してやがんだ、あいつ!』
ブルーレイン搭載型4機、非搭載型8機のFX-11が射出される。あんなものをいつの間に格納していたというのだろうか。
いくらなんでも数が多すぎる。こんな暴挙を許せないと思いながらもフィンは指示を出す。
「アークバードの攻撃はヴィクセンに任せる!僕達は無人機を・・・」
『その戦闘、混ぜてもらう。無人機は任せろ。』
聞き覚えのある声にフィンがすぐに反応する。何度も聞いても忘れられない低いドスの聞いた声だ。
『まさか、ベルナード!?』
『さすがにライバルを放っておくほど無神経にはなれませんよ。アークバード撃墜、協力します。』
ルーチェが応答すると、部下の機体も随伴してくる。あの時戦った黄色中隊カラーのSu-24とMig-21だ。
『核攻撃なんて許せませんからね、撃墜します。』
『覚悟しておくことね、ベルカの方達。』
Mig-21とSu-24が勇敢にもFX-11に格闘戦をを挑み、ベルナードはすぐに通信をフィンに入れる。
『無人機は任せろ。撃墜したらすぐに加勢する。それとアークバードの情報はある程度知っている。解らないことがあったら聞け。』
「ありがとう、ベルナード・・・」
『核攻撃を許せないだけだ。お前とはいずれ敵として出会うだろう。』
Su-37もFX-11に格闘戦を挑み少しでも時間稼ぎをする気だ。フィンはすぐに命令を出す。
「目標はアークバード!黄色中隊と共同で撃墜する!」
『解っている。行くぞ。』
F-12Dが接近し、無人機の射出口へとAAM-4を発射する。もう無人機は出てくる様子は無かったがとりあえず打ち込んでおき、これ以上の増援をふさいでおく。
『UAV射出口、作動しません!』
『これだけ出せれば十分だ。よし、レーザーを撃て。それと同時にブースターを噴射し上昇しろ!軌道修正は終わりだ!』
まずい、とヴィクセンが思った瞬間に反応しすぐにアークバードより高度を高く取る。それと同時にレーザーが発射され、FX-11を1機巻き込みながらメビウス隊を追い払う。
その隙にブースターに点火、アークバードは高度を取り上昇しようとする。
『・・・連中は龍に挑むリボンつきの小鳥でしかない。振り切ればこっちの勝ちだ!』
『逃すかよ!ミラ、MICAを全弾叩き込んでやる!』
『あぁ、ロックオン!』
かなりの速度でアークバードが遠ざかっていくがその前に中距離ミサイルであるMICAがミラージュ2000-5から発射、エンジン部分へと吸い込まれるようにして直撃する。
爆発したエンジンから炎が吹き出るが、自動消火装置でも作動したのかそのまま火が消える。
『やったか!?』
『アドラーよりシャンツェ、エンジンがやられた!』
『さすがはリボンつきだ。第二計画へ移行しろ。』
『解った。第二エンジン稼動、向きを変えろ!』
フラップを何とか操作し、アークバードが機首を大きくめぐらせ南西へと向きを変える、目標はオーシアの何処かの都市だろう。
どっちにせよアークバードがまだ危険であることに変わりは無い。高度は落ちていたが上面部の兵器が一斉に稼動する。
「機銃とミサイルが・・・それにレーザーまで!?」
『まずいよ、あれ!』
狙いがかなり正確な上に弾幕も激しい。フィンが一旦アークバードから離れAAM-4をロックオンする。
『ああまでして戦火を拡張させたいなんて、レナ。信じられる?』
『ベルカの人たちは、オーシアがにくいことは知ってるけど・・・これは許せない。』
領土を取られ、理不尽に経済で首を絞められ、その末のベルカ戦争で叩きのめされてベルカの人たちが怒りを感じているのはレナにも解っている。
だが、核攻撃・・・それも民間施設に打ち込むことまで許すつもりは無い。
『AAM-4、ロックオン。』
FX-11は黄色中隊の前に数を減らしている。フィンはロックオンを確認するとそのままミサイルを発射する。
「フォックス・スリー!」
『援護するぞ!』
F-12DからもAAM-4がまとめて発射。12本全てがアークバードへと吸い込まれていく。パルスレーザーや機銃が何発かを撃墜するがレーザー砲に直撃。エンジンやミサイル発射機も爆発させる。
底面のレーザー砲が使えなくなるがパルスレーザーは猛烈な勢いで弾幕を形成する。あれでは近づくことは難しい。
「あのレーザーが・・・!」
『まずい、エンジンもやられた!』
アークバードは最後のエンジンに点火し、かろうじて飛んでいる。水平飛行を保ち、高度を落としながらもまだやるつもりだ。
『哀れね、あの姿。』
『平和の象徴だったのに、どうして・・・』
エルテアの言葉にレナが悲しげに答える。平和の象徴が無残な姿をさらしている。無論ベルカの責任だ。
が、まだ内部の人たちは諦める様子は無い。エンジンに点火した後とんでもないことを言い始める。
『まだ最後の兵器がある。弾数は10発もあったな。』
『ですが、それは対地用ショックカノンです!下に居る敵に効果があっても、真上には・・・!』
『用はショックカノンをむければいいんだろう!こうしてやる!』
『な、何をするんです!うわ、わーっ!!』
アークバードのフラップが変な方向に曲がると、いきなり横転し始め底面を真上に向けた状態にする。そしてレーザー発射機近くにあった円形の物体が光り始める。
「何やってるんだろう、あの人たち・・・」
『フィン、そんなことより降下して!黄色中隊も急いで!アークバードが何か仕掛けてくる!』
『な、何!?』
あわててセイルがMig-21を降下、ラーレイとベルナードも機体を降下させるがそれと同時にアークバード底面部の砲が発射、広範囲を衝撃波が襲い掛かる。
FX-11が巻き込まれて一瞬で爆発してしまう・・・あんな兵器までアークバードに取り付けていたなんて誰も知る由が無かった。
『危ねぇな、あれ・・・!』
『何なのあの兵器!ベルカはあんなものまで!?』
「とにかく・・・壊そう!」
もう、壊すしか手段は無い。幸いにもFX-11は破壊され全ての火力を叩き込める。一斉にメビウス隊と黄色中隊が上昇しショックカノンに狙いを定める。
『最後にこんな姿で逝くなんて、哀れだな。アークバードもベルカも・・・!』
「終わらせるよ・・・!!」
AAM-5とAA-11がほぼ同時に発射。白煙を引きショックカノンへと向かい爆発を起こしていく。その爆発でアークバードが機首を落とし、海へと向かっていく。
試作品らしく、脆かったのが幸いした。ようやく落ちていくアークバードからベルカの恨み言が聞こえてくる。
『リボンめ・・・黄色めが・・・!!』
アークバードは背面飛行のまま海面へと突っ込み、浅い場所に着水する。爆発などが無いところを見ると核は作動しなかったようだ。
「終わった・・・」
『化け物相手に良くやったな、フィン・・・さて、次は敵か味方か。』
『RTB、ですね。』
ルーヤがそういうとラストーチカ隊がそのままユーク領内へと戻っていく。フィンも操縦桿を握り、そのまま空母への帰路を取る。
この空域に居る意味は無い。事後処理はISAFの空中管制機かヘリで十分なのだから。

