ACE COMBAT04 Shatterd skies〜メビウスの記憶〜




ACE COMBAT04 Shatterd skies〜メビウスの記憶〜
第3章 空中回廊の遮断〜輸送部隊撃滅作戦〜

11/7 1226時 CVスフィルナ
「エルジア軍がコンベース港へ、大量の戦略物資と緊急展開軍を空輸していることが分かった。この港に停泊するエイギル艦隊を中心として、本格的な侵攻部隊の編成を進めているらしい。敵の部隊編成が終了しエイギル艦隊が出港すれば、この戦争におけるわれわれの敗北が決定する。
今回の任務は、コンベース港へ物資を送る輸送機を攻撃し、我々がいかに簡単にこれらを撃墜できるか敵に教えてやることだ。なお、敵輸送部隊には我が軍から鹵獲した電子戦機がいる。ジャミングでレーダーは麻痺するが、諸君らの視力の妨げにはならないだろう。」
「了解!」
相変わらず無茶なことを言ってくれる指揮官だが、命令は命令だ。
ストーンヘンジの無い空の制空権は我が手にあるということを示す作戦でもある・・・失敗は許されない。
ISAF最強の空軍はまだ健在だということを示す絶好の機会でもある。
「フィン・・・」
「ルウ、どうしたの!?」
寝不足気味の表情でルウがフィンに話しかけてきた。
絶対、何かあったような表情だ。
「・・・3日前から戦闘機に幽霊がひっついたんだが。」
「え?そ、それってMLSじゃないの・・・?」
「何・・・あ、ああ!あれか・・・」
9ヶ月も前に搭載されたからすっかり忘れてしまっていたようだ。
それがようやく覚醒・・・ミラージュ2000Cに愛着をもったと言うことだろう。
「・・・フィンも詳しいが、どうしてなんだ?」
何気なく気になったフォルクが、フィンにたずねる。
いまではすっかりISAF空軍の一員となっているようだ。
「兄さんに教えてもらっただけ。」
「・・・機密になってないじゃないか・・・全然。」
10年前まで最高機密だったMLSをこんな簡単に教えてしまっていいのだろうか?
フォルクはびっくりしたようすだが、フィンにはその理由がわかっていない。
「ってか、出撃しろとうるさいし行くぞ。」
「そうだね。」
第2カタパルトからF-15Jが発艦、第1からミラージュ2000Cが発艦する。
ほとんどがミツビシ社の戦闘機の中でのダッソー社戦闘機・・・少し異様な雰囲気でもある。


