ACE COMBAT The Belkan war 円卓の騎士たちへのレクイエム


――知ってるか?エースは3つに分けられる。
力を求める奴、プライドに生きる奴、戦況を読める奴。この3つだ。
あいつは・・・・

ACE COMBAT The Belkan war 円卓の騎士たちへのレクイエム
第1章 凍てつく翼


1995年3/27 ベルカ絶対防衛空域エリアB7R 通称「円卓」

『ゴルト2よりゴルト4!前のラプターを包囲しろ!』
『ゴルト3、了解。』
『ゴルト4、了解!』
宣戦布告と同時にエリアB7Rの制空権を握ったベルカ空軍はオーシア、ウスティオ、サピン3カ国連合軍の相手をしていた。
ここには鉄やクロム、アルミニウムなどの金属のほかに蒼晶石と呼ばれる鉱石が大量に採掘される鉱山があるのだ。
そして、ここの制空権を握れば戦争を長期的に続けられる。
先ほどのラプターは、3機からバルカンの集中攻撃を喰らって落ちていく。
その途端に、増援のタイフーンが到着した。
『ロトより各機へ。攻撃を開始する!』
「待ってたぜ、円卓の主役さんよ!王者とフクロウだけってのもさびしいからな!」
緑色に塗装されたF/A-18CがセミアクティブAAMを発射、敵機を撃墜した。
『シュミッド、お前は調子に乗りすぎだ。もう少し押さえろ。』
「悪ぃな、俺はこうでもしねぇと気が乗らないんでね。」
『メイデイメイデイメイデイ!こちらライン6、機体損傷!脱出する!』
今度はオーシア空軍のユーロファイター・タイフーンが撃墜されて墜落していく。
『残りは3機だ。躊躇するな、撃ち落せ!』
ベルクトの編隊は3つに分かれた。
3機編成の隊と4機編成、そして隊長機の3つに。
『スコアは稼がせて貰うぞ。ゴルト1、フォックス・ツー!』
ウェポンベイから発射されたアーチャーAAMが敵機を捉え、近接信管で爆発した。
煙を吹きながら敵機は墜落、パイロットはベイルアウトした。
『インディゴ1より各機へ。終わりだ。』
『ロト1より各機へ。円卓の制空権を確保。終了だ。』
この円卓に集まっていた戦闘機、エース部隊は大半が生還した。
少数精鋭を誇るベルカ空軍が、多数の連合軍相手に勝利したのだ。
「グリューン隊、全機確認。お前ら、どれだけスコア稼いだか基地に帰ったら言ってみろ。」
『隊長、俺は8機やりました。』
『俺は12機。』
『げっ・・・お前ら、そんなに!?俺、たった5機だぜ!?』
ベルンハルトは笑みを浮かべると、グリューン隊の隊員に言った。
「俺は17機。フリッツ、お前が今日の酒をおごれ。」
『じ、冗談じゃないです!明日彼女とデートなんですよ!?』
「撃墜できない自分を恨むんだな。全機、帰還するぞ!」
『あー・・・』
4番機のフリッツだけが落ち込んだ声で答え、グリューン隊は基地へと帰還していった。



3/31 ヴァレー空軍基地

「・・・ひどいものね。」

1機のF-15Cがヴァレー空軍基地に着陸した。
両翼を紺色に塗装した、ウスティオ空軍のF-15Cだ。
ベルカ空軍に蹂躙され、ヴァレーにいるのはウスティオの経済力で雇った傭兵が4機だけ。
到底、軍を名乗れるほどではない。
「・・・ウスティオの正規空軍!?マールか!?」
「あいつがようやく帰ってきたぞ!」
整備へいたちが、滑走路でパイロトに手を振っている。
F-15Cから1人の女性が降りてきた。
彼女はすぐに司令部に入っていき、司令官に面会した。
「さて・・・マール・レヴァンス大尉。貴官にもわかるとおり・・・我が軍はラウンドテーブル作戦を失敗、9割の航空部隊を失ってしまった。残るは貴官とブレア少佐しか居ない。」
「ええ。憂慮するべき事態と考えます。」
「大尉、君には片羽とコンビを組んでくれないかな?ブレアは傭兵3機の航空隊をまとめる役についている。それに、片羽とコンビを組めるのは貴官しか居ない。」
「わかりました。」
片羽の妖精ラリー・フォルク。彼とチームを組むことにマールは満足した。
他の傭兵だったら財布と敵機を同じに考えているが、それでは嫌なのだ。
攻撃能力のない敵はたたかない、それをルールとして決めている以上は。