1145時 グランダー・インダストリーベルカ本社 社長室
「落ちたか。」
「あぁ。ご丁寧に浅い場所に墜落。復旧可能と出たよ。オーシアも引き上げて修理するつもりだろう。」
「さすがはリボン、か。」
ラルドが忌々しげに唇をかむ。このままでは円卓蜂起という手段を取るしかなくなってきた。ニカノール首相救出も時間の問題だろう。
そのためにも早急にケストレルを破壊する必要がある。ラーズグリーズ、リボンつき・・・彼らさえ合流しなければ勝機はまだあるし、試作機にも戦局を逆転するだけの要素がある。
「FX-12は?」
「配備完了。オーロラもある・・・やるつもりか?」
「この世界を解き放つためにはな。ノースオーシアと五大湖周辺領を解放するためには抵抗した時の恐怖感を植えつけておく必要がある。交渉がダメならやむを得まい。」
自分たちのもつ力を見せなければ、ベルカをもう一度再建することは出来ない。ラルドは冷徹に盟友であるブラウヴェルトに要請をだす。
「この本社に連合軍が来るな。そのときは・・・」
「解っています。円卓に司令部を移しあの時オーシアに居た幹部たち全員の殺害ですね?」
「そうだ。居なければハーリング大統領は軽く解放宣言を出す・・・そのためには適度にオーシアを痛めつけなければな。痛めつけなければ何も言わないし、やりすぎると恐怖心で遅れる。」
「・・・了解。では指示を出しておく。ユークは?」
「適切に処理せよ、といっておく。」
適切に処理。それは現地メンバーに任せるという命令も同然だった。ブラウヴェルトは命令を受け取るとそのまま階段を下りて行く。
最初からこれだけで済んだ気もするのだが、幹部や財界人などの暗殺をほぼ同時に決められた時間に実行するというほど難しいものは無い。
戦時中のどさくさにまぎれて監禁するしかないと考え、ブラウヴェルトは作戦計画を練り始める。まだ猶予はある。それをじっくり練って行動すればいい話だ。