作戦空域 1240時
「まもなく輸送機が見える。近くにいる電子戦機、YS-11EAを撃墜すればレーダーはクリアになるはずだ。幸運を祈る!」
「了解。メビウス1、エンゲージ!」
「メビウス2、敵機を殲滅する。」
電子戦機としては大型のYS-11EAを投入している・・・敵戦力はハンターFが4機とJ-35Jが8機。
輸送機の種類はC-17が7機とG-222が8機。大規模な輸送部隊と見て間違いない。
『幽霊扱いは酷いよ、マスター・・・』
「悪かったな、ミラ。」
『・・・って、前方にハンターF・・・RAFめ、落とせると思ってんじゃねぇよ!』
途端にミラージュ2000CがハンターFに接近、マジックAAMを発射。
ヘッドオンで放たれたAIM-9を鮮やかに交わしての一撃でハンターFは爆発。簡単すぎる。
「何やってんだ!?RAFって何だよ!」
『マスターは黙ってて。あの英国機は絶対に・・・』
AIM-9を最初から撃たれてミラは機嫌がかなり悪そうだ。
ルウは・・・ミラというこいつの恐ろしさに気づいたようだ。
「・・・ミラ。俺の前で怒るな。せめて地上にいるときくらいは。」
『・・・いいよ。わかった。けど今は存分に叩かせてもらうよ・・・!』
最初からこのミラージュ2000CはMICAを搭載できる時点でルウはおかしいと思っていた。
まさか、こんなのが引っ付いているとは・・・しかも大陸戦争初期にサンサルパシオンで死んだ彼女そっくりだ。
黄色の13が落とした機体で彼女の家が爆発し・・・生きて帰らなかったが。
「接敵したら常に位置と高度を変えろ。」
「敵にはこっちがよく見えていないはずだ。落ち着いて迎撃しろ。」
ジャミングをかけているYS-11EAを撃墜するのが先決。ルウはそう判断する。
幸いにもミサイルには影響が無いようだ・・・MICAをセット。
『距離8400、ロックオン。』
「フォックス・スリー!」
パイロンからMICAがはずれ、高速でYS-11EAに向かっていく。
原型機が旅客機ゆえか挙動が鈍く、あっさりと撃墜されてしまう。
「YS-11EAががやられたぞ!」
「編隊を崩すな。」
このジャミングの下にC-17が2機とG-222が4機隠れていた。
すぐにMICAを2発発射。C-17を撃墜する。
「すぐに脱出しろ!くっ、これじゃあ丸見えだ!」
「ダメだ・・・うわあっ!!」
G-222の操縦席がぶち抜かれ、ゆっくりと降下していく。
「捕捉された。追っ払ってくれ!」
敵機の増援を確認。トーネードF3の2機編隊だ。
そこそこの強敵と見てかかったほうが良いだろう。
「行くぞ、ミラ。」
『トーネード相手なら望むところよ。』
ヘッドオンでトーネードF3に接近、真正面からマジックAAMを発射。
正面から直撃し、敵機が火に包まれる。
「やられた!脱出する!脱出す・・・」
脱出中に敵機が爆発。木っ端微塵に破壊されてしまう。
「味方が撃墜された!」
『逃さない。絶対に叩き落す。』
動揺しているトーネードF3の後ろからミラージュ2000CがDEFA30mmを打ち込む。
エンジンに直撃、爆発して戦闘不能に。
「食らった!ダメだ、火だ!脱出する!」
「楽勝だな。」
あまりエルジア空軍の質はよくない・・・機体は確かに侮れないがパイロットはダメだ。
黄色中隊に制空権をまかせっきりではないだろうか・・・?
いや、この前のFX-11Aもいるからか。明らかに空軍の質はISAFの方が上だ。
「ヘイロー2が1機撃墜!」
「クーガー7、フォックス・ツー!」
目の前のハンターFがF-104JのAIM-9によって撃墜。
旧式戦闘機同士なら負けないということか。
「な、何故片羽の妖精が・・・!?ぐわあっ!」
「こちらピクシー、敵機撃墜。」
J-35JがF-15CのAAM-3を受けて爆発。弱い相手なのだろう。
最後のMICAをルウはYS-11EAに向ける。
「・・・お前に罪は無いだろうが、落ちてもらう。フォックス・スリー!」
MICAはYS-11EAに向かうと近接信管で爆発。
右のエンジンを破損させ、ジャミングを消滅させることに成功する。
「電子戦機が落ちた!」
「レーダークリア。各機画面を確認しろ。」
「話が違うぞ、このままじゃ落とされる!」
「敵の数は少ない。ひるむな!」
最初からレーダーなど要らないが、これでよく見える。
こうなれば、あとはISAF空軍の独壇場と言ってもいい。
「・・・悪い、もらうぞ。」
G-222の背後からルウがDEFA30mmを発射。敵輸送機を撃墜する。
こんな目標など、射撃訓練の的にしかならない。
『早く落として。帰ったら映画見たいし。』
「おいおい・・・わかったよ。早く落としてやる。
C-17をDEFA30mmで撃破。隣でフィンやヴィクセンが次々に輸送機を撃墜していく。
もう敵勢力はいない。輸送機を撃墜するのは簡単だし死者もあまり出ない。
エンジンと操縦席が離れているため、ベイルアウトしやすいのだ。
「輸送機の撃墜を確認した。レーダーなしでよくやった。」
まぁ、システム機ならこの程度たやすいことだろう。
FX-11Aも黄色中隊もいない。これほど簡単な任務も無いだろう。


サンサルパシオン郊外滑走路 1500時
「・・・来ていたのか。」
あの黄色中隊のメンバー・・・ベルナードが私に声をかけてきた。
町外れの滑走路・・・町長が得意げに演説していたのを今でもはっきりと覚えている。
ただ 町の横を素通りする だけの道であったのに・・・それが占領軍の野戦滑走路になっている。
建設中のトンネルは格納庫へと変貌を遂げて、Su-37フランカーE改を収納している。
それが、「彼ら」の基地・・・彼らは あの落ちて来る小惑星を 撃ち落すために作られ、結局はこの戦争を引き起こす元となった 大砲を防衛するため選りすぐられた飛行中隊。
訪れる敵機も絶えた今では、時に応じほかの戦区にも派遣されていた。
「戦闘機がそれほど珍しいですか?」
私に話しかけてきたのはベルナードのフライトオフィサー。
黄色の4と同じくらいの年齢だろうか。だが、彼の機体は単座。
良くわからないが、ルーチェがある程度噛み砕いて話をしてくれた。
新型のサポート装置に組み込まれたプログラムのようなものであり、ベルナードの補佐をするものだと。
「・・・わかりました?けど、どうしていつも私たちと一緒にいるんです?」
「それは・・・」
まさか、黄色の13を殺すためとは言えるはずはない。
言葉に詰まっていると、ルーチェは言葉をかけてきた。
「・・・言いたくないなら構わないです。人には言えない悩みもありますし・・・ましてや占領軍の私たちになんかうちあけられませんよね?」
「・・・」
無言のうちに、私は立ち去るしかできなかった。
拳銃もナイフも占領軍の兵士からくすねてきたというのに。
・・・言葉も考えてきた。が・・・それを携えたまま近づくことはできない。
黄色中隊の6人は常に明るいながらも、その中に地上にあっても 一切の危険を彼に近づけぬ態度を毅然と示していたから。
自らの撃墜数より すべての列機を必ず連れ帰ることを誇りにする男・・・黄色の13。
彼の操縦がどれほど優れていたか、私がそれを語るのは難しい。
しいて言うなら、ISAFのエース・・・リボンつきを落としたことくらいだ。
「・・・待ってください。よければ・・・ここにいませんか?」
「え・・・?」
「聞きました。生活が苦しいと・・・ならば、せめて・・・」
・・・断る理由は数多くあったけど、断れなかった。
彼らの中に、家族の居心地を見つけていたから。
叔父のところに戻っても別に何も無い・・・
「うん。よかったら・・・」
「よかったです。マスター・・・話が。」
ルーチェは、ベルナードと何かを話している。
これから、私を養うなりなんな利することについての相談だろう。