「・・・何か用か?俺に。」
格納庫にいた傭兵に、マールは話しかけた。
「ガルム隊として、正式に僚機をやることになったマール・レヴァンス。よろしく。」
「俺の僚機?何でまた・・・」
「司令部からの命令。後にいるのは・・・MLSの精神生命体ね。F-15Cイーグル・シルヴィア。」
マールの話の早さにフォルクはついていけない様子だ。
MLSとはパイロットの残留思念を吸収、心と命を持たせるものらしい。
コアには蒼晶石と呼ばれる特殊な鉱石が使用されている。
「・・・なんで最初から見てわかるんだ!?」
「翼をつけてるから。すぐわかるじゃない。」
「いや、名乗っても無いのに普通名前なんてわかるか?」
「私、物覚えがいいから。片羽の噂はISAFにまで届いてるの。」
ISAFにまで片羽の噂が及んでいるのは事実だ、
ユージア紛争でも片羽の妖精が大活躍して鎮圧できたといっても過言ではない。
「・・・わかった。改めて自己紹介する。傭兵のラリー・フォルクだ。」
「F-15C・シルヴィアです。よろしくお願いします。」
彼の後にいた、シスター副姿の少女もマールに挨拶した。
「よろしく。」
マールは2人と握手を交わすと、ここ最近の状況を尋ね始めた。
「・・・どうなの?ウスティオは。」
「開戦と同時に大半が占領され、もう今ではこの空軍基地しか残っていない。難民はサピンやオーシアに逃げ込んだ。」
「何でこんな戦争が・・・?ウスティオとベルカは・・・3年前模擬空戦の演習を合同でやるほどまで・・・」
3年前、ベルカとウスティオの合同演習・・・通称ガントレット演習があった。
ISAFも協力し、演習は大成功に終わったが・・・
「この国家自体、ベルカは正当じゃないと判断したんだ。連邦法を改正して、それを口実に攻め込んだんだ。ウスティオとサピンを飲み込み、それからオーシアとじっくり戦うつもりだ。東部諸国の一部もベルカについた。」
「そんな・・・!ISAFも戦争に!?」
「可能性は十分にありえる。5年前に東部諸国は海軍、空軍力をベルカの協力で増強した。あのときから密約でも交わされてたんだろう。奴らはISAFを攻めるつもりだ。東部諸国はISAFへのテロを支援している。それも租借地のことで何度ももめてたからな・・・」
「・・・ユージア紛争の引き金になったZOE空軍の拠点があったからね。」
1992年にユージア大陸で勃発した大規模な紛争のことで、東部諸国の半島に拠点が確認されたのだ。
ISAFはこの拠点を攻撃、東部諸国にテロ組織を看過した償いとして拠点のあった地域を租借したのだ。
が・・・これがISAFの自作自演である可能性も否定できない。
この租借された地域から、大量の鉱山資源が産出したのだ。
東部諸国はベルカと手を組み、ISAFに報復する機会をうかがっているのはマールも知っていたが・・・
「ま、俺達はここからウスティオを開放する。時が来るのを待つだけだ。」
「そう。今すぐ行きたいけどね。」
マールは、占領されたディレクタスの方角をずっと見つめていた。