ISAF空母スフィルナ 休憩室 同時刻
「・・・あー、疲れた。」
「本当。」
レナとレンが背中合わせに座っている。アークバードを落とした後故にやはりスッキリしないところがあるのは否めない。
平和の象徴を兵器が叩き潰す。ある意味暴挙にも等しい事が許されていいのかどうかという疑問もある。
「後味、スッキリしないね。」
「ベルカを叩き潰してすっきりさせればいいんじゃね?そこは。」
ミラがさりげなく自動販売機で清涼飲料水を買ってきて2人に渡す。インフィニティと英語で書かれていてF-15Irが缶に描かれているデザインだ。
元々清涼飲料水のブランドだがリボンもメビウスの輪・・・つまり無限を意味するためフィンやISAF空軍に頼んでデザインしてもらったものだ。
「ベルカね。でもつぶしたら15年前の問題がまた再燃しそうでそれもスッキリしないし。」
「しゃーねぇよ、レンもレナも。この戦争はユージアん時と話が全然違ぇんだ。ユージアの時は真正面の侵略国家エルジアを叩き潰せばよかったんだろうけどな、ベルカの連中は・・・」
「まぁね。エルジアの時は私達が追い出して元凶を叩き潰すんだって解ってたけど。何というか、どうしても重なっちゃうよね・・・私達が一歩遅くてまけたらああなったんじゃないかって。」
レンがそんなことをつぶやく。エルジアに占領された後のユージアがベルカのような行動を起こさないとも考えられないとも思ってしまう。
もしその時に反乱を起こしたら暴挙といわれるのだろうか。自分たちの領土を取り戻そうとして戦い暴挙といわれたらどうするのだろうかと。
「あんたらさ・・・ま、真剣に悩むのは解るよ。うん。」
「マール?」
休憩室にマールが来てインフィニティの缶を開けるとそのまま一杯あおる。清涼飲料水独特の甘味が口の中を満たしたところで、マールが話を続ける。
「けど、ベルカの連中はやってることが酷すぎるもの。勝手に他国を侵略したり核ぶっ放したり・・・そりゃあオーシアに非があるし連中もとっとと領土を返さないからこうなるけど、ベルカだって今止めないと危険すぎるもの。」
「危険、か・・・」
「あんたらISAFはそんな真似しなかったでしょ?国を取り戻すのに余計な犠牲を増やして核とか使おうとしないで、むしろ真っ向から挑んでいったんだから。あいつらには一度教えてあげないと。思想で手段を正当化できないって。」
「思想で・・・?」
「正しいことを達成するために、間違ったことをしたらだめってこと。ま、今のベルカにぴったりじゃない?」
かつて敵国だったベルカに対しマールは気にすることなく意見を言っている。むしろオーシアの方に敵意を感じているようだ。
「あ、そーだ。ちょっと私ケストレルにまで行って来るから適当に理由つけといて。」
「え?」
「というわけでよろしく!じゃ!」
いきなりマールが格納庫まで走っていく。突拍子も無い行為にレナはため息を付くが彼女らしいとも考え、またインフィニティを飲む。

続く

あとがき
スフィルナです。ようやくこっちも進み始めました。1年くらいの放置をここにお詫びします。
インフィニティは何となく作ってみた清涼飲料水です。アクエリアスやポカリみたいなものと考えれば。
裏設定集をかねたおまけもあるんですがこれも送ってもいいのかなと思案中です。
では。次回はジェラーヴリク隊に頑張ってもらいます。ついでにラーズグリーズにも。



 2009/06/14:スフィルナ(あくてぃぶF-15)さんから頂きました。
秋元 「アークバード戦、ですね。ACシリーズって割と、巨大兵器を打ちのめす爽快感があると思います。そう、鋼鉄に通じるような何かが!」
アリス 「……あるのですか?」

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