「今日も快勝ですね。」
黄色の4が、エーリッヒに笑顔で話しかける。
「いや・・・落として当然だ。弱すぎる・・・リボンのほうがまだ楽しめた。」
「そう、ですか・・・」
「いずれ、俺と対等の敵が出てきて技の限りを尽くせるなら・・・落とされても恨まない。それで死んでも。」
どこかさびしげに、エーリッヒは空を見上げながらつぶやく。
どうせなら、マールと戦わせてくれればよかったものを・・・そう悔やまずにはいられなかった。


CV-47スフィルナ 1530時

「・・・ん?」
ルウが誰かの気配を感じて振り向くと、そこにミラが立っている。
「レンと同じ・・・か?」
「そう。」
説明で言われたことを少しずつルウは思い出してきたようだ。
なるほどとうなずくと、ミラを抱き機抱えて頬を寄せる。
「二度と離さないからな・・・絶対!」
「ありがと。私を見失わないでほしいけどね。」
戦闘中以外ならかわいい。それに・・・やはり、どこかサンサルパシオンで失った彼女の面影がある。
精神生命体は本人の深層心理も取り込むと言うから、そこからか・・・?
「さっそく可愛がってるんだね、ルウ。」
「やっぱりかわいいだろ?フィン。あ、こいつは俺達の隊長のフィン。空戦の腕前はなかなかだ。まだMLSが届かないからどうにもできてないけどな。」
まぁ、俺達は空以外では親友・・・空でも親友だろうか。
フィンとはなかなか頼りにしたりされたりと・・・腐れ縁と言うか友情と言うか。
ミラは笑顔を見せているが、それは絶対戦闘中にストレス溜め込んでるはずだ。
「あいつ、イーグル中毒患者だ。F-15が大好きなんだと。」
「どうして?」
「幼い頃・・・死んだレイシスに実験機に乗せてもらったんだ。F-15ACTIVEっていう機動実験機に。まぁ、9年位前の話だけどな。あの機体は今でもISAFの格納庫に眠っている。MLSの実験機として使われたが、操縦者がやられてな。」
ふぅん、とミラはうなずくとちょっと気になったことをたずねる。
「・・・マスターの過去に何かあった?悲しいこととか。」
「あ、ああ・・・まぁいろいろあったな。」
もう一度、ルウはMLSの説明を思い返してみる。
――過去に何かつらい出来事があります。その出来事の為、被験者達は心のより所を求めます。その心のより所が航空機である場合、厳密な審査の末に、MLシステム適合者として選ばれるのです。
・・・なるほど、彼女を失った悲しさを埋めるために空への渇望があったのだろう。
今は親友にある程度よりかかっているが・・・何か足りないと感じていたようだ。
「ミラ・・・失っただけ大切にする。絶対・・・」
「マスター・・・」
絶対に機体後部のブラックボックスだけはぶち抜かせない。ルウは硬く決心すると操縦席に引っぱっていく。
「え?」
「フィン、ちょっと来い!DACTやるぞ。」
隊長をこんなふに呼びつけるのはメビウス隊くらいじゃないだろうか。
ヴィクセンも覚醒させて負けたのだが・・・今なら勝てる。F-15Jとミラージュ2000Cなら。
「隊長をそーやって呼びつけるの気に食わないけど、いいよ。負けたらカレーライスおごってね。」
「いいだろう。晩飯かけてやる。」
ミラージュ2000Cにルウが乗り込み、そのままエレベーターが上がっていく。
ミラを守るという目的が1つできた・・・そのために戦うのも悪くないだろう。

続く

あとがき
黄色中隊は相変わらずサイドストーリーで。
次の戦いで・・・F-15Jがどうなるかは解りませんけどね。
ハンターFとかジャギュアとか本当に使いたいなぁ。ACEで。
では、次回は石油精製施設襲撃。黄色中隊との激突です。



 2006/12/26:あくてぃぶF-15さんから頂きました。
秋元 「MCは精神体ですから、ある意味霊体です。というより元をたどれば思念体ですから、生霊?」
アリス 「……違います(ぼそっ」
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