同日同時刻 ISAF空母スフィルナ
「発艦準備急げ!」
「レイピアが頼みの綱だ!」
東部諸国の揚陸作戦に対し、ISAF空軍はファーバンティ沖で邀撃する事を決定した。
直ちに第5艦隊が出撃、CVスフィルナから無数の艦上戦闘機が発進していく。
「メビウス、お前の新鋭機は大事にしろよ!そいつがISAFのMLS試作機だ!」
「感覚は掴んでます!行きます!」
F/A-18Eの6機編隊にまぎれている着艦フック装備のF-2AとF/A-22Aがやけに目立っている。
レイシス・リタルダント中尉はラプターの操縦桿を握り、HUD越しに風景を眺めていた。
「・・・やれやれだ。ベルカの戦争だと思ってたら、こっちにまで飛び火しやがって・・・ルシア、恨むならお偉いさんを恨んでくれ。」
『・・・別にかまわない。これが私の任務だから。』
声がしたような気がして、レイシスは無線を僚機につないだ。
「レイピア7、今回の作戦に女性のパイロットはいたか?」
「いや、居ないが・・・どうしたんだ?」
「無線の故障だ。たいしたことはないがすこし遅れる。」
「了解。スカイアイには俺から言っておく。」
無線を切っておくと、レイシスは計器と周波数を確認し始めた。
目立った異常もなく、周波数もピッタリ合っている。
「・・・幻聴か?」
『違う。1時方向に敵機。』
「1時方向・・・?」
レイシスが1時方向を見ると、目の前に敵機が居た。
「こちらメビウス!敵ステルス攻撃機を発見した!邀撃が完了次第本隊に合流する!」
「わかった。何とか頼む。」
「機種は何だ!?大型のデルタ翼・・・あんな攻撃機なんてあったか!?」
大型のデルタ翼にTVC、おまけに武装を全部ウェポンベイに格納している。
が、その形状はどこかで見た記憶がある。
『F/B-22Cだ。気を抜くな。』
「・・・あんた誰だよ!何やってんだ!?」
MLSのことを全然レイシスは訊いていないが、とりあえずイメージの中にある銀髪の少女が答えているようだ。
服装は西洋の呪術師が着る様な薄い灰色のローブ。髪の毛をリボンで束ねている。
『・・・支援するだけだ。あとはマスターの腕前に賭ける。』
「な・・・!?」
その途端、彼は自分自身がラプター・ルシアのように感じた。
機体のデータやらダメージやら、全てが脳内に入り込んでくる。
「あんたは・・・!?」
『敵機が先だ。話はそれから。』
「・・・それもそうか!」
ヘッドオンで向かってくる敵機にAIM-120を発射。
それをかわした敵機の進路を予測して機首をむけ、バルカンを乱射した。
巨大な主翼に次々に銃弾が命中。煙を吹くのを確認しないで急旋回した。
ミサイルアラートが鳴り響いているが、かまわずに敵機をロック、AIM-9を発射した。
すぐに相手のミサイル射線から機体を翻し、何とかかわす。
「・・・こちらメビウス。敵機を撃墜した。」
「早いな。さすがベルカのエース部隊に引けを取らないメビウスだ。どうかしたか?」
「大丈夫だ。このまま空戦を続行する。」
レイシスの乗るラプターはそのまま作戦空域へと突入していった。
「・・・あんた、誰だよ・・・」
『F/A-22Aラプター・ルシア。貴方の残留思念より生み出された者。貴方を・・・支援する。』
「支援って、さっきのか?ま・・・頼む。」
とにかく、戸惑うよりこのことを受け入れてすぐに戦う。
レイシスはそう決めて、戦空へと赴いた。



続く

あとがき
ACE0小説を書き始めました。
スフィルナはどこかで聞いたような響きと言わないで下さい。
気のせいです、気のせい。
MLSはベルカ軍機に多いですので、これから登場してくる可能性もあります。
アサルトレコードの年齢は「1995年当時と2005年度が入り混じってる」と言うわけで変動があります。
オリジナルの設定もありますので注意・・・これからも入るかも。
それでは。



 2006/05/16:あくてぃぶF-15さんから頂きました。
秋元 「AC-ZEROはまだ未プレイだったり_| ̄|○ 」
アリス 「……資金面で苦しいので、購入できないのです」
秋元 「う〜ん、はやくやりたい(笑」

     第2章へ
戻る  トップ